Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

春の恋唄

2018-04-09 22:03:11 | 

          

  

 

春風がフフフと笑って

花おこしの風が通り過ぎて行く日に

生きる喜びをいっぱい吸い込もうと

春を待っていたが

今年の空はなかなか春色にならなかった

 

ようやく訪れた春の風は

私の名前も知らないけれど

私の運命に頬ずりして

やわらかな匂いを

花瓶に挿してくれたようだ

 

何故かそんな小さな道化が

うれしくて

今日の日記に

明日の風景を夢想できるように

言葉の呪文を書いてみたくなる

 

春風は

うらうらと咲くタンポポに

うまれたてのまぶしさを映しているが

この島の物語の虚しさを

にじませている

 

島の物語は重く

淀んだ虚しさが続くけれど

春風は

それでも ケヤキや桜の枝々に

響きあう春の恋唄を結んでいるようだ

コメント
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