野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

小下沢にハナネコノメを尋ねて

2015-03-30 | 野の花

 ハナネコノメは早春の小沢に咲く、小さな可憐な花だ。3月初めに小下沢を訪れた時はまだ固い蕾だったが、その10日後訪ねた時にはもう見頃を過ぎんとしていた。ほんの一時にしか見られない花だから、毎年季節の進み具合に気をもみながらもつい訪ねてしまう。

 

アオイスミレやコスミレ等のスミレの仲間もやっと咲き始めた。

 

 

アズマイチゲやニリンソウは今日の雨がちの天気では、残念ながら花弁を閉じたままだ。

 

 

 

頭上ではフサザクラが咲き

 

足元ではヤマルリソウが咲いている

 

 

 

川の傍にはヨゴレネコノメやヤマネコノメが見える。

 

花の形がユニークなコチャルメラソウ

 

 沢筋に沿って歩いてやっとハナネコノメの群生している岩にたどり着いた

 

 

 

岩にしっかりとしがみついて、谷底で春先の短い陽を浴びている。

 

蕊の先の赤く装った花粉がこの花を愛らしく見せている。

 

 

 

この日訪ねた時には粉を落としてしまった株が多かったのだが、何とかまだ見られる花に出会えた

 

 

おまけは小さい体で一生懸命囀っていたミソサザイ

 

 この辺で。


春の兆し

2015-03-19 | 野の花

 3月中旬、東京と埼玉の県境にあるさいたま緑の森博物館を訪ねた。

まだ野は冬の気配が色濃い

 

 

それでも遊歩道には少しずつ野の草が目を出し始めている。

 

アカガエルの卵塊からは、早くもオタマジャクシが生まれてきていた。

 

ショカツサイも一足早く花をつけている

 

カントウタンポポ

 

ウグイスカグラの星形の花も小さいので、うっかり見逃してしまうところだった。

 

 春の兆しの定番、ネコヤナギの花

殺風景に見えても、良く見ると春の兆しがそこかしこに見られるようになってきた。

 

ミチタネツケバナ

 

 

カンスゲ

 

ハコベの仲間

 

もう一月も前から咲き始めていたホトケノザ

 

 そしてオオイヌノフグリ

 

別の日、久しぶりに武蔵野市にある野川観察園を訪ねた。

 嬉しいことにシュンランが出迎えてくれた。

 

 

 

その脇にはセントウソウやキクザキイチゲが植栽されている

 

 

オオミスミソウ(ユキワリソウ)も咲いているが、あいにくの天気で花を萎ませたものが多かった。

 

 それと知らなければ見逃してしまうほど小さいヒメウズの花

 

スミレのなかまでは特に早く咲くアオイスミレとコスミレ

 

 

ハケの湧水の流れの中では早くもクリンソウが咲いている

 

 ヒロハノアマナ

 

フキノトウ

 

これはフデリンドウの蕾、まだ花が咲くには時間がかかるようだ。

 

 サンシュユの花が一際鮮やかに春を演出している。

 

お終いはキブシの花

 

この辺で。


初夏を彩る木の花

2014-05-30 | 野の花

 スミレの花が山道から姿を消したころ、見上げると木の花が咲き出している。

 ヤマツツジが咲くのは、早春のミツバツツジやヤシオツツジが花を終えた後

 

 

 

 更に五月も中下旬になると、ニセアカシアの大木も甘い香りをまき散らしながら花を咲かす

 

 

どういうわけかこの時期の樹木の花は白花が多い、ヤマボウシもヤブデマリもそうだ。

 

 

ヤマレンゲの花

 

ネジキの花

 

これは白くはないがユリノキの花

 

20m近くにもなる背の高い木なのでいまだ花の香りを嗅いだことがない

 

同じ位背の高いホオノキの花、花の数はユリノキに比べるととても少ないが、その分一つ一つの花が大きい

 

山だけでなく街中や公園でも5~6月にかけて咲く木の花は多い

サラサウツギ

 

タニウツギ

 

これは非常に香るカラタネオガタマ

 

 センダンの花も香りが良い

 

公園で見かけた珍しい花をいくつか

ナツロウバイ

 

最近は庭木でもよく見かけるようになったカルミア

 

クロロウバイ

 

花は終わってしまったハナイカダの実

 

おまけは木本ではないが八重咲きドクダミと

 

 昼咲きツキミソウの白花

 

この辺で。

 

 

 


奥武蔵の山野草

2014-05-05 | 野の花

 最近、奥武蔵の低山歩きを楽しんでいる。低山というのは私にとっては1000m前後の山で、登り始めて4,5時間で下山できる山のことだ。これ位だとさして準備もいらず、その日の天候次第でコースを決めることができる。以前は奥多摩や高尾の方に出かけることが多かったが、最近は人が多くなってきたので、より静かな奥武蔵の山に登ることが増えてきた。4月から5月にかけては、麓の春の盛りから、頂上付近の早春までちょっとしたタイムスリップを楽しむこともできる。

 

 標高600mぐらいのところ、未舗装の林道が走っている。

 

アケビの花

 

足元にはキジムシロやセンボンヤリの花

 

 

針葉樹林帯の急勾配を登っていくと林床にシロバナエンレイソウやミヤマシキミの花が咲いている。

 

 

標高1000mを超えたあたりまで登るとアカヤシオに会える。

 

 

この辺りではまだミツバツツジも咲き残っている。

 

時折スギやヒノキの途絶えた広葉樹林帯では山桜も咲き出している。山道は散り落ちた花弁で白く染まってしまう。

 

同じ頃、稜線の露頭の周りではイワウチワもひっそりと花を咲かす。

 

 

2時間ばかりの登った後、日当たりのよいところでお握りを頬張るのも楽しみの一つだ。風が運んでくれるさまざまな匂いを楽しみ、咲き始めた花に集まってきた虫たちを観察し、囀りあってやってきては再び飛び去っていく野鳥たちの声に聞き入る。ささやかながら至福のひと時だ。

 

 足元の日当たりのいい場所にはフモトスミレやチゴユリの姿もある。

 

 

林縁のやや湿った暗いところにはトウゴクサバノオ

 

ウワミズザクラも枝先に白い穂状の花をたわわに咲かせている

 

さまざまな春の花たちを楽しみながらゆっくりと時間をかけて下山する。日暮れまではたっぷりと時間がある、急ぐには及ばない。

一輪だけ咲き出したヤマツツジ

 

キイチゴの仲間

 

山里の軒下にはベニフジの花が良い香りをまき散らしている。卯の花も咲き出した。

 

 

 

小川の石の上には鮮やかなヒメレンゲの黄色が目立つ

 

ちょうど登った時間と同じ2時間かけてバス停が近づいてきた。道端にはおなじみの野草たち、カラスノエンドウ、セリバヒエンソウ、カキドオシなどが迎えてくれた。

 

 

 

 心を伸びやかにしてもらった、いい山行きだった、感謝。

 この辺で。

 

 

 


奥武蔵のアカヤシオ

2013-04-15 | 野の花

 節季も清明となり、周りはすっかり春めいてきた。4月初旬奥武蔵の低山(標高800m~1000m)を歩いてきた。前回、前々回と同じくまた同じ理由で地名は伏せたいと思う。ただ写真の風景でどこか分かる人はいるのではと思う。

静かなヒノキ林を登っていく。時折、小沢を横切るとミソサザイの澄んだ囀りが聞こえてくる、

 

 日のさす場所ではアセビがまだ咲き残っている。

 

 林床にはフモトスミレがちらほら

 

 細長い葉のスミレはナガバノスミレサイシン

 

ピンクの可愛いヒナスミレもお出迎えだ

 

標高800mを超えるとまだまだ辺りは冬景色、ミツバツツジもやっと咲き始めたばかり

 

 

 

登山路の下を縫うように林道が走っている。バイクが一台けたたましい音を立てて通り過ぎて行った。

 

 やっとアカヤシオの多く見られる一帯までやってきた

 

 

 いつもはもう少し時期が遅くなって(4月20日前後)からくるのだが、今年はちょうど良かったようだ。白色からピンク色までグラデーションを見せる花弁がまるで初々しい赤子のほっぺたのようだ。

 

 

 

 アカヤシオはツツジ科ツツジ属の花だが、ヤシオの名のつくツツジはアカヤシオとシロヤシオ、ムラサキヤシオの三つ。それぞれ赤城ツツジ、五葉ツツジ、深山ツツジの名でも呼ばれる。

 

 

 少しガスがかってきた山の崖に咲くアカヤシオ

 

 松の緑ともよく合う

 

 

 暫く持ってきたおにぎりを食べながらアカヤシオを堪能、此処は登山者が少ない山なので本当にゆっくりできる。

 

 少し離れた崖の斜面にはイワウチワが、同じピンク色の花弁で咲いている。上だけでなく、もっと下も見てよと誘っているようだ。

 

 

まだ蕾の花も多い

 

 

 

 アカヤシオとイワウチワの競演を楽しんでからはぐるっと尾根歩きをして下山した。途中出会ったハイカーは5組8人。カケスとヒガラにも出会えた。

標高が500mを下るとミツバツツジも花弁を開き、虫を呼び始めていた。

 

 もうすぐこダム湖の周囲の森にも、キビタキやオオルリなどの夏鳥がやってきて、美しい囀りを聞かせてくれることだろう。

 

 この辺で。