小湊漁港内。正面奥は、鴨川方向。
「遊歩道」案内板。
「鯛の浦遊歩道」先端。小弁天島。
右端の島は、大弁天島。
昭和皇后の短歌を刻んだモニュメント。
水際まで下りてみました。そこには、こんな風に穴の空いた石がたくさんあります。
はて?
生きた貝が穴を空けるというケースがあります。
これはボーリングシェル(穿孔貝せんこうがい)と呼ばれる貝が、柔らかい砂岩や泥岩を削ったり、あるいは酸で石を溶かして穴を明けたものです。
石に穴を開ける貝としてはタガソデガイモドキ、トマヤガイ、カモメガイ、モモガイ、キナマツカゼガイ、イシマテガイヤエウ、メノハナガイ等があり、貝の大きさやによって穴の径や、角度が変わってきます。
一般的な磐笛の多くはこの貝由来のタイプをいい、酸に溶けやすい石灰岩や泥岩や砂岩の場合が多く、深い穴が特徴です。
岩(磐)笛
磐笛には決まった形というものはありません。
岩石の種類も様々ですが、「自然の穴ありて、吹けばなるもの」であり、種々の要因で穴があいたものです。
約5000年前の縄文時代中期頃に使用され始めたと推測される楽器です。
さまざまな自然現象によって小石の一部分に穴が穿かれ、天然自然の楽器としてこの世に生まれたのが岩笛です。やがて縄文人たちは巧みな技術を用い、自然への畏敬をこめて自分たちで岩笛を作り始めたのでした。
もともとが天然自然の石でしたから、他の管楽器のような指穴などありません。しかし穴が一つあいただけのこの石で、1オクターブを上回る音程と旋律を吹き分けることができるのはまさに奇跡の業(わざ)とも言えるでしょう。
岩笛の音は 素朴なものです。
人工的な楽器のように自由自在に旋律を奏でてくれるものではありません。
しかし、その音色を聞くと、あたかも故郷の母の懐に抱かれたような安らぎを憶えるのは不思議です。古くからこの楽器と親しんだ日本人のDNAを刺激するばかりではなく、その音色を聞いた多くの外国人が「なつかしい音だ」という感想を述べるのは不思議なことです。
それは人間もまた自然の一部に過ぎず、人間の英知も所詮は自然現象のひとつでしかないことを教えてくれるようにも思えます。岩笛の音色があらゆる人間の心の奥底を揺さぶり動かすのは、すべての人間がおなじ自然を共有していることの表れではないでしょうか。東洋思想の「身土不二」(身体と大地は一元一体である)は、まさにこうしたことを指しているのでしょう。
(この項、「にっぽん文明研究所」HPより)
岩場。
しばらく青い海と青い空を眺めます。