No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

利は川下にあり

2024-10-20 | その他


オークションでカメラ関係のものを2つばかり処分した。もう自分の家にお宝なんかないと思っていた。お宝はなくても思わぬ利ざやを稼ぐことができた。家の中の不用品を再度チェックしようと思った次第である。今回の処分は以下の通り。

一つは上段のMamiya RB67である。6x7版で撮影できる大型カメラだ。むかしカメラのキタムラでたたき売りされていたものだ。確か2万円のものを試しに値切ってみたら、1万5千円になったのだと思う。その店にはRB67が4〜5台並んでいたので、写真館などが一斉処分したのかもしれない。普通のフィルムカメラと一線を画する 120フィルムの描写。素晴らしい描写だけど、田舎故にフィルム撮影は困難となってしまった。しかも無駄に大きなカメラなので、防湿庫の中で広大な空間を占有している。最後に使ったのは2〜3年前の話だ。壊れる前に処分することにした。買ったときの3倍くらいの価格で売れた。

もう一つは下段、コンタックスの小型フラッシュ(ストロボ)TLA200。フィルムコンタックスの最終型(N1)を購入したのは20年以上前である。その時に同時に買った。本当はTLA360という本格的な機種が欲しかったが、フィルム一眼レフにフラッシュを使うことは殆どないので、小さい方にした。訳ありの事情があり、メーカー希望小売価格の90%引きで買った。多分2000円台だったと思う(TLA360の方は5万円くらいだった)。案の定、試し撮り以外に使うことはなく、新品のような状態でストックしてきた。先日、ふとオークションページを見ると、同じ型のフラッシュが6万円くらいで出品されていた。「馬鹿じゃないの?。こんなのいいとこ2千円だろ?」と思って調べると、TLA200は価格が高騰していることが分かった。大体6万円前後が相場だ。そんな馬鹿な・・・。高かったTLA360の方は4〜5千円が相場なのに・・・。別のフィルムカメラ(コンタックスGシリーズ)が若者や海外で人気となり、それにぴったりなフラッシュの方が人気だということだ。そもそも使っていないし、これからも使う予定はないので、早速出品した。自分でも驚く価格で、あっという間に落札された。

とはいえ、この泡銭で別の機材を〜、とは考えていない。次の旅の費用にしたいと思う。何十年も悩まされた物欲が、僕のなかで薄れつつある。

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安い方のニッパー君

2024-09-03 | その他

我が家には、二匹のニッパー君が生息している。これは樹脂製の安い方である。宮城県大崎市のフランク永井記念館(本当に小さな記念館)で、確か1500円くらいで買ったものだ。こんな値段で売っているニッパー君は他にないと思う。こうやって写真に撮ると大差はないように見える。特段の意図があって撮影する訳でもないが、撮影を始めると謎の意欲が湧いてくるから不思議だ。こうして意味なく写真が溜まっていく。

X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

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死後さばきにあう(清酒)

2024-08-09 | その他




もうこれね、僕のために造った酒かと思った。「死後さばきにあう」、お馴染み(?)のキリスト看板を、そのままデザインに取り入れた日本酒である。しかも「聖書」と書かれている部分が「清酒」となっている。ツボにはまり過ぎている。この酒は、岩手県北上市の喜久盛酒造 が造ったものである。名前もそのまま「死後さばきにあう 生原酒」。蔵元の5代目がアイディアマンで、岩手県の町に溢れるキリスト看板を見て、このデザインで日本酒を作ればヒット間違いなしとアイディアを温めていたそうだ。そして実際、蔵元史上最大のヒットとなったそうだ。多分、「聖書」と「清酒」のところで、自ら噴き出していたに違いない。

でも色物扱いだけで売っているわけではない。実際飲んでみると結構旨い(僕は大抵の酒にそう言っているが・・・)。生らしいフルーティーな風味の奥に、伝統的な日本酒のどっしりとした味わいも感じる。食べかけで汚い写真で申し訳ないけど、仔牛肉のステーキと合わせたら、とても旨かった。これは冷酒で呑む酒だと思う。眺めて良し、写真に撮って良し、呑んで良し。言う事なし。

追伸:誤解がないように注記すると、あくまで看板へのパロディであり、宗教自体へのパロディではない。東北地方の町には、あちらこちらに所謂「キリスト看板」が掲示されている。それは宗教的な意味合いを超えて、もはや町の一部となっている。土着の風景なのである。
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花邑は人の心を狂わせる

2024-08-06 | その他
いわずと知れた両関酒造の「花邑」、そして「翠玉」である。すっかり入手困難な酒となった。なにしろ製造元の直営店でも買うことはできない。秋田県産の酒で、これだけ入手困難なものは、この花邑(及び翠玉)以外には、新政酒造の「ナンバー6」しかないと思う。写真は奇跡的に入手できた花邑2種と翠玉の計3本。この3本で5550円。つまりは1本あたり2000円を切っている。これだけ入手困難なのに、この価格は嬉しい限りである(といっても普段はもっと安い酒を呑む)。うち2本は贈り物で、1本だけが自分用である。

さて、店名は秘して、具体的なエピソードもなるべく避けて書くので、分かり難い話で申し訳ない。デリケートな内容なのでご理解頂きたい。花邑を秋田県内で販売する小売店は、いってみれば普通の小さな酒屋さんである。個人経営している町の酒屋さんを想像して貰えば良い。でも小さいながら、日本酒への造形が深いことが一目で分かる店でもあった。過去、ここで3〜4回は酒を買っているが、気持ちの良い対応で信頼に値する店だった。でも今回は違った。その態度は控えめにいって宜しくなかった。もっとはっきりいえば不快だった。大人の対応でスルーしたが、あたかも自分が酒を造っているかの如く、不遜な態度であった。その割に梱包などは雑過ぎた。

日本酒は長い冬の時代を経て、最近は高品質な商品には一定のファン層が付いている。良い酒は地方を超えて、全国から需要がある。花邑もそんな商品の一つであり、県外からもわざわざ客が買いに来るという。大曲の花火大会の前後には高級車が店の前に乗り付けられる。最初は驚きをもって迎えた現象が、いつしか当たり前となった。勘違いした店主は、客より自分が偉いという発想に至ったのだと思う。大ヒットのお酒は酒造会社が造ったものであり、売り手としてそれを誇りに思うのは良いが、思い上がってはいけない。いくら花邑とはいえ、気分悪い思いをしてまで入手する必要はない。ブームの終わりが、店の終わりとならないことを祈る。今回入手した酒に落ち度はないので、あとで大事に頂きます。

iPhone 15 PRO


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あまーい鰻重〜かおる堂の鰻重

2024-07-12 | その他



秋田県に6店舗を展開する「かおる堂」。和菓子から洋菓子まで揃える老舗のお菓子屋さんである。最近は毎年フェイクスイーツを販売し、それが話題になっている。今年はずばり「鰻重」。商品名も「鰻重」。鰻は練り切りで作られ、タレはカラメルソースで再現しているということだ。ローカルニュースで見て、あまりの再現度に衝撃を受けて買いに行った。540円(税込)だった。サイズ感が分かり難いけど、チュールと並べたので参考にして下さい。本物の鰻重よりはかなり小さくて可愛いお菓子である。鰻の照りの再現度が素晴らしい。ずっと飾っておきたいくらいだけど、ナマモノなので、実食した。

一言でいえば、実に不思議な感覚である。頭では理解していても、どうしても「鰻重」の味を思い浮かべる。ご飯の部分はスポンジケーキで出来ており、想像以上に「ケーキ」そのもの味がして、激しく困惑する(笑)。これはケーキとしても普通に美味しい。僕はあまりスイーツみたいなものは食べないので、味音痴で正確な表現が出来なくて申し訳ない。材料の詳細確認もせず、そのまま食べてしまった。手間も掛かっているし、味も良いので、これで540円はバーゲンプライスではないか。もう一回くらいは食べてみたいけど、まあ何回も食べるお菓子ではないことは確かである。


iPhone 15PRO

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ROKU GIN 〜「六」という名のジン

2024-06-09 | その他



僕のブログネームは「6x6」という。これは元々、二眼レフの写真を掲載するブログとしてスタートしたことに起因する。「6x6」というのは、二眼レフのフィルムフォーマット名であり、縦横6センチの正方形を意味する。ちなみに読み方としては「シックスバイシックス」となる。だがいつしか、僕は「ロクロク」とか「ロク」と呼ばれるようになった。最初は落語に出てくる胡麻塩頭のご隠居さんみたいだと違和感を覚えた(笑)。いまではすっかり慣れて、自分は「ロク」だと認識するに至った。

前置きはそれくらいにして、サントリーにジャパニーズクラフトジンを名乗る「六」というジンが存在する。2017年の発売らしい。僕はその存在をつい最近知った。日本伝統の「桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子」6種類の成分が入ったジンだという。「六(ロク)」・・・。どんな味なのか気になる。しかもボトルを見れば、「ROKU GIN」と書いてある。これは「ロクとギン」とも読める。僕と猫の銀次郎だ。もう買って飲んでみるしかあるまい。というわけで飲んでみたのが今回の記事だ。推奨通り、炭酸水で割った。山椒と柚子はすぐに分かった。あとは複雑に絡んだ奥深い味だった。1日1合だとすれば、写真の炭酸割り(ジン30ml、炭酸水150ml、氷たくさん)を2杯飲むことが出来る。惜しむらくは実売価格が4000円強とお高いことだ。うん、やはり1杯にしよう。

追伸:iPhone13PROが音声通話の際に雑音が多く入るようなって困っていた。やむなく15PROに買い替えた。使用感はほぼ同じだけど、カメラの性能が無茶苦茶良くなっていて吃驚。


iPhone 15PRO




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それぞれの「Perfect Days」

2024-04-11 | その他
映画「パーフェクトデイズ」を観た。これで二度目である。「二回目を観たい」と思う映画は数多くあるけど、実際に映画館で「二回目を観た」映画というのは余り記憶にない。少なくとも、ここ15年では初めてだと思う。「パーフェクトデイズ」は、ヴィム・ヴェンダース が監督を務め、役所広司が主演した作品だ。ヴィム・ヴェンダースは僕の大好きな映画「パリ・テキサス」の監督であり、相性が悪かろうはずもない。ストーリーを追うことに意味がある映画ではないが、大体次のような話だ。

東京でトイレ清掃員として働く中年の男、平山(役所広司)。彼は木造の質素なアパートに殆ど物を持たず一人で暮らしている。その生活は大体において同じルーティンの繰り返しだ。早朝、近所のお寺の竹ぼうきの音で目覚め、布団を畳んで身支度をする。育てている植物に霧吹きで水を掛ける。家の前で缶コーヒーを買うと、軽ワゴン車に乗り込む。車内でカセットテープの古い音楽を聴きながら仕事場に向かう。清掃員として担当する都心のトイレ清掃を行う。彼は無口で黙々と、かつ丁寧に仕事をする。嫌々やっているのではなく、仕事に打ち込んでいる。何故という理由はないと思う。それが彼のやり方だ。休憩時間には樹々の枝葉が作る影の動きを、毎日フィルムカメラで撮影する。仕事が終わるとアパートに戻る。銭湯に行き、大抵は一番風呂に入る。その後、一杯飲み屋でささやかな食事をする。家に戻ると本を読み、眠くなったら寝る。以下、次の日も同じである。週末は仕事の代わりに、アパートの部屋を綺麗に掃除し、コインランドリーで洗濯をし、フィルム写真の選別をする。そして古本屋で文庫本を買う。週末の夜だけは小綺麗な料理屋で酒を飲む。料理屋のママは色っぽい石川さゆりであり、少しだけ鼻の下を伸ばす。平山は偉人でもなければ、何か大きなことを起こすわけでもなく、同じような日々を送っている。それでも生きていれば時折、心に波紋を起こす出来事もある。仕事場の後輩を巡る小事件、家出してきた姪っ子との交流とその母(平山の妹)との関係、料理屋のママの元旦那とのひと時。ネタバレになるのでこれ以上は書きません。無口で殆ど喋らない平山にも感情もあれば、過去だってある。それなりの影だってあるだろう。それでも彼は周囲の人との小さな触れあいの中で生きている。今日もまた新しい、いつも通りの一日が始まっていく。

という訳で、大きな事件もなければ、平山の人生が語られるわけでもないし、謎が解明されたり、新しい発見がある訳でもない。結局のところ、それが我々の人生でもある。平山の姿は、どんな人間にとっても「もう一人の自分」そのものになり得ると思う。「もう一人の自分」とまではいかなくても、「自分のある一部分」を具現化した人生であることを否定できる人は少ないだろう。二回目の上映を観た時、時間が流れるように進んだ。というより時間の流れそのものを意識しなかった。映画を観ているというより、その空間のなかに紛れ込んでいるような感覚があった。3回目を観れば、きっとその感覚は更に進化するだろう。5回目くらいになれば、僕は映画のどこかに登場しているかもしれない。そんな不思議な没入感は初めての経験だった。出来れば、もう一度観たいと思う。


iPhone 13PRO

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ブログ一時休止のお知らせ

2023-11-06 | その他


いつも拙ブログを拝見頂き、また沢山の応援クリックを頂きありがとうございます。誠に勝手ながら少しの間、当ブログは休止します。例によって意外と早く復帰するかもしれませんし、もうちょっと長く掛かるかもしれません。しれっと復活した際は(それが明日でも)、生暖かく見てやって下さい。大げさなことを書かなくても、ブログだから更新間隔は自由なので、告知は不要かもしれません。でも「天然松茸だよ!奥さん!」がトップページに居座るのも耐え難いし、「お前いつまで休むんだよ」とのメールも頂きましたので、お知らせします。可能なときは皆さんのブログは閲覧、応援クリックします。その間、皆さまが素敵な写真ライフ、ブログライフを過ごされることを!ではまた。

追伸:このブログは僕の縮図的なところがあるので、更新されなくても「やめる=廃止する」ことはありません。置き土産に「モノクロ猿と半月」という謎のメッセージを残していきます。


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料理修行は続く

2023-10-20 | その他
引き続き料理修行は続いている。「うちのごはん」シリーズのような専用合わせ調味料があるので、どうしても中華料理が多くなる。揚げ物はできないので、炒めもの中心となり、煮物を始めたばかりといった具合だ。先日は合わせ調味料を使わず、豆板醤とか甜麺醤を自分で合わせて麻婆豆腐を作ってみた。正直微妙な出来だった。近いうちにリベンジしたい。これからの季節に向かい、栄養バランスが整い、免疫力をあげる料理を作りたい。市販の合わせ調味料に慣れきる前に、野菜の切り方や、食材の処理(洗う、切る、)、調味料の使い方などの基本を習得していこう。そのうえで時短のための方法(冷凍野菜など)を模索していきたい。

まだiPhoneで記録写真を撮っているだけだが、最近の料理はこんな感じです。左上から「豚肉とニラの卵炒め」、その右が「ペペロンチーノ」、真ん中左が「油揚げとほうれん草の煮物」、その右「台湾風ぴり辛野菜炒め」、下段左「海老とブロッコリーのガーリック炒め」、その右「ポトフ」。自分としてポトフが一番美味かった。海老とブロッコリーのガーリック炒めは、チューブではなく本物のニンニクを使ったことと、市販の合わせ調味料を使わなかったことが画期的だった。次回あたりは盛り付けをちゃんとして、カメラで撮影したものを掲載したいものだ。
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不穏な情勢

2023-09-30 | その他
僕の自動車保険(任意)は、いま話題のJ社に加入している。これまで幾つかの事故処理をして頂き、その対応には概ね満足している。事故はないに越したことはない。でも昨日、某所駐車場で軽微な接触事故の被害にあった。停車中にぶつけられたのである。フロント部分を少し擦った程度で、大きな被害はなかった。相手も「他のクルマに気を取られて全く見ていなかった」と率直に認めている。警察の自己処理と合わせ、一応J社に連絡を入れて状況を説明すると「これはもう相手側が100%悪いので、そちらの保険で全部修理してもらうよう要求して下さい。それで間違いないです」とのことだった。後ほど、相手側の保険会社から電話が入った。僕はそちらの100%負担で修理して下さいと念押しした。

相手側保険会社:「そうなる可能性もあるが、現時点でははっきり言えません」
僕:「当方の保険会社は、そちらの負担で修理してもらってくれと言っている」
相手側保険会社:「それはまあそう仰るでしょう(笑)・・・。どちらの保険会社ですか」
僕:「あなたと同じJ社です」
相手側保険会社:「・・・・・」
僕:「ちなみに秋田県では、夏の豪雨災害で軽く数百台のクルマが水没し、ディーラーは修理待ちの状況です」
相手側保険会社:「ディーラー以外で修理見積もりを取れるところはありますか?」
僕:「今だったらビッグモーター秋田店が空いていそうですね」
相手側保険会社:「・・・・」

週明けにディーラーと近くの自動車整備工場で見積もりを取る予定となった。嗚呼、面倒臭い。今回は僕も事故相手も両方ともJ社の保険に入っていた。最初の対応にはイラっときたが、契約者(相手側)を守ろうとしていると好意的に判断しよう。いらついて嫌味なやりとりをしてしまったが、J社さんお願いします。

X-H2 / XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
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