風邪の症状につきものの咳のお話
咳も中医学ではいくつかのタイプに分けて処方が違います
咳は中医学では「肺」の疾患
中医学で言う「肺」は、西洋医学の肺と違って
呼吸器全般を表し、肺だけでなく、気管、気管支のほか
鼻など呼吸に関わる全ての部分を表します
そして、冷えの咳(肺寒)、熱の咳(肺熱)、乾燥の咳(肺燥)に分け
それぞれ処方が違います
①「肺寒(はいかん)」に効く漢方薬
「肺寒」とは「肺」が冷えた状態
そのため冷えによって更に状態が悪化します
冷たい空気を吸ったり、身体が冷えることによって起こる咳で
痰は透明な水っぽい痰、鼻水が出る場合は鼻水も透明な鼻水で
下を向くとツーと垂れる様な粘度の低いサラサラした鼻水です
初期の花粉症の鼻水はこの状態です
分泌物が薄く透明の場合は身体が冷えていると考えます
この場合は肺を温める処方、小青竜湯を服用します
当然ですが、「肺寒」の時は身体を温めたり
温かい飲食物を摂ることが大事です
②「肺熱(はいねつ)」に効く漢方薬
「肺熱」とは「肺」が熱を持った状態
そのため温めると症状が悪化します
布団に入って身体が温まるとひどくなる咳や
喘息の場合、横になるのが辛い喘息発作で
体が熱く、冷たいお水が飲みたくなる状態です
痰は粘度が高く黄色っぽい痰、鼻水の場合は黄色っぽい鼻水です
分泌物が黄色い場合は、身体に熱がある状態と考えます
この場合は身体を冷やす処方、五虎湯(ごことう)を服用します
こちらは体の温め過ぎに注意
布団を掛け過ぎたり、部屋を暖め過ぎないようにしてください
③「肺燥(はいそう)」に効く漢方薬
「肺燥」とは「肺」が乾燥した状態
そのため更なる乾燥によって症状が悪化します
乾燥した部屋や、エアコンなどの乾燥した空気を吸うことで咳がひどくなります
また呼吸器系が乾燥しているため、痰の切れが悪かったり
痰が絡まない「空咳(からぜき)」の状態になります
この場合は「肺」に潤いを与える麦門冬湯(ばくもんどうとう)を服用します
医薬品の副作用で起こる間質性肺炎も「肺」が乾燥した状態なので
麦門冬湯が効くと言われています
また小青竜湯と麦門冬湯は、ポットのお湯でいいので
少量のお湯に溶かして、香りも味わいながら服用するといいです
麦門冬湯は溶かすと、片栗粉のようにトロッとするので
潤いを与えることを実感します
五虎湯は冷やす処方なのでお水で服用します
漢方薬は粘膜からも吸収されますので
違和感を感じる部分を通るように飲み込むと気持ちがいいです
違和感を感じる部分でうがいをして、そのまま飲み込んでもいいですよ
もちろん、症状に合っているととっても甘く感じますので
甘い処方を服用してください
どの処方も、粘膜からも吸収されるため、効き目が早く
服用後数分で効果が現れます
喘息にもOK
横になれないくらい苦しい状態も、服用後数分で呼吸が楽になります
肺炎にも効果があります
咳は「肺寒」→「肺熱」→「肺燥」の順に移行する場合が多く
「肺寒」の状態は短時間で、辛い状態になった場合のほとんどは「肺熱」なので
インフルエンザの症状でも、喉の違和感だけでなく軽い咳が出たら
銀翹散だけでなく、すぐに五虎湯を服用すると、ひどい状態にならずに治ります
なお五虎湯は一般的な人向けの処方ですので
虚弱な方やお年寄りには麦門冬湯がおススメです
以上、この三つの処方の違いを充分理解して咳の症状に服用してください
「肺」が冷えているのに冷やす処方を飲んだり
「肺」が熱を持っているのに温める処方を飲んだりしないように
逆の処方や間違った処方を飲むと苦くて飲めたものではありませんので
必ず甘い処方を服用してくださいね
冷えの風邪、熱の風邪
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最近はアレルギーの咳も増えてきました
長引く咳にはこちらもご検討ください
長引く、痰が絡む咳に効く漢方薬 清肺湯
また、GERD(胃食道逆流症)が原因の場合もあるようです
声嗄れ、喘息、後鼻漏、脂漏性皮膚炎の原因はGERDかも
以上、lalaの漢方情報でした
今日は何のごみを捨てる日かがカレンダーになっていて
燃やすごみ、プラスチックごみ、燃やさないごみ
ペットボトル、資源ごみ、有害ごみ、危険ごみなどの収集日が
1日単位で書いてあって、とってもわかりやすいです
若い頃は「なんでこんなにいちいち細かいことするんだろう、経費の無駄じゃない?」
と思ってたけど、年齢を重ねるごとに
「今日はなんのごみを捨てていいんだっけ?」と悩むことが増え
誰も出してないと不安に思うこともあるので
最近はこのカレンダーを見ながら出すようになり
存在価値がわかるようになりました
高齢者(あ、まだ私は違いますよ)に優しいカレンダーだったんですね
ありがとうございます