「ユングの東洋思想論を読む」第11回 チベットの大いなる解脱の書(2)
< オンライン参加・会場参加 併用開催 >
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2024年度のユングスタディ企画は、引き続き「ユングの東洋思想論を読む」です。ユングが東洋思想について論じた様々な文章を取り上げて読んでいきます。
前回からは、「チベットの大いなる解脱の書」を読み始めました。
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■ C.G.ユング「チベットの大いなる解脱の書」(1939)
邦訳:『東洋的瞑想の心理学』所収 湯浅泰雄・黒木幹雄訳、創元社
1983.11(第一版)、2019.1(新装版)
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このテキストは、チベット仏教の経典「チベットの大いなる解脱の書」の英訳書の刊行に際し、ユングが訳者からの依頼によって書いた解説です。二部構成のテキストで、第一部では西洋と東洋の思考様式の違いの問題が取り上げられ、第二部では実際の経典の内容に注解が加えられていきます。
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初回となる前回は、第一部の序盤を読み進めました。
ユングは今回のテキストを、東洋と西洋とでの「心」概念の違いについて注意を促すところから始めます。西洋近代において誕生した「心理学」なるものを、西洋とはメンタリティの異なる東洋の「心」の理解に無批判に適用してよいのか、という問題です。
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ユングによれば、現代の西洋人における「心」は、ただ単に主観的な心理的機能を意味していて、宇宙との根源的な結びつきから引き離された個人的存在です。一方、東洋における「心」は、いまだ宇宙的なものであり、存在一般の本質として普遍性を持っています。西洋の伝統では、人間は神に比べてあくまでも小さい存在で、神の恩寵によってのみ救われうる非力なものですが、東洋では人間自身が本来的に神であって、自らを救済することができるとされています。
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つまるところ、神的なものとの繋がり、あるいは救済のための力を、自らの心の内に認めることが困難であるのが現代西洋人のメンタリティであるということになります。ユングは自身の分析経験を通して、人間の心の奥底にあるそうした力に気づきましたが、この自身の体験と同じものを東洋思想の中に認めているわけです。
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※ 前回までのスタディのダイジェストは、
以下の当会HP、および当会フェイスブックに掲載しております。
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https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2023年-通期-ユングの東洋思想論を読む/
https://www.facebook.com/ユング心理学研究会-281102485276364/
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今回は前回に続き、第一部の中盤部分を読み進めます。
この箇所でユングは、自身の心理学のタイプ概念を用いて、西洋を外向的、東洋を内向的とみなし、その違いから現代における東西の出会いと相互理解がどのように可能になるかを論じていきます。また、西洋人にとっての心が、いわゆる意識とほぼ重なるものである一方、東洋的な心の概念が(西洋から見て)むしろ無意識的なものに近いとし、そのことが持つ意味について心理学的観点から考察をしていきます。
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案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)
司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)
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第11回:2月1日(木)19:30 〜 21:30
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■ テキスト: C.G.ユング「チベットの大いなる解脱の書」(1939)
『東洋的瞑想の心理学』所収 湯浅泰雄・黒木幹雄訳、創元社
1983.11(第一版)、2019.1(新装版)
・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。
・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。
・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。
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■ 参加費:1,000円
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・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。
・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。
(諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください)
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■ 参加方法
オンライン参加と、配信会場での現地参加の、二種類の参加ができます。
今回は、どちらも参加費無料となります。
また、どちらの参加方法でも、終了後にアーカイブ配信を視聴できます。
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(1)オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
開始時間にオンラインのミーティングルームに参加します。
配信会場とは、チャットでのやり取りや、対面での議論が可能です。
・開場は開始15分前の19:15です。
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(2)配信会場での現地参加
配信会場にお集まりいただいて現地参加できます。定員15人。
配信会場:chez alterna(シェ・オルタナ)
東京都中野区松が丘1丁目 17-12
西武鉄道新宿線・新井薬師前駅より徒歩3分
・当日は紙資料を配布しますので、資料代500円を別途いただきます。
(資料代は現金でご用意ください)
・開場は、開始一時間前の18:30です。
(開始前までは参加者間の交流の時間となります)
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※ 申し込み後に参加方法を変更したい場合には、事務局までご一報ください。
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■ 参加申し込みページ https://jungstudy20240201.peatix.com
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■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp
< オンライン参加・会場参加 併用開催 >
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2024年度のユングスタディ企画は、引き続き「ユングの東洋思想論を読む」です。ユングが東洋思想について論じた様々な文章を取り上げて読んでいきます。
前回からは、「チベットの大いなる解脱の書」を読み始めました。
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■ C.G.ユング「チベットの大いなる解脱の書」(1939)
邦訳:『東洋的瞑想の心理学』所収 湯浅泰雄・黒木幹雄訳、創元社
1983.11(第一版)、2019.1(新装版)
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このテキストは、チベット仏教の経典「チベットの大いなる解脱の書」の英訳書の刊行に際し、ユングが訳者からの依頼によって書いた解説です。二部構成のテキストで、第一部では西洋と東洋の思考様式の違いの問題が取り上げられ、第二部では実際の経典の内容に注解が加えられていきます。
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初回となる前回は、第一部の序盤を読み進めました。
ユングは今回のテキストを、東洋と西洋とでの「心」概念の違いについて注意を促すところから始めます。西洋近代において誕生した「心理学」なるものを、西洋とはメンタリティの異なる東洋の「心」の理解に無批判に適用してよいのか、という問題です。
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ユングによれば、現代の西洋人における「心」は、ただ単に主観的な心理的機能を意味していて、宇宙との根源的な結びつきから引き離された個人的存在です。一方、東洋における「心」は、いまだ宇宙的なものであり、存在一般の本質として普遍性を持っています。西洋の伝統では、人間は神に比べてあくまでも小さい存在で、神の恩寵によってのみ救われうる非力なものですが、東洋では人間自身が本来的に神であって、自らを救済することができるとされています。
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つまるところ、神的なものとの繋がり、あるいは救済のための力を、自らの心の内に認めることが困難であるのが現代西洋人のメンタリティであるということになります。ユングは自身の分析経験を通して、人間の心の奥底にあるそうした力に気づきましたが、この自身の体験と同じものを東洋思想の中に認めているわけです。
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※ 前回までのスタディのダイジェストは、
以下の当会HP、および当会フェイスブックに掲載しております。
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https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2023年-通期-ユングの東洋思想論を読む/
https://www.facebook.com/ユング心理学研究会-281102485276364/
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今回は前回に続き、第一部の中盤部分を読み進めます。
この箇所でユングは、自身の心理学のタイプ概念を用いて、西洋を外向的、東洋を内向的とみなし、その違いから現代における東西の出会いと相互理解がどのように可能になるかを論じていきます。また、西洋人にとっての心が、いわゆる意識とほぼ重なるものである一方、東洋的な心の概念が(西洋から見て)むしろ無意識的なものに近いとし、そのことが持つ意味について心理学的観点から考察をしていきます。
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案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)
司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)
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第11回:2月1日(木)19:30 〜 21:30
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■ テキスト: C.G.ユング「チベットの大いなる解脱の書」(1939)
『東洋的瞑想の心理学』所収 湯浅泰雄・黒木幹雄訳、創元社
1983.11(第一版)、2019.1(新装版)
・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。
・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。
・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。
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■ 参加費:1,000円
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・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。
・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。
(諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください)
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■ 参加方法
オンライン参加と、配信会場での現地参加の、二種類の参加ができます。
今回は、どちらも参加費無料となります。
また、どちらの参加方法でも、終了後にアーカイブ配信を視聴できます。
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(1)オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
開始時間にオンラインのミーティングルームに参加します。
配信会場とは、チャットでのやり取りや、対面での議論が可能です。
・開場は開始15分前の19:15です。
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(2)配信会場での現地参加
配信会場にお集まりいただいて現地参加できます。定員15人。
配信会場:chez alterna(シェ・オルタナ)
東京都中野区松が丘1丁目 17-12
西武鉄道新宿線・新井薬師前駅より徒歩3分
・当日は紙資料を配布しますので、資料代500円を別途いただきます。
(資料代は現金でご用意ください)
・開場は、開始一時間前の18:30です。
(開始前までは参加者間の交流の時間となります)
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※ 申し込み後に参加方法を変更したい場合には、事務局までご一報ください。
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■ 参加申し込みページ https://jungstudy20240201.peatix.com
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■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp