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歌劇「賭博者」をテレビ鑑賞

2025年01月07日 | オペラ・バレエ

ザルツブルク音楽祭2024、歌劇「賭博者」をテレビで鑑賞した、収録は2024年8月12・17日、フェルゼンライトシューレ(ザルツブルク)

プロコフィエフ 作曲
原作:ドストエフスキー
台本:プロコフィエフ
演出:ピーター・セラーズ(1957、米)

<出演>

将軍:チェン・ペイシン
ポリーナ(将軍の養女):アスミク・グリゴリアン(1981、リトアニア)
アレクセイ(将軍の子供の家庭教師):ショーン・パニカー(1981、米)
おばあさま:ヴィオレタ・ウルマナ(1961、リトアニア)
ブランシュ(社交界の有名人、将軍の婚約者):ニコル・チルカ(ウクライナ)
侯爵:フアン・フランシスコ・ガテル
アストリー(英国人ベンチャーキャピタリスト):ミカエル・アリヴォニャ
ヴルマーヘルム男爵:イリヤ・カザコフ
ニリスキー公:バイ・チェンギ
ポタープチ:ジョゼフ・パリッシュ
支配人:アーマンド・ラボット

合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ティムール・ザンギエフ   

演出のP・セラーズによって舞台設定も登場人物も現代化、マネーゲームに踊らされた人々と「お金持ちでは得られない愛」を求めるヒロインの姿を描くオペラ

このオペラはドストエフスキーの同名の小説が原作となっている、小説の方は一度読んだことがあるが、オペラがあるとは初めて知った、日本で上演された記録はないとのことだが、ヨーロッパでもめったに上演されない演目、そういう演目をザルツブルク音楽祭が取り上げるというのが興味深い

このオペラは4幕で構成されているが、セラーズは2時間ちょっとの休憩無しの1幕ものにしている、2時間くらいなら見ていても耐えられるでしょう

演出のピーター・セラーズの作品を観るのは初めて、有名な演出家らしい、今回は時代を現代に置き換えて演出したとの説明だが、それはあまり原作の本筋を変えるようなものではなかった

そうなのだが、舞台設定はかなりユニークなものとなっていた、この舞台を現地で観劇した方のブログを読むと現地では高評価だったとのこと、舞台にはルーレット台をイメージしたUFOか日本の独楽のようなオブジェが吊るされていて、状況に応じて上がったり下がったりする、照明もいろいろ変化して目でも楽しめる

登場人物は多いが、核になる人はアレクセイ、ポリーナ、将軍、ブランシュ、侯爵の5人だけだ

観劇した感想としては

  • プロコフィエフの音楽は印象に残るようなものがなく、セリフも単調で、オペラか演劇かわからなかった、これでよく歌手が歌えるなと思った、セリフ劇に音楽が流れているだけのような感じがした
  • 最初から最後まで一番よく出ていたのがアレクセイ役のショーン・パニカーだった、もう最初から汗だくで必死に歌っている感じだった、歌唱力はあると思った
  • 次に目立ったのはブランシュ役のウクライナ人のニコル・チルカであった、美人であり、自分のセクシーなスタイルを見せびらかすようなコスチュームで出てきて男性観客の目を刺激しまくっただろう、歌もうまかったと思うので今後主役級の役もできるのではないか

  • 人気の点からはポリーナ役のアスミク・グリゴリアンが一番らしいのだが、ルチカに比べ地味な役で、服装も地味なもので舞台上ではあまり目立たなかった、ただ、歌唱力はありそうだし、美人でもあり、既に多くのオペラでタイトルロールを務めた実績がある第一人者だ、他の演目の演技を是非見てみたい歌手だ
  • この物語の最後、ポリーナがアレクセイが賭博で稼いだ大金を受け取らずに去っていく理由だが、小説を読み直してからオペラを観たわけではないのでわからなかったが、ChatGPTで質問してみると「ポリーナはアレクセイに対して複雑な感情を抱いています。彼女は彼を信頼していた一方で、彼がルーレットに熱中し、人生を賭博に浪費している姿に失望していた可能性があります。アレクセイが大金を稼いだとしても、それは単なる一時的な結果であり、彼が根本的に変わったわけではないと感じたのかもしれません」として更に具体的な説明が出てきた、なるほどなかなか奥が深い

楽しめました

あらすじ、ウィキの説明を抜粋(セラーズの時代設定は無視)

第1幕

将軍家の家庭教師アレクセイは、想いを寄せる養女ポリーナに頼まれルーレットに挑むが、全額を使い果す、さらにポリーナへの忠誠のため命令に応え男爵夫妻をからかう

第2幕

将軍はアレクセイを解雇、ポリーナを慕うアストリーから将軍家が困窮し侯爵から多額の借金をしていることを聞かされる、将軍は病身のおばあさまの遺産で借金を清算し、ブランシュと結婚するつもり、そこへおばあさまが登場し将軍に財産を遺しはしないと宣言

第3幕

おばあさまはルーレットで財産の大半を使い果たす、動揺する将軍はアレクセイにおばあさまを止めるよう懇願するが彼はなにもできない、おばあさまは賭博場を後にし、ブランシュに去られた将軍は絶望する

第4幕

第1場
ポリーナがアレクセイの部屋を訪ねる、侯爵が自身もルーレットで大金を失くし将軍の借金を返すよう迫ってきたのだという、アレクセイはポリーナを救うため部屋を飛び出していく

第2場
賭博場でアレクセイはルーレットに挑み、大勝ちを重ねる、賭けにのめりこむアレクセイに周囲は恐れを抱く

第3場
大金を手にしたアレクセイはポリーナに札束を渡すが、ポリーナはそれを叩きつけて去っていく、賭博場での幸運に浸るアレクセイがひとり残される



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