No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

角館に秋の陽射し差す

2024-11-20 | 街:秋田










毎年とまではいかなくても、大体5年に3回くらいのペースで角館の紅葉を見に行く。ここ数年はコロナ禍の観光控えで、ゆったりと見学することが出来た。例年この時期は、雨か曇りになる確率が高く、その分紅葉もしっとりと美しく見えることが多い。今年は観光客も戻り大混雑であり(観光地にとっては良いこと)、しかも天気は恐ろしいほどの好天となった。こんなに眩しい陽が差す11月というのは、秋田県では滅多にないことである。観光客は大喜びだが、写真撮りにとっては厳しい条件となってしまった。

こんなときは、もう達観するしかない。目くじら立てて写真を撮ることもない。のんびり歩きながら、ゆるく写真を撮るに限る。「お作品」など土台無理な話である。ちなみに僕の個人的な調査によると、根からの秋田県民は角館に行くことは殆どないようだ。東京育ちの子が東京タワーに行ったことがないとか、京都市民が清水寺に行かないとか、そんな感じだろうか。一方で他所から移住した僕は、角館に日帰りで行ける喜びを噛みしめている。この日は汗ばむほどの陽気だったが、わずか数日で雪が舞う真冬のような天候に変わった。女心と秋の空(違うか?)。いまだにさっぱり分からない。


X-PRO3 /  XF16-80mmF4 R OIS WR
X-PRO3 /  XF90mm F2.0LM WR

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つげ義春的な温泉旅館

2024-11-19 | 街:秋田








秘湯という秘湯は開発し尽くされ、もう本当の秘湯は殆ど残っていない。大抵の人はそう思っているだろう。例えば、つげ義春が紀行文を書いたような温泉。河童がいる温泉だとか。一杯飲んで夜中に温泉にまた浸かりに行く私。ふふ河童か、そんなものいるわけがない。誰もいない筈の湯船にドボンと飛び込む。すると湯煙の向こうに人の影が・・・。あ、こりゃ失礼。ん?もしかして女性?。もじもじする私。ぽちゃんと音がして思わず見ると、え?、か、か、河童!?。ヒ―と声を出すと、妖艶な美女河童は湯船から出て逃げ出した。その顔は、宿の若女将にそっくりで~、なんてそんな温泉。実はまだあるのですよ。信じるも信じないも貴方次第。

*日帰り入浴です

GRⅢ


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モノクロ林檎

2024-11-01 | 街:秋田

衆議院選挙のことで毒でも吐いて、毒林檎というオチにしようと一度は文章を書いた。でも政治と宗教については扱わない。それが当ブログの基本スタンスだから掲載は思いとどまった。すると林檎の写真が宙に浮いてしまった。少し前に弘前に行ったときの写真である。モノクロで撮っても、質感や色合いが種類によって異なることが分かる。そんなわけで今日から11月がスタートした。一年は本当に早いと思う。3連休は再び青森(某市)に遠足に行こうと思う。


GRⅢ



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Like a Film Camera~私的3D写真

2024-10-31 | 街:秋田






フィルムシミュレーション「クラシックネガ」、レンズはノクトン23㎜、WB固定(5900K)。もはやこれはフィルムで撮った写真そのものだ。少し前にメッセージで批判を受けたという話を書いた。批判内容を確認すると①トーンが暗い、②色が濁っている、③被写体が廃れている、だった。

これを僕流に解釈して、①Dark(暗い))、②Dull(濁った)、③Die Out(廃れた)と言い換えよう。3つのD、つまりは3D写真である。

X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical


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誰もいない町を歩く

2024-09-25 | 街:秋田












秋田県の羽後町(西馬音内地区)。雨がどうなるか分からない週末だったので遠出は諦め、この小さな町を歩くことにした。盆踊り(西馬音内盆踊り)が有名で、夏の開催時期には数万人単位の人が訪れる。他の時期は静かな町である。・・・。確かに静かな町ではあるが、それにしても今回は静か過ぎる。元々、休日には人通りはあまりない。でも今回は「あまりない」ではなく、「まったくない」のである。少し歩くと、中心部は車の乗り入れが規制されていることが分かった。祭りの提灯が掛かっている。地元の神社の例大祭の開催日のようだ。それにしても人の気配が全くないのは、どういうことだろうか。祭りの準備で皆どこかに集まっているのだろうか。通常、祭りの開催時には独特の高揚感みたいなものが町を包んでいるはずだ。そういった気配は全く感じない。独自の禁制ルールがあるのではないかと不安にすらなった。それでも静かな町をしばし歩いて写真を撮った。この静かな気配は説明が難しい。それを写真で表現できなきゃな、そう思った。

残念ながら他の用事もあり、静かな町を後にした。気配を消したかのような静けさの後、どんな祭りが展開されたのだろうか。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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恋の道祖神人形

2024-09-24 | 街:秋田



秋田県の旧・大森町(横手市)にて。山間の小さな集落。その入り口に道祖神人形が鎮座している。特別な用事がなければ一生行くことのない集落である。そしてその集落に行く用事がある人など殆どいないと思う。僕はGoogle Mapで他のことを調べている時に、偶然この同祖神人形を見つけた。最近は道祖新人形がGoogle Mapにプロットされるようになった。見つけてしまえば、見に行きたくなるのは道理だ。あっという間に、滅多にない用事が出来たわけだ。

「村のはずれに佇む貴方  いつも私を守ってくれた 
 移ろう時に流され続け、大事なものを失った
やっと見つけた言葉は、もう届かない
Too Late for love   さよならさえ言えずに 
Too Late for love どこまで流されたの
もう届かない 恋の道祖神」

2〜3分で作った「恋の道祖神人形」という歌(歌詞)です(笑)。残念ながら僕には曲を作る能力はない。今週末も天候不順で遠出がままならなかった。道祖神人形の近くの川は流れが強く、下手すると道祖神人形だって流されてしまうかも。そう思ったら意味不明な歌詞を作っていた。こういうものを載せるとまたご批判のメッセージが届くかもしれない。これは批判されて当然の歌詞なので、そのときは受け入れよう、いずれにしても気分転換が必要かもしれない。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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アスファルトに転がる小さな秋

2024-09-23 | 街:秋田

三連休の中日(日曜日)、時刻は正午過ぎ。涼しいというより、肌寒い一日だった。気温は15〜16度しかなかった。久しぶりに長袖のシャツを羽織って出かけた。出先でアスファルトの上に落ちた栗を見つけた。毬栗(いがぐり)は綺麗に四つに割れていた。栗の実が突然実り、突然落ちるわけがない。暑い暑いと騒がれるなかでも、季節は確実に進んでいたようだ。謎として残るのは、毬栗の割れ方だ。こんなに綺麗にカラスが割るとも思えない。どうしてこうなるのか、理由を知る人がいれば教えてほしいものだ。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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ヌメっとした繁華街

2024-09-21 | 街:秋田






先日、匿名の方からのご意見をメールフォーム蘭を通じて頂いた。内容を要約すると「あなたの写真はトーンが暗い。色も濁っている。被写体も廃れた街とか古い建物ばかりで、惨めな気分になる。もっと明るい陽射しの時に撮影したら、雰囲気を変えることができる。青空とか風景の写真も増やすべきだ。町並みの写真であれば、お洒落な都会で撮りなさい」。実はこういう意見を頂くことは初めてではない。というか何度もある。そう感じる人が一定数いるということなので、感情論ではなく、貴重なご意見として拝聴したい。返信先も記載されていなかったので、ここで返信したい。

(返信)
ご意見ありがとうございます。恐らく我々の考え方は異なっていると思いますが、ご意見を頂くことは、写真を見て頂いたことを意味すると思います。まずは感謝します。そのうえで、これは僕の芸風なので、どうしようもありません。今のところ無理して芸風を変えるつもりもありません。アドバイスのような写真、そういう写真を見ること自体は僕も好きです。そうやって撮ることだって当然あります。でもそれを日常的かつ継続的に撮りたいと思わないだけなのです。当ブログとは方向性が異なっているということになります。それを矯正しようと考えて見ると、ストレスが溜まる一方になります。お気をつけ下さい。まあ正直なところ、僕だってたまには「流石にくどいな」と思い、僕的には爽やかな写真で口直しを図ることはあります。あくまで口直しで基本路線は変わりません。またこの手の写真か、と思いつつも引き続きご覧頂ければ幸いです。以下、本来のキャプションに戻ります。

さて、今回の写真は秋田川反の繁華街の写真である。確かに陰鬱である。午後の早めの時間帯であり、決して夕方ではない。雨は降っていないし、すぐにでも降るような状況ではなかった。それにも関わらず、湿度感たっぷりの光景が目の前に展開されている。この感じが好きだ。こういった写真を「これは気持ち悪い写真だ。なんとかして直させないと」と思いながら見てくれる人もいる。そう想像すると何だか可笑しくなる。まあ僕は手遅れなので、まだ救済できそうな人にアドバイス頂いた方が良いだろう。この陰鬱さは、①その場所自体の雰囲気、②着目する題材、③機材の設定や特性、など様々な要因があるだろう。でも結局は僕という人間の「世界観」そのものが反映しているのだと思う。多様性?。違うか。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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水平感覚を失う町並み

2024-09-05 | 街:秋田



秋田県大館市の金物屋さん。写真自体は8月に撮ったもので、ブログには掲載されずボツにしていた。何度も撮影したことのあるお店だが、ボツにするのには理由がある。画面を構成する線という線が独自のラインを描き、どこが水平で何が曲がっているのか混乱するからだ。何しろ坂道に建つので、道路の水平と建物の水平は異なり、更には看板、棚、庇。何か自信が失くなってしまうのだ。
それでも(それゆえ?)、魅力的なお店であることは間違いない。折しも、写真らしい写真を撮っていないので、ボツから救済した。

X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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役目を終えたものたちの残像

2024-09-01 | 街:秋田







考えてみれば、僕が住む秋田県では6月下旬に大雨被害があった。それ以降のほぼ毎週末、大災害が来ると警告され続けている。地震、大雨、台風、これでもかとばかりの大乱発である。幸い、何の被害もなく生活しているが、遠出はおろか、町で写真を撮ることもままならない。いささかイライラ感が募っている。手持ちの数少ない写真の一つを掲載する。今回の写真は遠出ではないけれど、日常の生活圏を超えた微妙な距離感の町を歩いた時のものだ。

嗚呼、役目の終えたものたちの残像。気がつけば、こんなものばかり撮っていた。こういうものが多い町だという理由もあるし、僕自身の感情とシンクロしたからでもある。役目を終えたものたちの残像。いきなり消えずに残像として残るだけでも幸せな結末かもしれない。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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