野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

自然教育園

2010-09-30 | 植物園
   <カラスノゴマ>


 目黒の自然教育園を久しぶりに訪ねた。




入園料は大人300円、入園者はピンクのリボンを付けることで300人までと制限しているのだが、何時訪ねても閑静で、そんなにたくさんの人を見かけたことがない。このリボンは退園者の確認の役目も兼ねているのだろうか。






 入ってすぐの道端にたくさんの種類の草花が植えられている。






 ヤマジノホトトギス、葉は既に紅葉を始めている。



 ツユクサ



 実と花が同時にみられたミズタマソウ。折からの雨に打たれ煌めいている。






 独特の花形をもつ、カリガネソウは雨が嫌いのようだ。



 ミズヒキやキンミズヒキなどの秋の草花が多い



 シモバシラ



 メハジキは下から順に咲いてきて、あとは先端の花が幾輪か残すのみ。和名の由来は、子供がこの茎をまぶたに貼って目を開かせて遊んだことによる。



 園内の池の傍まで来た時、急に雨脚が強くなり土砂降り状態になってきた。







 雨に打たれるゴンズイの赤い実



 シラヤマギク



 タイアザミ



 できたてのカラスウリの実、白い筋が可愛い。



 ススキの下を覗いて見ると案の定ナンバンギセルがあった。



 泥濘の中、奥にある武蔵野植物園と名付けられた一角に向かった。


 今は野で見ることが難しくなったフジバカマ。




 名に相応しくない可憐さを見せるイヌホウズキ



 これは図鑑で調べてわかったカラスノゴマ、シナノキ科の一年草、関東以西の道端や草地に自生するそう。それにしてはどうして今まで気づかなかったのだろう。






 オトコエシとシラヤマギク



 これは珍しい、オオヒナノウスツボだ。ゴマノハグサ科の多年草で沖縄を除く日本全国の山地に生える。



 ツルボは終わりかけ



 日当たりがないので数は少ないが、彼岸花も咲いていた。






 ノダケは咲きだしたばかりのようだ。



 これは全開



 サクラタデ



 園内の生き物たち。ガマの穂の茎にしがみついているバッタ



 カタツムリ



 近づいたら一生懸命威嚇してきたアメリカザリガニ




 降りしきる雨の中、1時間半ばかりと短いが楽しい充実した時間だった。





初秋の入笠山

2010-09-26 | ハイキング
 入笠山は春のスズランが有名な山だが、今まで登ったことがなかった。すぐ麓まで車で行けるので登山の魅力はないし、麓の湿原もさほど大きくはなく、その割には東京からは結構遠いというのがその理由だ。今回も車山高原とどっちにするか迷ったのだが、結局人の少なそうだという理由で入笠山に決めた。


 諏訪南ICを下りて御所平峠を目指す。途中大阿原湿原に車を止めた。



 サルオガセに幹を覆われた巨木、深山の雰囲気を漂わせている。



 湿原はすっかり秋、朝の光に照らされた湿原の中には殆ど花は見当たらない



 トリカブトの仲間



 開花し始めたばかりのアケボノソウ




 ハナイカリも随所にみられる。



 ぐるっと一周したが花はほとんど見当たらない。鹿のフンがあったので鹿による食害が影響しているのだろうか。そこから車で5分、御所平峠に車を止めた。
 峠傍には天文観測の小さなドームをもったマナスル山荘があった。



 早速身支度を整えて登り始めた。
ウメバチソウ



 マツムシソウ



 ハクサンフウロ



 30分ほどで頂上が近くなってきた。
ヤマホタルブクロ



 360度見渡せる頂上は思ったより風が強い。



 ススキとほんの少しだけ色を変え始めたカラマツ



 諏訪の町が眼下に見える。




 頂上は2000m近くあるので寒さが厳しいのか草紅葉も始まりかけているようだ。



 風がかなり強くなってきて、蝶たちも飛べないでいる







 風が強く結構寒いので、暫く花の観察をした後、休まずに下山することにした。ゴンドラがあるせいだろうか、下山時たくさん遠足の小学生たちを見かけた。御所平に戻ってからは入笠湿原まで10分ほど歩いた。

 途中草むら下に大量に発生していたキノコ



 湿原の前に立つ山彦荘



 湿原の地図があった






 紅葉を始めたシシウド



 白樺を背にしたアケボノソウ



 一周1kmもない湿原だが、木道がしっかり敷き詰められていて歩きやすい。



 エゾリンドウが今を盛りと咲いていた。












 時折クサレダマの実が見える。



 これはヤナギランの紅葉



 枯れずに残っていたサワギキョウ



 花の種類は大阿原湿原よりは多い。左からノコンギク、ツリフネソウ、アカバナの仲間イワアカバナか、トリカブト






 真っ赤に熟したマムシグサの実






 ゆっくりと観察したのだが、30分足らずで廻りきった。こじんまりとしてはいるがいい湿原だった。
帰りはまだ時間があったので、桜で有名な高遠の城址公園に寄ってから帰った。


 この辺で

湯沢高原アルプの里

2010-09-22 | 植物園
 高原のさわやかな風ー今年の夏はこの言葉が何と魅惑的なことか。再び猛暑日かという前日の予報に、逃げ出すようにしてアルプの里を訪ねてきた。



 壊れたカーナビを買い替えるついでに、今まで腹立たしくて付けていなかったETCも付けて貰った。自宅を出発したのは日の出前の5時過ぎ。途中、谷川PAの6年水を飲見ながら朝食休憩し、アルプの里に着いたのは8時20分。ほぼ3時間の道のりでロープウェイの始発が出る8時40分より20分も早く着いてしまった。

 アルプの里の高山植物園は入園券がないので、ロープウェイの搭乗券がその代わりとなる。一人往復1500円なのだが、ネット割引が使え1300円となるのは少し嬉しい。
 
 約7分ほどで標高1000m上の高原に降り立った。






期待していたコスモスはまだ咲きだしたばかりのようで疎らだ。



 殆どの人は無料巡回バスに乗って植物園に向かうのだが、我々は途中の草花を見たいので歩き。
 六地蔵



 エノコログサの黄葉



 花開き赤色に発色したヒダカミセバヤが何とも美しい






 マツムシソウはやや終わりかけ










 ゆっくりと下って20分、あやめヶ池に着いた。池の周りにはサワギキョウに似た花が咲いている。洋種サワギキョウというらしい。










 ロックガーディンに着いた。キンロバイが見ごろを迎えている。



 マツモトセンノウ



 メイゲツソウ、オノエイタドリの赤花をこう言うのだそうだ。



 いつも思うのだが、キレンゲショウマはレンゲショウマとは似ても似つかない







 フウロソウの花、これは花弁が大きいのでアサマフウロだろうか






 ロックガーデンにはたくさんの高山植物が植えられているのだが、9月のこの時期ではさすがに咲いている花は少ない。

 気品のあるエーデルワイス



 マンテマの仲間



 シュウメイギク




 高山のたんぽぽ、アズマギク



 ノコギリソウはドライフラワー化していた



 嬉しかったのは4色のツリフネソウを見ることができたこと。左上からツリフネソウ、キツリフネ、白花ツリフネソウ、花弁の先端がピンク色の二色ツリフネ



 トンボ等の昆虫類も多かった。
 卵をうみつけているギンヤンマ、ノシメトンボ、クルマバッタ、アオイトトンボ




 洋種ナンブトラノオ




 今の時季一番多く山で見かけるトリカブトの仲間。この仲間は区別が難しいのでこれ以上は分からない。



 シラヒゲウメバチソウ。シラヒゲソウの仲間で原産地は中国。






 オヤマリンドウ



 ヒメフウロ



 ヤマシャクヤクの実

 端正な花と違って実は結構グロテスクだ。


 キキョウ




 ニシキハギ



 フイリヤブランもいい色をしていた。



 オノエイタドリとヒルガオのコラボレーション



 ゆっくり観察していたら、2時間ほど時間が経ってしまったようだ。ざわざわと人も多くなってきたので退園することにした。
 お終いはゲレンデの一杯に広がったススキ





 帰りは越後湯沢の外湯の一つで、川端康成も浸かったという山の湯に寄って汗を流してから帰った。一時過ぎという早い時間だったので、それほど混まずに帰れたのが嬉しかった。

都民の森石山の路

2010-09-18 | ハイキング
  ツクバネソウの実


 途中猛烈な夕立にあって、頂上を目前に退散したのはほぼ2か月前の7月23日。あれから季節は初秋に変わったが、前回の心残りを晴らそうと言うわけでもないが、休みの日三頭山に登ってきた。

 平日の午前10時を回ったばかり、広い駐車場は閑散としている。



 木製の階段の脇でトチノキの巨木が迎えてくれた。



 この時期多い、カメバヒキオコシ。ハーブのような芳香がある。和名は亀の尻尾のような葉からきている。



 花はシソ科特有の形をしている。



 これも今の時期多い、キバナアキギリの花。



 真夏の日光をふんだんに浴びて丈高く茂った草に絡みついているのはヤブマメ



 崖にはクサボタンの可憐な姿も見える。



 更にその上にはコマツナギの花。茎が丈夫で馬を繋ぎ止められるほどだと言うことから名はつけられた。



 咲きだしたばかりのセキヤノアキチョウジ。

 良く似ているアキチョウジは関東には分布していない。


 見晴らしの良い所から、奥多摩周遊道路が覗ける。ここからはいつもバイクの爆音が響いている少し興ざめだ。




 まだ咲いていたタマアジサイ



 ツリフネソウの赤紫色が艶を帯びてきていて美しい。



 水の枯れかかった三頭大滝



オオアマドコロの実



 小沢のほとりでタマガワホトトギスに出会った。目に着いたのはこの一株のみだった。



 山道に多かったのはカシワバハグマ



 トリカブトは咲きだしたばかり、今年は長かった猛暑のせいで、秋の野草は10日から2週間ばかり遅れているようだ。



 


 頂上とは思えない大沢山を過ぎ、登り始めて2時間弱、ムシカリ峠の避難小屋まで来た。荷物を置いてここで昼食とした。食べた後は付近を探検した。



 咲き残っていたレンゲショウマ



 これは初見の花、図鑑で調べてみるとハンカイシオガマのようだ。






 アザミの仲間?



 レイジンソウ



 トリカブトのなかま



 実をつけたツクバネソウ、赤いガク片が、襟巻のようで可愛い



 こちらはユキザサの実



 休んだ避難小屋からは10分ほどの登りで三頭山頂上。正確には三頭山の西峰

 富士山も見えないのでちょっとの休みで下山


 ほんの少しだけ色づき始めたオヤマボクチ






 今の時季は珍しい、ギンリョウソウ。もっともこの時季だから、アキノギンリョウソウなのだろうか。




 下山路は特に珍しい花もなく。一時間と少し歩いただけで森の館が見えてきた。辺りにはすっかり少なくなった蝉の声と秋の虫が鳴いていて、沢筋に沿ってカメバヒキオコシとツリフネソウが群れをなして咲いていた。


 
 <この辺で>

フラワーセンター大船植物園

2010-09-15 | 植物園
 神奈川方面への墓参りの帰り、短い時間だったが大船のフラワーセンターへ立ち寄った。

 入ってすぐのところにカボチャの人形が飾ってあった。ハロウィンの人形のようだが、ハロウィンは10月じゃなかったのか



 入口すぐの風景、右にはアーチ型のモニュメント「カタグルマ」がある。日差しが暑いので人影は疎らだ。



 池の中の睡蓮だけが涼しげだ








 ピンク色のニチニチソウ



 池の睡蓮が絵のように配置されている。



 池脇に咲いていた二色のバンパスグラス

 茶色の品種が珍しい



 外を歩いていると汗が噴き出してくる。あまりにも熱いのでダリア園やバラ園はパス。大温室へ向かうことにした。



 もうシュウメイギクが咲きだしていた。



 トロロアオイ



 リコリスのなかま




 八重咲きのキキョウ



 温室入口前に奇妙な花が咲いていた。地湧金蓮という中国雲南省原産のバナナや芭蕉のなかまだ。









 温室の中の花には名札がつけられてあるのだが、そのほとんどは学名で記されていて覚える気になれない。また狭い所に植物がたくさんあるので、どの名がそれなのか分からないのも多い。そういうわけで以下は写真のみ。

 これはブーゲンビリアの仲間のよう








 クチナシに似ている。


 ショウガの仲間









 温室の最後は睡蓮。ここには夜咲きの睡蓮もあるのだが、早朝の入園時でなければ開花の状態で見ることはできない。















 涼しい?温室を出たら熱気が再び襲ってきた。温室前の芝生広場には普段はピクニックを兼ねた家族づれが多くみられるのだが、この暑さではとてもいられない。



 緑色のソフトクリーム

 これを細長いマキフンと見立てたら品がない



 お終いは管理棟二階の冷房の利いた休憩室で、本物のソフトクリームを頬張りながら汗だくになった体を冷ましてから退園した。