前から気になっていたのが、中央線や中央高速道から見える山の中にあるこのオブジェだった。ネットで調べてみると、旧藤野町が20年ほど前に観光用として作ったもののようだ。3時間ばかりのハイキングコースもあるようで、鈍った体を鍛えるためにもとその「芸術の道」を歩いて見ることにした。
藤野駅を出てすぐ右手にあるのが観光案内所の「ふじのね」。ここが芸術の道のスタート地点となっている。合計30の作品がコースに沿って配置されている。駅付近にも4か所あるので初めはネットからDLしたマップで探したのだが、全く駄目だった。ここで案内地図を手に入れるのがベスト。
№1「フジノゲート」
駅の裏手を走る高速道路の遮音壁に描かれた№2「藤波」
相模湖に注ぐ桂川に下っていく
左上から№3「空(くう)」、№4「バッファロー」下は日連(ひづれ)大橋の両サイドにある№5「記憶容量ー水より、台地より」という作品
暫く車道歩きだ。秋川橋を渡って左折し、山道に入っていった先に№6の「両側の丘の斜面」を見つけた。
№7「COSMOS」ちょっと垂れ乳気味なのが惜しい、失礼!
№8「限定と無限定」
№9「射影子午線」。この作品は昭和63年作とあった。
小さな橋を渡って山の奥へと登っていく。暫く歩くと葛原という集落に入った。
№10は「山の目」、冒頭の手紙のオブジェの作者、高橋政行氏の作品とのこと。
№11「森の守護神」
№12「回帰する球体」
№13「吠える」
№14「語り合う石たち」
葛原神社バス停の脇にあった№15「羅典薔薇」
№16「景の切片」
№17「FLORA -FAUNA」植物相と動物相という意味のようだが……。
すぐそばで集落の人が野菜売りをしながら、井戸端会議を楽しんでいた。
№18「庵(いおり)」
学校が見えてきた。シュタイナー学園の校舎のようだが、シュタイナー教育については耳にしたことはあるもののあまりよくは知らない。平日の午後2時頃だったのだが、外から見る限りは閑散としていて、生徒らしき人を一人見かけたきりだった。
この学校の壁も№19「未来への躍動」の作品となっている。H3年の作とあるのでだいぶ薄れてしまっている。
学校の裏側にも作品№20「森の記念碑」があった。
山道を登りきった所が名倉峠、そこから緩やかなカーブを下っていくと№21の作品「芽軸」があった。発芽の瞬間の植物のエネルギーを表現しているらしい。
坂道の途中にある№22は「雨」、これは分かりやすい確かに雨のように見える。
山を下りて川傍までやってきた。研修センターふじのの前にあるのが №23の「瀞」
栗林の斜面の上に立つ№24の「あなたと…明日の空の色について」
№25は「空を持つ柱」
№26は「カリブー」。ジム・ドランという人の作品は№4、№30と三つある。
名倉グランドまで登って行った先に№27「トライアングル・ウインド・ソング」があった。
№28「過去からのひびき(エコー)」は探すのに苦労した。山の中に分け入って見つけたのだが、どうやら都市と円盤という二つのオブジェがあったようだ。これはその一つの円盤の方。もう一つはグランドの法面にあったようだが見つけられなかった。
№29は「緑のラブレター」。駅付近から眺めると
近くに行ってみると
製作から20年ほどの月日がたち、大分くたびれてきているようだ。もうすぐ自然に溶け込んでいってしまうのだろう。
ラストの№30は弁天橋の袂に設置された「カナダ雁」、二羽の雁がいるのだが、どうもすぐそばの民家が映ってしまいアングルが難しい。
出発地点に帰りついたのは午後3時半ごろ、昼食時間も含めて約4時間の程よいハイキングだった。もともとアート魂が乏しいのでいまいち芸術は分からないものの、オリエンテーリングにも似た、宝物さがしのような感覚の散策で結構楽しめた。