先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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「組合に加入しない誓約書」提出を命じ、拒否した者は全員解雇! 守谷衡器製作所争議 1925年の労働争議 (読書メモ)

2022年07月23日 12時02分18秒 | 1925年の労働運動

・組合に加入しない、組合に加入すれば解雇されても異議は申し立てないの誓約書

「組合に加入しない誓約書」提出を命じ、拒否した者は全員解雇! 守谷衡器製作所争議 1925年の労働争議  (読書メモ)
参照 協調会史料(守谷衡器製作所争議ニ関スル件) 

守谷衡器製作所争議争議
 東京本所区菊川町の守谷衡器製作所、従業員数76名。1925年初頭から、労働者3名らが職場に労働組合を結成しようと東京鉄工組合大崎第一支部に加入し、職場の仲間たちも次つぎと鉄工組合大崎第一支部に入った。現在組合員は46名に達し、近日中に支部を結成しようと準備中であった。これを関知した守谷定吉工場主は、労働団体への加入は認めないとして、全労働者に「労働組合に加盟しない誓約書」の提出を要求した(写真上)。30名は誓約書を提出したが、組合員46名は提出を断固として拒否したため、工事主はこれに怒り、突如「誓約書を拒否した者は全員解雇するので即刻出ていけ」と46名全員をクビにしてきた。同時に2月23日午前11時からの臨時休業を発表した。

 46名は、結束を固め、毎日午前7時に菊川町においた争議団本部に集合し、鉄工組合員と共に会社に押しかけた。また演説会を開催し、ビラ「市民諸君に訴える」を工場周辺住民に配布した。

 演説会では、弁士が口々に「横暴なる資本家に対抗するには団結が必要」と説いた。警官は「弁士中止」を乱発したため、労働者が怒り、会場内は騒擾を極めた。警官は解散を命じ2名が検束された。

地域ビラ「市民諸君に訴える」
「市民諸君に訴ふ!!
 守谷製衡製作所工場主守谷定吉氏は、従来より解雇手当なしで解雇する事を慣例としてたため、20数年も金属した2人の労職工を一文も与えず馘首し、生死のドン底に陥れたことがある。・・・数名の解雇者が出そうになったので、血も涙もない工場主に対して・・組合を組織するに至った。この頑迷なる工場主は単に組合結成の理由をもって工場閉鎖を行い、馘首すると脅迫して組合脱退を迫った。
 実に非人道極まる話である。そもそも労働組合は労働者の当然の権利である。労働組合の健実なる発達は資本家の・・横暴を許さず労働者の利益を保護するのは勿論、その強力によって初めて日本の産業全体は円満なる発展をするのである。
 さればこそ、日本政府も労働組合を認め国際労働代表には労働組合の会長を任命し、さらに労働組合法を制定し組合を公認しようとしている。それになんぞや守谷工場主は道徳人情共に許さざる理を通さん為に組合加入を・・として工場閉鎖を行って多数の兄弟を路頭に迷わせんとしている。
 その残忍酷薄言語に絶するものがある。
 これは人間の心を持っている人のできることであるか?!
 世の中には持ちつ持たれつお互いの人情で進むのが本当である。工場主守谷定吉氏のごとき態度で世間が渡れるものなら日本は弱い者は泣きどうしである。賢明なる市民諸君!  私どもは皆様の正当なる批判と義侠心に訴える次第であります。
 守谷製衡所従業員一同
 日本労働総同盟東京鉄工組合」

3月4日、鉄工組合幹部が工場主と協議し「覚書と口約束」を合意した。
覚書と口約束
一、守谷工場は労働組合を認めぬ事
一、但し工場は組合脱会を強要しない事
一、組合は、組合脱会者を「イジメ」、とがめぬ事
一、会社は休業者への同情金を支給する事
一、時間中時間外を問わず工場内で「労働歌」高唱する者は約束を守らない者とされる
一、会社は争議費として400円を組合に提出する事

3月8日、協定を結んで争議は解決した。



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