野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

奥多摩鉄五郎新道を登る

2011-04-30 | 登山

 イワウチワとヒカゲツツジに会いたくて、奥多摩の御岳山に登ってきた。コースは鉄五郎新道という地図に記載されていない登山路で、そのため奥多摩のこの辺りで今なおイワウチワやヒカゲツツジが見られる希少なルートだ。

コース概略;JR古里駅10時→寸庭橋10時20分→11時15分金比羅神社跡→12時半広沢山→13時大塚山→御岳富士峰公園を経て、14時日の出山→15時40分つるつる温泉分岐→途中からバスに乗って16時半武蔵五日市駅

途中御岳までは出合った登山者なし。天候はおおむね良かったが、総歩数27000歩を超える結構ハードな山行だった。

 

麓では散ってしまったヤマザクラ

 

 登山路わきではたくさんの野の花が見られた。左上からヒトリシズカ、タチツボスミレ、ヤマブキ、ニリンソウ。

 

 エイザンスミレ、スミレサイシン、ミヤマシキミ、ヤマネコノメソウ

 

 その他、私には判別できないスミレたち

 

ヒトリシズカ

 

 咲きだしたチゴユリ

 

 なだらかな杉林の中を小沢に沿って、巻きながら登ってきた。やっと前方に金比羅神社の鳥居が見えてきた。杣人の廃墟の跡のような趣がある。 

 

 

 

 幾つかの仏像や石碑が置かれている。崖には岩登り用の太い鎖が繋がれていて、縁からは深い谷底が覗ける。

 

 

 その裏手にヒカゲツツジの小群落があった。4月下旬のこの時期では少し遅かったせいか、大半が散ってしまい、残っている花は少なかった。

 

 付近で見られた真っ赤な若葉、何の木かは分からない。

 

アセビ

 

 少しの休憩の後、岩の多い急坂を登り始めた。ミツバツツジがちょうど見ごろを迎えている。

 

 

 

 

 少し登っていくと、待望のイワウチワの群落が見えてきた。残念ながら、これも少し時期を失してしまったようだ。なるべく見栄えの良い、花を選んで撮っていく。

 

 

 松の根元のピンク色の強いイワウチワ

 

望遠に変えて後ろから

 

 

  何とかジグザグの登り坂を息を切らせながら登りきった。頂きにあるのは広沢山848mと書かれ杉の幹に括りつけられた木の札だけ。そこから緩やかな登り下りをくり返しながら30分、大塚山に到着。柔らかな日差しの中、4人ほどの登山客が静かに昼食をとっていた。

 

 アケボノスミレ

 

 一時を回ったので、私も見晴らしの良いベンチで昼食にした。

 

 参道わきのツツジが春の華やかさを彩っている。

 

 富士峰公園のカタクリは大半が枯れ始めている。

 

 

 

 御岳のビジターセンターで、日の出山方面の情報とつるつる温泉のバス時刻を尋ねてから、日の出山に向かった。途中登り客と数組出会ったが、30分ほどで日の出山到着。山頂直下の東雲山荘。

 

 ヤマザクラとヤマブキの咲く山頂、前回来た時には富士が見えたのに今回は雲が厚くて見えないが、展望は360度きき、心が晴れ晴れとする。

 

 

 少し雲が怪しくなってきたので下山を急ぐ。向かいの山の新緑とヤマザクラがきれいだった。

 

 

 

 下山路は途中工事でう回路に廻らされた。大規模な伐採跡が無残にも山肌を見せていた。

 

モミジイチゴや数種のスミレを愛でながらも、ぱらつき始めた小雨に急がされての下山だった。

 

 杉林の急な下山路を下りきった。雨はいつの間にか止んでいた。滝本の集落。

 

 白岩滝の分岐付近の小沢、桃とレンギョウが美しかった。

 

 民家の庭先で咲いていたカイドウの花

 

 イワウチワとヒカゲツツジには少し時期が遅かったようだが、たくさんの花にも出会えた充実した良い山行だった。

 来年はもう少し早めに訪ねるとしよう。この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


多摩森林科学園を歩く

2011-04-27 | 植物園

 気持ちが良く晴れ渡った春の日、高尾の多摩森林科学園を訪ねた。風もなく、九時を回ったばかりだというのに日差しが暑く感じるほどだ。高尾駅の反対側の駐車場に車を止め(30分100円、最大800円と付近では一番安い)、園までは徒歩で20分ほど。開園まだ間もないため、人出はまだそれほど多くはない。

 

桜保存園までの通路、幾種類かの野草を見ることができた。左上からヤマルリソウ、ケキツネノボタン、クサイチゴ、ルイヨウボタン。ニリンソウやカタクリはもう終わりかけだった。

 

 ジロボウエンゴサクとキランソウ

 

 

 ここでは殆どの桜に品種名が付されているのが嬉しい。

 楊貴妃。サトザクラの仲間で、花は淡紅色の八重咲きで品種名のように透き通るピンクが美しい。

 

 緑色の桜で有名な御衣黄(ぎょいこう)。まだ咲き始めたばかりでま緑色を濃く残しているのが良い。

 

 真っ白な花弁が花吹雪をみせていた有明

 

 重たげな花弁を枝先にぶら下げている関山は八重桜の代表格

 

 気多の白菊桜。白咲きの菊桜は珍しいそうだ。背の高い桜で花の様子が分からない。

 

糸括。花が束状に下向くに咲くことから名付けられた、可憐な桜。

 

  

 新緑も美しかった。

 

 松月。大輪ピンク咲きの里桜の仲間。

 

 普賢象は里桜の代表品種。

 

 

 透き通るような花びらを持つ福禄寿

 

 赤い葉で八重咲きの湯村は臈たけた貴婦人を思わせる

 

 

 千里香、鼻孔を近づけて思いっきり匂ったのだが、思ったより香りは強くない様だ。

 

 高台寺。京都東山にある秀吉とねねの寺として名高い寺が由来。

 

 御車返し。この写真では分からないが一枝の中に八重と一重の花が混じって咲くのだという。謂われは、昔車上の人が一重か八重か言い争って車を引き返したことがあった事による。

 

 太い枝が特徴の市原虎の尾

 

 衣笠。京都平野神社衣笠山近くで栽培された品種

 

 

 

 緑桜、蕊を覗くと緑色の額が星形に見える。

 

 

一番の高台まで登ってきた。手前の高いビルの左手にぼんやりとスカイツリーが写っているが見えるだろうか。

 

 衣通姫と書いてそとおりひめと読む。記紀に絶世の美女と伝承される人物で、絶世の美女だったため、その美しさが衣を通してなお輝いたことから。

 

 琴平

 

 白山大手毬

 

 万里香。こちらは千里香と違って、非常にかぐわしい匂いを放っていた。

 

 渦桜、花びらに皺が寄っていて、渦のように見えることから

 

 三ケ日桜。白色の八重桜で中央がピンクに染まる。静岡の奥浜名湖の三ケ日町が起源。散り際を愛でる桜だという。

 

 天の川。枝がホウキモモのように天に向かって突き刺すように伸びる。

 

片岡桜。長野県塩尻市片岡の山地に自生していた。

 

手弱女は花の色形が見るからにそう思わせる、秀逸なネーミングだ。

 

 帆立、蕊のひとつが花びらに変化して、恰も帆をたてているかのようにみえるところからつけられた、仄かに香る。

 

 

 

 

 晩春の心地よい風に吹かれて、花吹雪の中を歩くことができた。今日も良い一日だった。

尚、桜に関する記述はこのはなさくや図鑑~美しい日本の桜を参考にした。

 

 


ツツジ咲き乱れる蕨山

2011-04-23 | 登山

 久しぶりの豪雨の中の登山となった。天気予報では雨は未明に上がり、昼からは晴れという予報だったのだが、見事に裏切られた。まぁそれでも山の天気だからしょうがないと諦めるしかない。

 行程概略;飯能市郊外河又のさわらびの湯を9時半過ぎ出発→見晴らし10時→10時15分金比羅神社→コヨケノ頭を経て11時40分大ヨケノ頭→蕨山12時50分、昼食→13時30分橋小屋の頭→14時20分鳥首峠→15時20分名郷、20分待ってバスで河又へ戻った。

 総歩数葯22000歩、山行中出会った人はなし。

 小雨が降る中、針葉樹林帯を登り金比羅神社に着いた。

 

 

 昼近くなってきたのに雨は一向に止みそうにない。ザックとカメラバッグに雨よけのビニールカバーを装着。

 

 

  それまで続いていたモノクロの風景に、ミツバツツジが現れ彩りを添えた。

 

 アセビも至る所で目につく

 

 

 

 

 

 だいぶ登ってきた。山道脇の開けたところでは、鹿のフンが目立つ。そのためかシカの食害防止のフェンスが西側斜面に沿って設けられている。

 

 ヤマザクラの苗木が山道に沿って植栽されていた。左側の白いビニールが かけられているのが苗木、これもシカの食害防止のためだろう。

 

 スミレは今回はあまり見かけなかった。ピンク色の強いスミレで名は何と言うのだろう。

 

 ミツバツツジの下を抜けたら、林道に出た。横切りすぐ向かいの取りつきを登ったら、突然ミツバツツジからアカヤシオの群落に変わった。

 

 

 

 

 ここ数年、春先はいつもこの花を求めて山を登っているようなものなので、こんな最盛期の群落に出会えるなんて思ってもみなく、大感激だった。

 

 アカヤシオの撮影で随分時間を食ってしまい、予定より30分ほど遅れてオオヨケノ頭まで登ってきた。

 

それでもまだアカヤシオの群落は続く

 

 

 晴れている時より、雨で背景がガスっている時の方がきれいだ。

 

 

 

 

 藤棚山を過ぎた辺りでアカヤシオとはお別れ、再びガスの立ち込める中の稜線歩きが始まる。

 

 やっと蕨山、ここまで3時間半近くかかってしまった。

 

 傘をさしながらの昼食。暫く休んでいると体が冷えてきた。

 

 ここからなだらかな下りを経て再び林道へ出た。

 

 林道からは100mほど登り返して橋小屋の頭、標識には有馬山とある。

 

 稜線の西側が伐採され、見晴らしがよい。もっともガスで視界はそんなに利かないのだが……。遠くで雷が鳴り始めた。

 

 

 、稲光と雷鳴の間隔が短くなり、雷が段々近づいてきているようだ。頭上には全く遮るものがない開けた稜線なので怖い。更にはパラパラという音とともに霰まで降ってきた。

 

 

雷が鳴るたび首をすくめながら、ヤシンタイノ頭、滝ノ入頭をへてやっと鳥首峠へ。

 

 近くにはカタクリの群落があったが、開花はほんの一部だけ。

 

 

 

 下山中見かけたニホンジカ。

 

 峠からは杉林の暗い中を、時折強まる豪雨と雷鳴を聞きながらひたすら下った。途中石灰石の採掘工場傍を通って大場戸に着いたのは15時ごろ、そこから名郷のバス停までは10分ほどだった。


休日は巨大公園へ

2011-04-20 | 公園
 ソメイヨシノが葉桜になったので、人出も収まり少しは空いているかと思って、立川にある昭和記念公園へ出かけてきた。この日は嬉しいことに「春の都市緑化推進運動」ということで無料開園日だった。その分思ったより人出が多かったのだが、それはまぁ仕方がないこととしよう。


 いつものように砂川口から入園。
 こもれびの池。



 花の丘はポピーが生育中、見頃は5月になってから。

 この日はここの見晴らし台から富士山が見えた。


 みんなの原っぱ。



 今年は桜とナノハナの時期が少しずれてしまったようだ。






 公園の中を通る残堀川沿いのカラシナ



 水鳥の池

 ここで池を眺めながら軽い昼食をとった。



 原っぱ西花畑ではアイスランドポピーが開花しだしていた。



 昼を過ぎ人が増えてきた。



 バーベキューガーデン傍の芝桜



 ネモフィラの丘。小規模だが、写す角度次第では結構大群落に見えてしまう。







 渓流広場ではちょうどチューリップが最盛期を迎えていた。









 本日の人出はここに集中していて、歩く人の巻き上げる埃がすごかった。











 チューリップは確かにきれいなのだが、原色の氾濫で目が疲れてしまう。



 林間広場は、この時季ムラサキハナナの大群生が楽しめるのだが、今年はちょっと遅れ気味のようだ。



 トンボの湿地を抜けてこもれびの丘へ。ここは比較的最近整備されたゾーン。山野草が見られるのが嬉しい。

 ジュウニヒトエ



 フデリンドウ



 園芸植物だが黄花オドリコソウも咲いていた。



 バイカイカリソウ

 そのほか、ニリンソウ、イチリンソウ、数種のスミレ類、ヤマブキソウ、イカリソウ、チゴユリ、ヤマルリソウ、終わりかけのカタクリ、キクザキイチゲ等を見ることが出来た。


 最後に立ち寄ったのは日本庭園、ここも人が多かった。



 枝垂れ桜が春の柔らかい日差しを浴びて、ため息の出るほどきれいだった。






 この辺で。



野川枝垂れ桜

2011-04-17 | 探鳥
 野川は武蔵野のハケの道を流れ、やがては多摩川へと合流する。雨の降らない夏期には流れが途絶えることもある、細い流れの川だ。その一部は護岸工事がされてはいるものの、今なお往時の風情を色濃く残し、川べりの自然が残されている数少ない貴重な場所だ。


 ソメイヨシノが散り始めるころ、この川沿いに枝垂れ桜が咲き始める。






 並木道に沿った遊歩道と川のすぐわきを歩く小径とがある。













 子供を抱いた若い夫婦や、何やら静かにささやきながら歩くカップル、花には目もくれず走り去っていくランナー、日傘をさし敷物を広げて談笑している人たち。その殆どが近所に住む人たち、幸いなことにこんな素晴らしい風景なのに他所からの観光客は殆どいない。









 日当たりの関係か下流に向かって右岸の方が早く咲き、左岸の方が二三日遅れる。



 







 人々は静かにゆっくりと春を味わいながら、桜の下を歩く。




 ここには都会の喧騒は届かない