ゆっくり行きましょう

好きなことじっくり楽しむシニア

Netflixで「夜の伝説 マダム・クロード」を観る

2023年01月25日 | 映画

まだNetflixを良く使いこなせないが、今日は「原語」でフランス語を選択して出てきたものから「夜の伝説マダム・クロード」(2021年、仏、シルヴィ・ヴェレイト監督)を選んでみた。時間は1時間52分。

この映画は、1960~70年代にフランスで暗躍した高級娼館経営者マダム・クロード(カロル・ロシェ、48)が2015年に92歳でこの世を去るまでの人生を描いたもの。17歳の時に妊娠して未婚の母になったが貧しかったので子どもを母に預けて単身パリに出て売春をやっていくうちに売春倶楽部の経営者にのし上がっていく。何人もの娼婦を抱えるまでに成功し、客層も政財界の大物までカバーして、ヤバい情報もいろいろ知るようになり、警察との間にギブ・アンド・テイクの関係まで築くにいたる。

その売春倶楽部にある日、金持ちで何の不自由も無い若いきれいな女シドニー(ギャランス・マリリエ、24)が売春婦として応募してきた。この売春倶楽部に入る女性たちは恵まれない境遇の女ばかりだったので驚いたが、自分に似ているところがあるので採用して目を掛けるようになっていく。やがてこのシドニーがクロードの唯一心を許せるパートナー的存在になっていくが、彼女も複雑な事情を抱えていた。クロードはこの世界で成功したものの、この世界の現実は金・暴力・汚職・裏切り・抗争などに明け暮れるすさんだもので、一歩間違えれば明日は無い命。お金には不自由しない身分になったんだけど、年をとるにつれて孤独や死の恐怖が押し寄せてくる。そんな彼女の人生を最後まで描いた。

やはりこのフランス映画もあまり救いの無い映画だ。が、人生とは何が幸せなんだろうかとか、お金より大事なものも有るのでは無いか、と言うようなことをいろいろ考えさせる映画であるように思う。自分が同じ立場だったら、多分、60歳くらいで誰かに事業を譲り、文化・芸術を楽しむ余生を過ごすのにな、と思うが、これはサラリーマン的発想か、個人事業主や芸術家や生涯現役なのか。日本は昔は早めに家督を息子に譲り、自分は隠居してゆっくり過ごすと言う文化があたっと思うが。


淺草「舟和本店喫茶室」にて

2023年01月24日 | カフェ・喫茶店

昨日の浅草公会堂の新春歌舞伎の前に、時間があったので、近くの「舟和本店喫茶室」に入った。以前、一回入ったことがあるが良い雰囲気だったのでまた入りたくなった。10時半開店である。

舟和本店の2階に店はある。行ってみるとちょうど開店したところで先客はゼロ。新仲見世通り側の窓際の席に座る。コーヒー550円と芋ようかん200円、あんこ玉2つ240円を注文した。あんこ玉はカラフルでかわいらしい。店内は落ち着いたクラシックムードの喫茶室で椅子もゆったりとして寛ぎ安い。新仲見世通りの喧噪がよく見える。結構穴場なのではないか。20分くらいコーヒーを飲んでいる間に2人連れがひと組来ただけだ。

 

 

コーヒーと茶菓を美味しく頂き、浅草公会堂に向かった。ごちそう様でした。


新春淺草歌舞伎「引窓」「男女道成寺」を鑑賞する

2023年01月23日 | 歌舞伎

淺草公会堂で新春淺草歌舞伎の第1部を夫婦で観た。ここで歌舞伎を観るのは初めてだ。演目は2つだけで、11時開演で幕間を入れて終了は13時44分。私はこのくらいの時間がちょうど良い。歌舞伎座で昼夜2公演の番組だと、昼の部と夜の部とそれぞれが4時間くらいかかる、ちょっと疲れるし飽きてくる。オペラもそうだが3時間くらいが限度だね。

新春歌舞伎なので劇場も演目もおめでたい賑やかな雰囲気を作っている。客層は圧倒的におばさま方だ。和服姿も少なくない。ただ、空席も若干見られた。今日の座席は1階前方の良い席、値段は夫婦合計で19,000円。

最初の演目は「双蝶々曲輪日記、引窓」、配役は

  • 与平衛:  中村隼人
  • 濡髪長五郎:中村橋之助(中村芝翫の長男)
  • お早:   坂東新吾(「鎌倉殿の13人」で人気が出た坂東彌十郎の息子)
  • 母お幸:  上村吉弥

双蝶々曲輪日記は有名な演目で、中でも角力場とこの引窓の場が人気があり良く上演される。濡髪長五郎が誤って人を殺して追われる身、養子に出されていたが産みの母のところに戻る、そこに義理の息子与平衛が武士に格上げになって戻ってくる、ただ濡髪の捕縛が任務、家で母と妻が濡髪をかくまっていることを知る、だが大義名分をつけて濡髪を逃がす、と言うストーリー。物語の中で引窓により部屋の中が明るくなったり暗くなったりするのがポイントとなっている。

ところで、与平衛は濡髪が家いることを気づいたが何とか大義名分を立てて逃がす、この見て見ぬふりをするというのは「勧進帳」でも富樫左衛門が変装した義経を見破るが、弁慶の主君を思う一途さに感銘して関所を通過させるというのが一番有名なのではないか。不正に甘い日本特有の文化だいう批判も聞いたことがあったが、欧米の小説か映画でも似たような例に気づいたことがあった、多分、洋の東西に関わらず共通の人情ではないか。

ここで幕間、お楽しみの昼食の時間だ。今日は淺草松屋の地下で崎陽軒のシウマイ弁当を選んだ。久しぶりに食べたがうまかった。オペラと違って幕間に座席で食事ができるというのがこれこそ日本特有の良いシステムではないか、費用も千円前後でリーズナブルだ。ただ、今日初めて浅草公会堂に来たが、公会堂内でも弁当が売っており、結構美味しそうなものがそろっていたのでこちらで買っても良かった。

さて、2幕目の演目は「男女道成寺(めおとどうじょうじ)」、これは「京鹿子娘道成寺」の趣向を取り入れた舞踊だ、桜が満開の道成寺に花子と桜子と名のる二人の白拍子が舞を奉納しにやってくるが、実は桜子は男の狂言師。男女の踊り比べが楽しい、初春に相応しい華やかな舞踊だった。配役は

  • 白拍子桜子実は狂言師左近:坂東巳之助(坂東三津五郎の息子)
  • 白拍子:坂東新吾

2人とも踊りは見事でうまかった。この道成寺というのは紀州にあり、安珍・清姫伝説の舞台である、この伝説は清姫が僧・安珍に恋をしたが裏切られ、蛇に変化して安珍を追いかけ、ついに道成寺で鐘ごと焼き尽くす、と言うもの。この物語の後日譚が道成寺もので、いろんなバリエーションがある。男女道成寺もその一つ。

さて、帰りに肉の「松喜」に寄って、晩ご飯のおかずにハンバーグ用の挽肉300グラムと晩酌のつまみに焼豚200グラムを買って帰った。併せて1,400円くらいだったか。大寒らしい寒い一日だったので夜は歌舞伎鑑賞の余韻に浸りながらうまいつまみで一杯やることにしましょう。

 


ウェールズ弦楽四重奏団演奏会を観る

2023年01月22日 | クラシック音楽

今日もNHK・BSクラシック倶楽部の録画で「ウェールズ弦楽四重奏団演奏会」を観た。ウェールズ弦楽四重奏団の「ウェールズ(verus)」とは「真実・誠実」を意味するラテン語に由来する。2017年からベートーベンの弦楽四重奏曲全曲録音プロジェクトを開始した。メンバーは

  • 﨑谷直人(バイオリン)
  • 三原久遠(バイオリン、東京都響)
  • 横溝耕一(ビオラ、N響)
  • 富岡廉太郎(チェロ、読響)

今日の演目は

  • 弦楽四重奏曲イ長調作品18-5から第3、4楽章(ベートーベン作曲)
  • 変容(弦楽七重奏曲版、R・シュトラウス作曲)

インタビューでメンバーは、今回の演奏会の大きなテーマは「変奏と変容」、演奏会は全体通してストーリーを考えて選曲している、無意味なプログラミングは絶対していない、ずっと一緒にやってきたのでお互い理解しているし、変化して成長してきた、と説明している。

最初のベートーベンの弦楽四重奏曲作品18の第5だが、中村孝義著「ベートーベン、器楽・室内楽の宇宙」によれば、ベートーベンの弦楽四重奏曲作品18番は作品番号が初めて付された弦楽四重奏曲で全部で6曲からなる。この作品18番は1798年に着手してから2年以上経た1800年にやっと完成した。この作品はあくまで伝統的な枠組み(ハイドンやモーツアルト)を守りながら、その中に以下に革新的イデーを持ち込みうるかという、困難極まりない試みであった、この6曲は作曲という行為が彼自身の中で大きく意味転換を果たしたと言う点で重要な意味を担わされている、と書いている。

ベートーベンは1799年までは交響曲を作曲していなかった、1799年から1800年にかけてこの弦楽四重奏曲を作曲し、その後、作風に大きな変化が生じて「傑作の森」と言われる大きな飛躍の時期を迎えることになる。よって1800年前後という時期は彼にとって大きな転換点であった重要な時期に当たる。

次の「変容」では以下の3名が加わる

  • 佐々木亮(ビオラ、N響)
  • 横坂 源(チェロ)
  • 池松 宏(コントラバス、都響)

「変容」は、番組の説明では、R・シュトラウスの80代の時の作品、第二次世界大戦末期に作曲された、この曲はまず弦楽七重奏の形で構想が練られた、1990年になって初期の七重奏の楽譜が発見され現代の音楽家が手を加えて弦楽七重奏版の「変容」が完成、シュトラウスが表現した戦争による「変容」への悲しみや怒りが弦楽七重奏に凝縮される、とある。確かに聴いてみると非常に暗い雰囲気の曲で、不協和音を聞いているようだった。

今日聴いたベートーベンの初期の弦楽四重奏曲はわかりやすい、親しみやすい曲だったが、後期の弦楽四重奏曲などは難解である。このクラシック倶楽部でも弦楽四重奏の演奏会を良く取り上げるが、難しい感じの曲が多い印象がある。なぜだろう? 楽器を弾ける人からすれば「そんなことはないよ」と言うことなのかもしれないが、演奏家も小難しい顔をして演奏しており、玄人好みの素人を寄せ付けないところがある、ベートーベンもR・シュトラウスも好きな作曲家だけど、弦楽四重奏曲はあまり好きにはなれない、聞き込みが足りないのかな。

 

 


ノトス・カルテット演奏会を観る

2023年01月21日 | クラシック音楽

今日はもう一つ録画しておいたクラシック倶楽部から「ノトス・カルテット演奏会」の2019年7月2日の日本公演を聴きました。

テレビの説明では、ノトス・カルテットは2007年ベルリンで結成、世界でも珍しい常設のピアノ四重奏団、数々のコンクールで入賞、ヨーロッパ各地の音楽祭に出演し高く評価されてきた、とのこと。インタビューでは、自分たちはピアノの入った四重奏が好きでオーケストラと遜色のない演奏ができる、レパパートリーは有名な曲もあるが、あまり知られていないけど刺激的な曲もあり、そのような曲を知ってもらうのは価値がある、と説明している。

メンバーは

  • バイオリン:シンドリ・レデラー
  • ビオラ:アンドレア・ブルガー(女性)
  • チェロ:フィリップ・グラハム
  • ピアノ:アントニア・ケスター(女性)

曲目は

  • ピアノ四重奏曲 イ短調(マーラー)
  • ピアノ四重奏曲 ハ短調(バルトーク)

アンコール

  • 愛の悲しみ(クライスラー作曲、ブルガー編曲)
  • 愛のあいさつ(エルガー作曲、リゴラッティー編曲)

テレビの説明では、バルトーク(ハンガリー)のピアノ四重奏曲の全曲が初演されたのは作曲されてから60年以上経過した1946年だった。その後、公的な演奏記録は無く楽譜の所在もわからなくなっていた、それを再発見したのがノトス・カルテットだった、そして今回の演奏は日本初演だとのこと。

演奏と聞いてみると、2曲のピアノ四重奏はいずれも素晴らしく、演奏も力が入っていた感じだった。マーラーのイ短調は1楽章のみの短い曲だが、マーラーにしてはわかりやすい曲だった。この曲はマーラー16歳の時の作品で現存する彼の唯一の室内楽作品とのこと。若いときはわかりやすい曲を書いていたんだ。

アンコールの2曲はおなじみの曲だろう。私でも知っている聴きやすい曲だ。アンコールで弾くのにちょうど良い曲なのでしょう。


アン・セット・シス ピアノ・デュオを聴く(追記あり)

2023年01月21日 | クラシック音楽

NHKのクラシック倶楽部は平日に毎日、室内楽を中心とした一流演奏家のリサイタルを放映している。録画して可能な限り見るようにしている。この番組を見ているといろんな演奏家やカルテッドなどを知ることができるので重宝している。ただ、とても全部は見れない。時間は55分である。

今日は1月13日に放映されたアン・セット・シス(un-sept-six)のピアノデュオリサイタルを観た。このグループは、山中惇史と高橋優介が2019年に結成したピアノ・デュオ、演奏だけでなく作曲や編曲を自分たちで手がけた独自のレパートリーで注目を集めているとのこと。演目は以下の通り。

  • 交響詩「ローマの祭り」(レスピーギ作曲、山中惇史・高橋優介編曲)
  • 映画「ハリー・ポッター」シリーズ(ジョン・ウィリアムズ作曲)

アンコール

  • 映画「スター・ウオーズ」から「メイン・タイトル」(ジョン・ウィリアムズ作曲、山中惇史編曲)

演奏前のインタビューの中で2人は、ピアノ・デュオは曲が少なく、それように作曲されたものでなくても編曲してデュオで演奏することを考えた、「ローマの祭り」がそうだ、編曲は公演ギリギリまでかかってやることもある、と述べている。

さて、テレビで演奏場面を見ると、ピアノの前に置いてある楽譜が紙でなくタブロイド端末に映し出されているものを利用している。最近、タブロイドの楽譜を利用している例がちらほら見られるが、もっと普及させるべきだと思う。このような文明の利器はどんどん利用すべきだと私は考える。だから本もなるべくKindle版がある本はKindleで読んでいるが大変便利だと感じている。楽譜もきっと同じだろう。

ところで、クラシック音楽の演奏家はたいていの場合、楽譜を目の前において演奏している。そもそも楽譜を見なくても演奏できれば紙の楽譜かタブロイド楽譜かの議論もあり得ない。ある弦楽四重奏団だったと思うが、自分たちの演奏する曲は全て暗譜しているので演奏時には楽譜を見ない、暗譜するくらい練習しているのだ、オペラ歌手でもロックバンドでも何でもおよそ演奏家というものは暗譜しているものだ、なぜ、クラシック音楽演奏家だけ楽譜を見ながら演奏することが当たり前になっているのだ、と言っていた。宮城谷昌光氏の「クラシック千夜一曲」を読むとあの有名な指揮者のトスカニーニの若い頃の逸話が紹介されており、それによれば、トスカニーニが指揮者デビューしたのは19歳の時で、当時はチェリストだったがいつも楽譜を見ないで演奏していて目立ったそうだ。そして楽団の海外公演の時に指揮者がダウンして誰か代行者がいないか検討しているときに、楽譜を全部暗記しているあいつならできるだろうと白羽の矢が立ち、立派に指揮をして観客を唖然とさせた、と言うことである(同書163ページ)。私は楽譜を読めないし演奏もできないのでなんとも言えないが、どうなんでしょう。

 

2023/1/24追記

クラシック音楽演奏家以外は楽譜を見ないで歌ったり演奏したりする、と書きましたが、昨日見た歌舞伎の公演で義太夫節、長唄の唄い手さんが歌詞のようなものが書いてある台本・譜面のようなものを目の前に置いて唄っているのを見て、譜面等を観ながら演奏するのはクラシック音楽だけではないことを認識しました。

 


JGM笠間ゴルフクラブ

2023年01月20日 | ゴルフ

今日はJGM笠間ゴルフクラブでラウンドしてきた。このコースは年に何回か行くお気に入りのコースである。アメリカンスタイルのコースでワングリーン、リモコンカート方式。27ホールあり、適度なアップダウン、何カ所かに池が絡む。今日は第1組で8時ちょと前のスタートだったが6時頃まで雨が降っていた、スタート時の気温は2度くらいで極寒ではない。風もなく、ラウンドが進むにつれて徐々に日差しも出てきてとても快適にゴルフができた。日中は13度以上にはなっただろうか。朝の9時頃まで気温の上昇によりもやが山裾に立ちこめ幻想的とも言える雰囲気であった。

ゴルフコースはほぼ満員のようだ。コロナの発生後、ゴルフする人が増えたのか。一昔前は平日コルフといえばがら空きでスイスイ回れたが最近は土日と変わらない混み具合であり、せっかく平日に行っているのにがっかりだが、ゴルフ人口がどんどん減って、コースを閉鎖して太陽光発電場となってしまうよりずっとましだと思う。

今日の費用は昼食代も含めて6,500円であった。茨城県や栃木県のゴルフ場は安くて助かる。千葉県や埼玉県のゴルフ場は平日でも1人1万円以上するコースが多い。

自宅近くのスーパーでゆっくり買い物をして帰宅、朝ドラ録画を見て、風呂に入り夕食。ゴルフに行った日はやはり飲みたい。私の場合、1杯目はTAKARA(宝酒造)の缶チューハイを飲み、2杯目は焼酎のお湯割りか水割りだ。ワインやビールもたまには飲むが、量はこの程度で充分だ。

 


名曲喫茶「ネルケン」で憩う

2023年01月19日 | カフェ・喫茶店

今日は吉祥寺で昼食をとった後、せっかく中央線沿線に来ているので前から行ってみたかった高円寺のクラシック音楽喫茶「Renaissance」に行ってみようと思った。ところが来てみると既に開店時間を30分以上過ぎているのにシャッターが閉まっている。そこで、幸いなことに近くに同じ名曲喫茶の「ネルケン」があるのでそちらに行くことにした。

緑の木に覆われた一軒家の入口を入ると先客が2人、すいていた良かった。この喫茶店は以前一回来たことがあるし、その存在は若いときから知っていた。店内に女性の裸体の彫刻が2つあるのが特徴で4人掛けの席が結構ある。奥にカウンターがあり、その中でコーヒーなどを作っている模様。壁には絵や写真がいっぱい掛けてあり、落ち着いてクラシック音楽が聴ける雰囲気である。カウンターの上にスピーカーが置いてあり、結構大きめの音でクラシック音楽が流れている。

品の良さそうな非常に愛想の良い店主と思われるマダムが注文を聞きに来てくれたので、ブレンドコーヒーをたのんだ。よく見るとテーブル席には花が一差し生けてあるが本物か造花はわからない。私が入店した後も何人かの客が入ってきた。ところでこのクラシック音楽喫茶だが日本特有のものだろうか? 欧州に行った際にクラシック音楽喫茶と同じようなカフェは見たことが無いがご存知の方はおられようか。

私は昔から大手のチェーン店でない個人経営の喫茶店に入って憩うのが好きだ。40才過ぎにクラシック音楽を聴くようになってからはクラシック音楽喫茶の存在を知り、今まで何軒かは訪問してきた。例えば、渋谷の「ライオン」、阿佐ヶ谷の「ヴィオロン」、荻窪の「ミニヨン」、国立の「でんえん」、そして今回の「ネルケン」などだ。都内にはまだ他にもあると思うので、今後も機会を見つけて訪れたい。ここ20年~30年はスタバなどの大手チェーン店が拡大して既存の喫茶店を駆逐してきたが、ここに来て個人経営の喫茶店が注目されてきているようだ。新しい動きも出てきており、最近は蔵前付近、清澄白河あたりにもニューウェーブの喫茶店が多くできている。蔵前の「from afar」や清澄白河の「Blue Bottle」(こちらは大手かもしれないが)に行ったことがある。昔ながらの日本の純喫茶と違った良い雰囲気を作り出しており、シニア世代も見られた。純喫茶にしろ、クラシック音楽喫茶にしろ、この日本が誇るべき素晴らし喫茶店文化は後世にも是非引き継いで行きたい。大手チェーン店との棲み分けも充分可能と思われるので一個人として折に触れて訪問して憩い、かつ、それがわずかながらでも存続の応援になれば良いと思っている。皆さんも是非訪れてみては如何か。

さて、店を出た後、もう一度「Renaissance」に行ってみたがやはり開いてなかった。残念。


吉祥寺「Suage」でスープカレーを食べる

2023年01月19日 | グルメ

吉祥寺の近くに用事があって出かけたので、ランチは吉祥寺で食べることにした。何を食べようか迷ったが、まだ行ったことのない店で札幌のスープカレーで有名な店だという「Hokkaido Soup Curry Suage」で食べることにした。店は駅から歩いて10分もかからないビルの2階。直ぐに座れた。

店内は1人がけのカウンター席が8席くらいあり、4人用のテーブル席もいくつかあって、まずまずの広さだ。4、5人既に客が入っており、カウンター席に案内された。メニューを見て「野菜たっぷりベジタブルカレー」1,350円を注文。値段はどのメニューも1,500円前後。ちょと高めか。スープの種類、カレーの辛さ、ご飯の量を指定して注文するシステム。

出されたカレーを見るとカラフルで美味しそうだ。野菜の料がたっぷりで美味しい。ジャガイモとにんじんに串が刺さっており食べやすくなってる。カレーはスパイスがきいていて美味しく野菜とご飯に良く合う。スープカレーの量も十分だ。見ていると女性客が多い、1人でも気安い雰囲気。壁にはいろんなシールのようなものが貼ってあり賑やかな雰囲気だ。

この店の名前のSuageだが「素揚げ」をローマ字にしたようだ。「素揚げ野菜」を使ったスープカレーというのが目玉でそれを店名にしたのかな。1,350円は高くありませんでした。

ごちそう様でした。

 


「人間ぎらい~メランコリックな恋人 喜劇5幕~」を観る

2023年01月18日 | 演劇

NHKのプレミアムステージで放映されたモリエール原作の「人間ぎらい」を観た。プレミアムステージは毎月1回、演劇公演を2演目放映する番組で、ここ2、3年演劇に興味がでて毎回録画して見るようにしている。この「人間ぎらい」は1月8日に放映されたもの。

モリエール(1622-1673、仏の劇作家)の本は恥ずかしながら今まで全然読んでこなかったが昨年11月東京芸術劇場で上演された「守銭奴」を見に行った際に、事前に原作を読み興味が持てる作家だと感じたので、今回のプログラムを見て早速観劇することにした。公演が行われた2022年はモリエール生誕400周年だ。

番組の解説によれば、モリエールは人間の誰もが持っている虚栄心や偽善的な心を繊細に描いた数々の喜劇を世に送り出した、「人間ぎらい」は17世紀のフランスの貴族階級の人間模様を鮮やかに描き出していく、主人公のアルセストはお世辞やおべっかが大嫌いで自分が思ってきたことは正直に相手に伝えてきた、友人のフィラントは正直過ぎるアルセストの生き方を心配するが耳を貸さない、アルセストの恋の相手セリメーヌは自分に好意を寄せる人に対しては誰にでも愛想良く振る舞う、アルセストはセリメールの八方美人的な性格に苛立つが彼女への恋心は変わらない、アルセストは自分の信念に従いある決心をするが・・・と説明されている。

演出の五戸真理枝(文学座)はTVのインタビューで「人間ぎらいは学生時代にタイトルに惹かれ、アルセストの世の中への批判について共感し、かつ、救われずに終わるところが笑えた、泣けてきた」と話している。五戸は今まで多くの作品の演出を手がけているとのこと。また、主演の采澤は「現実の演劇の世界でも自分があまり良い印象を持たなかった作品でもお世辞を言ったりしている自分がある」と「人間ぎらい」の魅力について聞かれてこう答えている。

結末に救いが無いのはフランス映画ではよく見るのだが、演劇でもそうなんだ。世の中少し斜めに見て皮肉り、一つのことで思い詰めないし、思い詰める人間を皮肉る、こういった私が見るフランス人の特徴は、マスコミ誘導により常に世論が一つになりやすい日本人としても大いに参考にすべきだと思う。

なお、舞台に設置してある黄色い三角の小舞台と階段が何を意味しているのかわからなかった。

<スタッフ>
作:モリエール
翻訳:北 則昭(新訳)
演出:五戸 真理枝

<出演者>
釆澤 靖起(文学座) アルセスト:五戸とは2回目の共演
那須 凜(青年座) セリメール:五戸とは初めての共演
齊藤 尊史(民藝) フィラント
真那胡 敬二(アンティーヌ) オロント
小川 碧水(フリー) エリアント
頼経 明子(文学座) アルシノエ
平尾 仁(青年座) アカスト
斉藤 祐一(文学座) クリタンドル