■料理
料→はかる
理→おさめる
物事をはかり、おさめ、適当に処置することを指す
中世にいたって食物を処置することを料理すると言うようになった
煮炊きする前に食物の形を庖丁で整えておく必要があるので、料理は「庖丁する」ともいう
味付けをするときは「塩梅する」と言い、合わせて調理・割烹などと言う
中華料理は塩梅を重視する
味は淡白を尊ぶ日本料理は、割・庖丁に主力をおき、料理人は庖丁人と呼ばれる
果実は皮をむくだけで食べよくなるし、生魚は刺身に切り揃えると美味しさ倍増
■日本最初の庖丁人
景行天皇53年
天皇が淡の水門(あわのみなと・千葉県千倉町)に行幸の折、大きな白蛤を見つけた。これを磐鹿六鴈(イワカムツカリ)が鱠(なます)に切って献上した。磐鹿六鴈は膳部(かしわべ)の役を賜った。これが日本最初の庖丁人
磐鹿六鴈の子孫は、文武天皇に高橋氏を賜り、明治に至るまで宮中で大膳職に奉仕する
料理自体はそれまでも毎日行われてきたし、庶民とて料理なしではすまされなかったはずである。ただ、この説話の重要な意味は、日本の料理人の最初が男性であったこと。最初の料理が海産物であったこと。の二点である
世界的にみて、料理は男性の業とされていることが多い。女性は月経・妊娠など生理的に変化することで、コンスタントな調味に向いていないからだ。女性に料理が押しつけられたのは武家時代、とくに江戸期後期である
料理は、まず割に始まる
刺し身などただ切ったものであるが、それだけでは味気ないので、醤油、塩など調味料を添える。調味料として酢が添えられれば刺し身は「なます」という
鳥・獣・魚の肉は、放置すれば容易に腐敗する。それを防ぐためには速やかに乾燥する。乾燥は保存のための食品加工である
保存のために塩漬けもある。
さらに塩漬けを、細胞の持つ酵素によって自家消化を行わせると塩辛ができる。
植物性食品についても原則はまったく同じである。
生野菜を塩、その他の調味料で食べるものにサラダがある
塩を効かせて貯蔵する漬物
原始的な漬物は、塩を必要とせず、水と一緒に漬け、酸っぱくなるのを待って食べた。阿茶羅漬のように始めから酢を加えるものもある
■火食
料理の本体をなす火食のはじまりは、直火で焼くことである。材料は串にさす。
石を焼いて、焼いた石で獣をつつむようにして焼く。これは落ち葉焚きのときにできた燠に芋を放り込んで焼くのと同じ原理。
太古には穀物を土中に埋め、その上で火をたいて焼き米、焼き麦にした。
室町時代には狸に粘土を塗りつけて、蒸し焼きにした。
★味付けによる焼き方分類
素焼
塩焼
付け焼
味噌焼
照焼
★オーブン効果
オーブン→材料の上下から焼く
炮烙焼(ほうろくやき)
素焼きの平たい丸ざらに、塩を焼き、松葉などをその上に並べ、材料をのせ、蓋をして焼く
器が浅いからオーブンで焼くようなかんじになる
★貝殻
貝殻に、貝の身をさいの目切りに、椎茸やその他を入れて焼く貝殻焼きではサザエのつぼ焼きがある
貝殻を鍋がわりに用いる貝焼は、ホタテ貝が愛用される
★蒲焼き
身の長い魚の照焼
昔は身を開かず、串刺しにして焼いた。それが蒲の穂に似ていたので蒲焼きと呼ぶ
■煮る
水だけで煮る、水煮
水煮した野菜をお浸しと言い、醤油などにつけて食べる
水だけで炊く、水炊き
薄塩味で煮る鍋料理
ポン酢、醤油などにつけて食べる
調味料を入れて煮込む
塩煮
味噌煮
酢煮
材料によって
若竹煮
あら煮
渋皮煮
小倉煮
地方によって
江戸煮
関東煮
筑前煮
佃煮
土佐煮は土佐のものではなく、かつお節が入ったもの
南蛮煮は唐辛子を入れるのを原則とする
その他
青煮
うま煮
甘露煮
角煮
すっぽん煮は、魚を酒などを用いて濃厚に調味した汁で煮詰めたもので、すっぽんは入っていない
■汁物
煮物の汁の多いもの
潮汁→塩だけで調味
普通は
出汁や味付けが難しく、汁で料理人の腕が知れる
■蒸物
日本料理では油物を好まない
それでも
天ぷらは美味しい