流氷津波…

流氷が押し寄せるこの厳冬期
近海で津波が発生すれば
その被害ははなはだしく甚だしい事を
北海道が示した試算予想は伝えている…

氷塊を含んだ大津波の破壊規模は
ほとんど想像を絶するといい
風や吹雪の冷たさは
全てのものを凍らせてしまうという…

防波堤は砕け散り道路は叩き割られ
地面はえぐられ
あらゆる建物は削りながら潰される…
交通はどこまでも分断され
海を埋め尽くす流氷は救助船を拒み
この辺りの風の強さはヘリも飛ばない…
それに避難場所の位置はどこも
海抜が低い…

そんな最悪の災害シュミレーションを
今ではこの国の多くの街が強いられる…

オホーツクに押し寄せた流氷は
やがて南下し
いよいよ根室にまで到達している…

氷の宮殿(七)…

明日の自分は想像出来るのに
明後日の自分は
生きてるかどうかさえも分からない…

天井の刃が落ちてきたなら
僕はひとたまりも無く串刺しなる…

それが落ちてくるかどうかは
運命なのか双六の賽コロなのか…

氷の宮殿(六)…

愛する事も恋する事も
難しすぎて僕には出来ない…

道の先に明かりも無ければ
僕は一歩も進めない…

それなのにいつも
遠くまで遠くまで行きたがる…

なぜだろう…

氷の宮殿(伍)…

黄色くにじむ明かりのその暖かみは
氷点下の氷を溶かす事もなく
凍えた体を温めてくれる事もない…

なのにその明かりを
なぜ僕は暖かいと思えるのだろう…