新聞の映画評論欄に載っていたので、オペラファンとしては観に行かねばと思い、「テノール、人生はハーモニー」(2022年、仏、監督クロード・ジディ・Jr)を観てきた。
この映画は、ラップに夢中の青年アントワーヌ(MB14)が、オペラ座へスシをデリバリーした際、そこで自分を見下してきたレッスン生たちにオペラの真似事をしてやり返すところをオペラ教師マリー(ミシェル・ラロック)が見て、アントワーヌの美しい歌声とその類まれな才能にほれ込み、彼のアルバイト先に押しかけてオペラを学ぶように迫るが・・・というもの。
若干のコメント
- 映画にはオペラ歌手のロベルト・アラーニャも出演している。主人公のアントワーヌを演じるのは、大人気オーディション番組「THE VOICE」でそのカリスマ性を爆発させて勝ち上がったビートボクサーMB14。劇中すべてのオペラ歌唱にも挑戦し劇中アントワーヌさながら天才的歌の才能を発揮させた、と公式サイトに書いてあるが、映画の中で彼がオペラを実際に自分の声で歌っていることを意味しているわけではないと思う。微妙な書き方だが、そこはぼかしているのでは(原語を見ないとわからないが)。私の見たところでは「口パク」してるところも多かったと思われた。
- 映画の舞台で実際のパリのガルニエ宮を使っているようだ。これはオペラファンにとってはうれしいことだ。私も1回だけ中に入ったことがあるが、当時を思い出させる。公式サイトを見ると何年もかかってオペラ座を説得したとあるがよく撮影を許可したものだ。
- この映画の中では、主人公がパリのスシのデリバリーのバイトをしているなど、何回か日本が話題に出てくるのがうれしい。
- この映画を見ての感想だが、私が見ている映画評論サイトでのトータルの評点が5点満点で3.2点となっており、満点をつけている人も含めてその点数であるから一般の人の正直な評価がどの程度かを物語っていると思う。私も同感だ。
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