野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

城山カタクリの里

2014-03-29 | 植物園

 

 

 前回からの続き

 

 まだまだ最盛期の群生には届かないが、それでもだんだんと咲きそろってきた。

 

 一輪でも凛と咲く

 

 

白花カタクリも

 

 開花したばかりの初々しいピンクが眩しい

 

 陰になり日向になり、共に咲き共に生きる

 

 

 

 どこからか春の鼓動が聞こえてくる

 

 時には艶を競って咲く

 

 青春の舞台

 

 なかなか気に入った絵にならないショウジョウバカマ

 

 園児たちの群れのようなバナセツブンソウもちょうど見頃だった

 

野に咲く花の素朴さと美しさ シュンラン

 

コシノコバイモ

 

陽がさしてきてやっと花弁を開いてくれたキクザキイチゲ

 

 恥らって蕾をなかなか開こうとしないユキワリイチゲ

 

 カンスゲ

 

木本科の花も熱を帯びた日差しを受け、一気に開花し始めた。

ツバキ

 

これは蕊が特徴的なボクハンツバキ

 

 早春の山野を彩るミツマタ

 

アカバナとキバナのミツマタ

 

 

紅花のアセビ

 

これも低山の春を彩るキブシとクロモジ

 

 

 そしてヒメコブシ

 

色とりどりの花々が演じるシンフォニー、春の序章だ

 

この辺で。

 

 


巡りくる春

2014-03-27 | 植物園

 城山カタクリの里は今年は3月8日から4月20日まで開園されている。2度の大雪で開花が遅れ、カタクリが咲き出したのは開園から一週間以上過ぎた3月16日となった。私が訪ねたのはさらに10日たった3月26日だったが、まだカタクリは2割程度しか咲いておらず、群生の圧巻が見られるのはもう一週間ぐらいかかるかもしれない。

 雪のお蔭かどうか、今回はユキワリソウの見頃に出会うことができた。

 

ユキワリソウは漢字では雪割草となるが、これはもともとはサクラソウ科の花をさす。ただ最近はキンポウゲ科のミスミソウやスハマソウの仲間を総称してユキワリソウということが多くなってきたようだ。

 

 

 

 

 

花弁(萼片)の色、形、数が様々で、これがすべて同品種の花なのだから驚いてしまう。

 

 

 

 

 

 スハマソウはミスミソウの一品種で、根生葉に丸みがあるのだというが、中間種も多く識別は難しい。

 

 

 

 

 オオミスミソウもミスミソウの一品種で全体が大きく、花の色も白、紫、紅、藍と多様。分布は新潟を中心とした日本海側に多い。

 

 

 

 

 

 ユキワリソウの呼び名は、同じキンポウゲ科のニリンソウやイチリンソウ、アズマイチゲなどにも使われる。

 

 

 山形ではツチサクラ、長野ではジザクラと呼ばれているという記載もあった。

 

 

 

 蕾も可愛い

 

 

興味のある方はもっと詳しく専門的に書かれたサイト国際雪割草教会もあるので参考にどうぞ。

 

 

枯草の間から可愛い顔をひょっこりと出している。

 

 

 

今年は雪が多く降り消えずに長い間残っていたということで、いつもの年より花付きも発色もよかったように思われる。

 

 

 

 大振りなカタクリの葉の間から顔を出したユキワリソウ

 

 

 花弁の一部が変色したり、斑の入った個体も多くみられる

 

 

 

 

 

  あまりの多様さに幻惑されてしまったようだ。

今日はこの辺で。

 

 

 

 

 


早春の森の博物館

2014-03-25 | ハイキング

  卵塊の前に顔を見せたアカガエル。

 

 3月中旬、埼玉狭山丘陵にある森の博物館を訪ねた。この辺りには武蔵野の面影が残され、里山の風景が今も見られる。野の花はまだ咲きだしてはいないだろうが、冬鳥に出会えればと思ったのだが、水鳥の池には水鳥の姿はない。

 

 何時もは野鳥の声がするのだが、今日はどういうわけか静かだ。

 

と思ったら、上空を猛禽類が飛んでいた。

 

左の羽の先端がちぎれている。遠目だが、喉のところが黒いのでノスリのようだ。

 

ノスリも去って再び小鳥の声が聞こえ始めた。 

枝先で遊んでいたヤマガラの群れはカメラを向ける前に飛び去って行った。残ったのは愛嬌のあるシジュウカラだ。

 

コゲラも近くの枝を行ったり来たりしている。

 

 ピリピリという鳴き声はカワラヒワ。

  ウグイスややかましいガビチョウの声はするが姿は見えない。もう北の国に帰ったのかシメやアオジ、ツグミなど冬鳥の姿が見られないのがさびしい。

 ちょっと離れたところで鴨の鳴き声のような声がする。近くまで寄っていくと、鳴き声ははたと止んだ。

 

辛抱して待っているとやがて葦の根元に顔を出し始めた。どうやらアカガエルのようだ。

 

交尾しているのはヤマアカガエル。

 

水面から顔を出して辺りを偵察しているがなかなか鳴こうとはしない。

 

 

30分近くも待ったのだが、二度と鳴き声は聞けなかった。

 

 

 この日は六道山公園の方まで足を延ばしたが、シロハラとモズと運よく散歩中のタヌキを見かけただけ。タヌキには大急ぎで逃げられてしまった。

 

 

帰り際、根株のサルノコシカケの下に面白いものを見つけた。

いったい誰が置いたのだろうか。

 

 

所でどうしてもアカガエルの鳴き声を録りたくて、2,3日してから再び博物館へ出かけたのだが、鳴き声どころか親ガエルの姿すら見られなかった。代りに出迎えたのはたくさんの孵化したオタマジャクシたちだった。春の進みは思ったより早いようだ。

 

この辺で。

 


大船フラワーセンター春の便り

2014-03-19 | 探鳥

  

 墓参りのついでに大船にあるフラワーセンターへ寄ってきた。春は暦の上だけで、野はまだ無彩色の世界だが、この植物園では鮮やかな春の極彩色の世界が広がっていた。

入り口からすぐのところに小さな菜の花畑の黄色が見えた。

 

その脇では寒咲きの桜の品種がいくつか咲いている。

 この辺りの地名から撮った玉縄桜。この植物園で作られた品種で外見は染井吉野そっくりだが、早咲きと一か月という長咲きの特徴を持っている。

 

 ピンクの色が綺麗な”春めき”という品種は足柄桜とも呼ばれ、寒緋桜と中国産の支那実(しなみ)桜の交配したもの。

 

 

大寒桜

 

豆桜と寒緋桜との交配で作られた”オカメ”という品種はもともとはベルギー産らしい。

 

啓翁桜は寒桜とやはり中国の実桜の交配種。山形の東根市では”冬の桜”として促成栽培している。

 

 桜ではないが花桃の品種”照手姫”。普通は3月下旬に咲くものを桃の節句に咲くように温室で育てたもののようだ。

 

 咲いているのは桜だけでない。これは庭木でもよく見かけるサンシュユ。

 

乙女椿

 

ユキヤナギ

 

ミツマタ

 

少し朱色の入ったアセビ

 

初めて見たクロヤナギ、でも花芽は赤

 

 木本の花だけでなく露地ではオオミスミソウ通称雪割草がたくさん見られた。

 

 

 

 オオミスミソウは日本海側のまだ雪の残る低山で2~5月にかけて咲くキンポウゲ科の花

 

 

 花色は基本色の白だけでなく、ピンク、ブルー、薄紫と多彩。色彩だけでなく園芸品種の花のように花姿も多岐にわたっている。数年前山形の飛島を4月に訪れたとき、野に咲く自然の花なのにその多彩さに圧倒されたことがあった。

 

 

 

 変化に富むのは色だけでなく、花弁の形や茎を含めた花姿まで様々だ。

 

 

ヒメリュウキンカはヨーロッパから園芸用として入って来たもの。日本自生の残雪の中で咲きだすリュウキンカやエゾリュウキンカと似ている。

 

キクザキイチゲも飛島では道路脇でたくさん見かけた。

 

こちらはユキワリイチゲ。斑入りの葉とピンクと帯びた花弁が愛らしい。なおユキワリイチゲは関東近辺では見られない。本州西部から九州にかけて咲く花。

 

花弁に赤紫の縁取りのあるクリスマスローズ。クリスマスとはいうが咲くのはクリスマスをとうに過ぎた3月の今頃

 

大温室を覗いた。

 ヒスイカズラ

 

クロジクビジンショウはインドアッサム地方原産の花。花の中にまた小さな花があるような変わった花だ。

 

 お終いは熱帯性スイレン

 

 

イトトンボの日向ぼっこ

 

この辺で。

 


冬の野鳥⑥

2014-03-13 | 探鳥

  

 雪も溶けてしまい、野に春の兆しが見え始めた。2月初めには今年の春は早くなりそうと書いたのに、先月の2回の大雪とその後の寒気で季節の進みは平年よりも遅れそうな感じだ。散歩しても花の便りは梅を除いてはほとんど見られない。ウグイスの初音さえ今年はまだ聞いていない。 そういうわけで今回はここ2週間ほどで撮りためた冬鳥たち、花や虫のスプリングエフェメラルたちはもう1,2週間待たなければならないようだ。

 単独行が好きなシロハラは僕の好きな鳥の一つだ。地味な体色だが、金色のアイリングが魅力的な鳥だ。

 

可愛さでは負けないジョウビタキ♀

 

 

 白いアイリングと赤茶色のしっぽが可愛い、寒さの厳しい中、精いっぱい体を膨らましている様子がまたまた可愛い。

 

 警戒心が薄い個体で4、5m位まで近寄らせてもらった。

 

 きりっとした目つきのアオジ

 

いつでもどこでも出迎えてくれるシジュウカラ

 

 少なくなったといわれるがまだまだ私の住む辺りではよく見かけるスズメ。とあるスズメの本によると、100個の卵から孵るのは60個、そのうち一年を越せるのは10羽、6年後には一羽まで減ってしまうという。可愛さは必死で生きる彼らの放つある種のオーラなのかもしれない。

 

3月初旬のある日、大勢のカメラマンたちを惹きつけていたのはキツツキの仲間アリスイだった。

 

警戒心が強いのかなかなか近寄れないので、300㎜の望遠ではトリミングしてもこんな感じでしか撮れない。

 

この個体はなかなか動きが活発で、あちこち飛び回ってそのたびごとに20名近くのカメラマンたちが右往左往していた。

 暫く枯草の山の中に潜っていたが、やっと顔を出した。

 

 

 

 かさばるからといって車の中に、デジスコセットと三脚とおいてくるんじゃなかったと後悔。

 

この日はキジにも久しぶりに出会えた。

 

 

辺りを警戒しながら餌を探している

 

右手の草むらをブラインドにして覗いたら結構大きく撮れた。

 

 別の日、多摩川の中流域でチドリを見かけた

 

 

こちらはセグロセキレイ、残雪の固まった氷の上を歩いていた。

 

これはタヒバリ、イソシギとイカルチドリとタヒバリはこの辺の河原の常連さんだ。

 

 

カワウもよく見かける

 

土俵の上でカワウとアオサギの対決? もちろんそういうわけではないが、さりとて仲が良いわけでもない2羽にとってこの距離は微妙だったようだ。しばらくしたらカワウが別の場所に飛び立っていった。

 

こちらの土俵にはコサギとセグロカモメ

 

何と言っても一番多くみられるのはマガモとコガモ

 

 

 お終いは埼玉の川島町の河原で見たコハクチョウ

 

 よく見ると首の回りの羽が白くなっていない若鳥も交じっている。

 

 もうすぐ北の国に帰っていく冬鳥たち(シジュウカラなどの留鳥を除いて)、今年も和ませてくれて有難う。出来れば来年もまた家族を引き連れてこの地を訪ねてきてほしいものだ。

この辺で。