野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

深大寺バラ園ライトアップ

2010-05-31 | 植物園
 先日、深大寺植物園にバラのライトアップ(5月15日から30日まで)を見に出かけた。私が訪ねた日は春のバラフェスタの最終日、最近の雨のせいだろうか傷んだバラが多かったのが残念だった。

 入園したのは6時少し前、途中シャクナゲやシャクヤク等も見ながら行った。



 空はまだ明るい。




















 闇が濃くなるにつれ、バラも一層優美さと妖艶さを増すようだ。
















 いろいろな光線がまじりあっていてホワイトバランスが難しい。
















 噴水も2色にライトアップされている。













 一時間ほどでだいぶ空も暗くなってきた。バラの花たちもいっそう妖しさを増してきたようだ。















 バラの花びらについた斑点は雨によるものだろうか、気品を漂わせ、美しいだけにいっそう痛々しい。


















 闇が濃くなるにつれ、バラの香りもむせかえるほど強くなってくる。闇の奥底でバラの精霊たちが妖しげに蠢いているのを感じる。













 7時を過ぎても、予定されていたバラ園のコンサートは一向に始まらない。暫く待ったが、夕飯がまだだったこともあり待ち切れず帰ることにした。
すっかり闇に覆われたバラ園



 それにしても濃密な時間だった。

小菅道から大菩薩嶺へ②

2010-05-28 | 登山
  <前回からの続き>
 平日にもかかわらず、大菩薩峠周辺はさすがに人が多い。



 ここで昼にする予定だったが、余りの賑やかさにそのまま大菩薩嶺まで登ることにする。
それにしても稜線に出たせいか寒気を含んだ風が吹き抜け寒い。薄手のベストを着込むことにした。



 眼下の湖は以前上日川ダム湖と呼ばれていたのだが、最近の地図では大菩薩湖とされている。




 かろうじて「この美しい自然を次の世代に」と読める。






 賽ノ河原の避難小屋が見えてきた。



 旧い峠はこの辺だったらしい。



 


 振り返った先には晴れていれば富士山が中空に浮かんで見えるのだが……。




 ミネザクラ。期待していたズミの花やサラサドウダンは未開花だった。







 雷岩を越えて鬱蒼とした針葉樹林帯の湿った山道を緩やかに登っていく。




 雷岩から10分、あっけなく頂上の標識が見えてきた。



 頂上は5分ほどで引き返す。風が出てきたようで日差しも見えなくなってきた。






 夕靄がたち始めたのだろうか、ダム湖が白い闇に覆われ始めた。




 



 再び介山荘が見えてきた。




 この後峠で昼食をとってから来た道を下って行った。




 初めてマミジロの姿を見た。





 登山口に着いたのが予定より30分ほど早かったので、帰りは白糸の滝に寄ってから帰った。



 この辺で

小菅道から大菩薩嶺へ

2010-05-28 | 登山
 大菩薩には何度か登っているのだが、今回は初めて山梨県の小菅村から旧道歩きのピストン登山をしてみた。


 行程概略;10時半大菩薩峠登山口→11時10分日向沢分岐→12時20分フルコンバ→13時大菩薩峠
→13時40分大菩薩嶺→14時20分大菩薩峠、ここで遅めの昼食→16時登山口に戻る

 総歩数24000歩、小菅道を歩いている間は上り下りとも人に出会うことはなかった。



 登山口を100mほど進んだ先に4,5台駐車できるスペースがあった。そこから登山口まで戻って登ることにした。



 すぐに沢を渡って、暫くは針葉樹林帯のなだらかな山道を行く。



 杉やヒノキの林の中は下草が殆どなく、マムシグサが時折目に付く位。作業用として普段から使われているせいか、道はよく整備されている。林の切れた所では、タチツボスミレやヘビイチゴの花が目に付く。左下は一輪だけ咲きだしていたクワガタソウ。



 黄色と黒の派手な模様の蛾、トラガ?



 ガクウツギ



 針葉樹と広葉樹の混交林、新緑が目に優しい



 右はワチガイソウ、蕊が特徴的な花だ



 石畳や丸石で保護された壁、腐りかけた木道など少しずつ旧道の雰囲気が感じられて来た。



 道端にギンリョウソウを見つけた。




 先ほどから大きな声で囀っている鳥がいる。気になって探していたのだが、やっと枝の合間に姿を見つけた。やはり籠脱け鳥の相思鳥だった。




 小沢の傍まで来たら植相が少し変わった。左上からエイザンスミレ、ネコノメソウ、ミヤマハコベ、そしてフタリシズカ。



 沢が傍にあるせいか、カエルとハルゼミが競い合うかのように合唱していてうるさいぐらいだ。山道に沿って古ぼけた巣箱が設けられている。




 峠が近づくにつれ、再び登りが急になってきた。この辺になるとミヤマカタバミが目立つ。






 2年前の戸隠高原以来のヒメイチゲだ、この花の可愛らしい姿を見ると懐かしさがこみ上げてくる。



 旧道の雰囲気が濃くなってきた。



 やっと小菅大菩薩道と丹波大菩薩道の分岐である、フルコンバ(古木場か)小屋跡に着いた。







 ムシカリ


 
20分ほど登った所で荷渡し場を過ぎた。甲州街道の裏街道の一つとして往来されていた名残は今はない。



 峠が近くなり、視界が開けてきた。



 介山荘到着
 

 <長くなったのでこの辺で中断>





雨のバラ園

2010-05-25 | 植物園
 春秋の年2回だけ特別開園する、生田緑地のバラ園を訪ねた。



 今回は黄色から白、ピンク、赤、そして紫と色の順に並べて見た。雨の中、黄バラの色が際立って美しかった。

 ランドラ<ドイツ>



 金閣<日本>



 3年に1度開かれる世界ばら会議ではバラの最高品種が一品種だけ選ばれる。1976年から今まで13品種が選ばれているが、生田緑地のバラ園の中にはその殿堂入りしたバラが11種ある。

 一番初めに殿堂入りしたピース<フランス>




 クッパーケーニギン<ドイツ>







 ジュリア<イギリス>







新雪<日本>




 パスカリ<ベルギー>




ワイルドイブ<イギリス>




ピエールドロンサール<フランス>、2006年殿堂入りしたつる性のバラ






 ニコール<ドイツ> 四季咲の中輪バラ




 コルデスパーフェクタ<ドイツ>



 プリンセスドゥモナコ<フランス、メイアン>



 グロリアデローマ<イタリア>



 スカボローフェア<イギリス>









 オリヒメ<日本> ポンポン咲きと言うそう



 サムライ<フランス、メイアン社>















 クイーンエリザベス<アメリカ> 1979年に殿堂入りしている、名花中の名花。






 エスメラルダ<ドイツ>







 ウイミー



 これも1988年に殿堂入りのパパメイアン<オーストラリア>



 クリスチャンディオール<フランス>








 カトリーヌドヌーブ<フランス>




 黒真珠<日本>




 マダムビオレ<日本>




 ブルームーン<ドイツ>







 雨の中、バラの色合いを味わいたいと思って出かけたのだが、「この雨で今季のバラはお終いだなぁ」という、係りの人の声にしみじみと感じ入ってしまいました。育て上げ世話をしてくれる人に感謝の気持ちを忘れてはいけないのだなぁ。
 また、ボタンにしろバラにしろ梅雨前に咲くというのは、大輪の花として雨を避ける戦略だったということに気付かされた一日だった。

初夏の箱根湿性花園

2010-05-22 | 植物園
 金時山登山の帰り箱根湿性花園に寄った。開園したての3月から4月のにかけては群生するミズバショウ。6月から7月には高山植物が咲きそろい、また湿原はノハナショウブの紫におおわれる。そして9月から10月の時期には秋の草花と仙石原高原を覆い尽くすススキそして紅葉。四季折々楽しめる湿性花園だが、5月の中下旬に訪れるのは初めて。どんな花に出会えるのか楽しみにして門をくぐった。



 平日のちょうどお昼時とあって来園者は比較的まばら。



 入口近くの一角が外国産の珍しい植物のコーナーになっている。

 紅白のコマクサ



 オニブキの花はまだ見たことがなかった。



 ヒマラヤの青いケシ。いつも早すぎたり、枯れかかっていたりしたのだが今回はちょうど見ごろ。花弁の気品のある青色が美しかった。



 左上からニョイスミレ、ミヤマヨメナ、下はバイカイカリソウと咲きかけのクサタチバナ



 見上げた先にはツリバナの花、秋の実も格好の被写体になる。



 クリンソウ






 勢いよく咲いているのはズミ(こなし)の花、大菩薩嶺等の奥秩父の山でよく見かける花だ。






 池の水面をコウホネやアサザが彩っている。






 ここではレンゲツツジももう咲き始めている。






 これはスカシユリ




 ヒオウギアヤメやカキツバタなどのアヤメの仲間も次々と咲きだした。






 センダイハギ。北海道や東北の海岸近くに多く見られるので、すっかり仙台萩と勘違いしていたが、正しくは先代萩らしい。



 薄暗い林床ではシラネアオイが一輪だけ咲き残っていた。



 クマガイソウは園内の2,3か所で見られる。



 間もなくユリやニッコウキスゲが咲きだす夏を迎える。梢の先に先ほど登ってきた金時山が見えた。



 この花は今まで見たことがなかった、ケナシヤブデマリ




 私の好きなシロヤシオも葉蔭でひっそりと咲いていた。



 クロユリ。貴婦人然とした見かけにふらふらと近づき、匂いをかぐと幻滅してしまう。




 ミヤマオダマキ




 イソツツジとハクサンチドリ




 尾瀬でよく見かけるヒメシャクナゲ




 高山ではありふれたスミレ、オオバキスミレ




 左上からエゾウスユキソウ、コマクサ、ミツガシワ、エゾハナシノブ




 これも花なのか、イグサの仲間であるオオヌマハリイ



 大好きな花の一つヒメシャガ、今は閉園している赤城自然園で初めて野生の姿を見た時は感激した。




 どうやらヒメサユリには早すぎたようだ。ヒメサユリは日本特産の花で、しかも山形、新潟、福島の県境付近の山地でしか見られない花だ。ただ花期は5月下旬から8月にかけてと長いので、その地域の山を歩いていると出会う機会は多い。



 ムラサキツリガネツツジとあったが、ウラジロヨウラクとよく似ている。



 黄緑色の花はいつだって奥ゆかしく見える、ハクサンタイゲキ。




 これも好きな花だ、ユキザサ



 この時季湿原を覆っていたのはカサスゲ。右はナルコユリ




 園内では何度か雉の鳴き声が聞こえていたのだが、用水路の脇でやっとその姿を見ることができた。




 花の数は他の季節に比べて多いとはいえないものの、その分来園者の少ない中をヒメシャガ、ユキザサ、シロヤシオ、クロユリなどお気に入りの花に出会えたので大収穫、訪ねた甲斐があったというものだ。

 モミジ葉を透かした陽光はすっかり夏のそれだった。



 この辺で。