セラフィックコールことしは…
「おっと、セラフィックコールか。懐かしい名前じゃねぇか。去年、レモンポップにボコボコにされたあの馬か。あの時、デムーロが
『終始外を回ったせいか…』
なんて言ってたけど、あれは完全に言い訳だぜ。あの馬は、レモンポップの相手になるには、まだまだ青いってことだったんだ。」
「一年経って、ダイオライト記念勝ったか。川崎記念も帝王賞も経験したか。
そりゃあ立派だ。
でもな、チャンピオンズカップは、お前みたいな中途半端なやつが勝てる舞台じゃねぇ。レモンポップみたいな、ホンモノの怪物がいるんだ。」
「去年、レモンポップに完敗した時、お前は一体何を学んだんだ?
追い込み一辺倒の脚質から脱却した?
流れに合わせて立ち回れるようになった?
ふざけるな。
そんなの誰でもできることだ。
大切なのは、レモンポップみたいな怪物と渡り合うための、特別な才能だ。」
「今年のチャンピオンズカップ、お前は一体どこまでやれるんだ?
正直、期待なんかしてねぇ。
でも、もしも、万が一、レモンポップを倒すようなことがあれば、俺もビックリするぜ。いや、そんなこと、絶対にないだろうけどな。」
「レモンポップは、逃げ切り勝ちか。
さすがはレモンポップだ。
あの馬は、やっぱり別格だな。
セラフィックコール、お前は、レモンポップの足元にも及ばねぇ。
でもな、諦めるなよ。
いつか、レモンポップを超える馬が現れるかもしれない。
その時は、俺もまた、競馬場に足を運んで、その瞬間を見届けたいものだ。」
「・・・さて、次のレースは何を見ようかな。今日は、ちょっと気分転換に、パチンコでも行ってみるか。」
2023年のチャンピョンズC
で、その年2月に新馬戦でデビューし、5連勝でみやこS-G3を制覇した勢で挑んだ若武者セラフィックコールは、歴戦の古馬たちに
木っ端微塵に打ち砕かれた。