No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

時は来た、それだけだ〜みな食堂で過ごす時間

2024-12-22 | 街:岩手






タイトルは、あの橋本真也の名言から引用した。僕がこういう言葉を使う場合、大抵それは店が廃業したとか、建物が解体されたケースになるが、今回違う。みな食堂で食事をしたという話である。みな食堂というのは、岩手県花巻市の食堂であり、食堂前の路地を勝手に「みな食堂の路地」と呼び、もう10年以上前から写真を撮っている。鉛温泉で泊まった帰路で立ち寄ることが多いので、時間が合わず一度も利用したことがない。そういうチャンスに巡り合っても、混み合って入店できなかったり、違う店に行ってしまったりしていた。みな食堂の近くにはライバル店(?)の高権という店があり、そちらに行ってしまったのである。その高権も閉店して久しい。

そんなわけで、今回とうとう「みな食堂」に入店した。客は僕ともう一人だけだった。ラーメンと半チャーハン(更に少なくしてもらった)を注文した。想像通りの優しい味だった。しみじみと染み渡る味であり、正直インパクトは弱い。でも何度も通いたくなる味である。長い長い付き合いの常連ができる味だ。店も非常に親しみやすい雰囲気に満ちている。大女将らしき人が、僕の隣の席に座り(多分そこが定位置)、テレビに映る「なんでも鑑定団」を熱心に観始めた。感嘆の声を出したり、くすくす笑ったり。本人評価額が200万円の掛け軸が2万円と評価された時は、手を叩いて大笑いしていた。こちらと話したそうな素振りだったけど、もう少し通ったら僕も話し掛けます。普段は常連と話しながら一緒に見るのだろうな。何度も何度もモデルになってくれた「みな食堂」。これからはお布施として食事をさせて頂きます。いつまでも営業を続けて下さい。


GRⅢ

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江刺の路地裏を歩く(番外編)〜変わらぬ7年、食堂物語

2024-12-05 | 街:岩手





江刺の旧市街、蔵町もーる周辺にはコンビニエンスストア的なものはない。普段の町歩きでは、昼食はなるべく軽めにしている。満腹になると謎の満足感に満たされ、帰りたくなるからだ。コンビニのサンドイッチなんかで十分だ。今回は選択肢が少ないので、定食を食べることにした。適当に眼の前にあった店に入った。高齢のお祖母ちゃんが一人で切り盛りしていて、客も僕一人だった。一応ご飯は小盛り、それも極めて少なめにして、と頼んだ。お婆ちゃんは、「残しても良いから沢山食べて。足りなかったら何回でもお替わりするから」と言う。・・・。なんかこの展開、記憶にある。そして出てきたご飯を見た時、鮮明に思い出した。この店、以前に来たことがある。

写真だと遠近感の関係で分かり難いが、相当な量である。品数も多いし、奥の肉も相当な量だった。下記に以前に来た時のリンクを張った。間違いない。2017年の投稿で、旨かったけど食べ過ぎたと後悔していた。あれから7年もの月日が流れた。当時、幼稚園児だった子供は中学生になり、当時の中学生は既に成人している。東北の街で写真を撮るオヂさんは全く進歩していなかった。




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江刺の路地を歩く②~光る君、光らない男

2024-12-04 | 街:岩手







江刺の路地歩き、第2回目。実質的には最終回である。随分と様相が異なるにせよ、ここは岩手の神楽坂みたいだと思う。まあ石畳だけが似ているという・・・。また江刺には「えさし藤原の郷」という平安時代のテーマパークもある。なかなか立派な建造物が建ち、平安時代に紛れ込んだかのように感じることのできる場所だ。その藤原の郷は、NHK大河ドラマ「光る君へ」のロケ地となったそうだ。もっとも僕は大河ドラマみたいなものは見たことがないので、どんな場面なのかは知らない。恐らく煌びやかな世界なのだろう。一方、僕は古びた路地を歩き、モノクロで写真を撮るのであった。全く光らない男である。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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江刺の路地を歩く①〜聖地はここにもある

2024-12-03 | 街:岩手







江刺の町である。旧・江刺市、現在の奥州市となる。定期的に行きたくなる。よく行くのは、旧市街の蔵町モールという辺りであり、ここは路地が縦横無尽に伸び、所々に蔵が建っている。夜まで粘って歩くような町でもないので、日帰りで時間に追われていても、十分楽しめる。町並み=路地という、僕にとっては理想的な場所でもある。

最初に来た時、一枚目の写真の和風バー「路路」でランチカレーライスを食べた。もう10年以上前の話だ。思いっきりスナックの店内で、高齢のママさんの手作りカレーを食べた。親戚の家にお邪魔したかのような親近感だった。もう廃業したと思い込んでいたが、どうも店は継続しているようだ。ママさんは当時から既に高齢だったので、違う方が店を継承したのかもしれない。とすれば、泊りがけで来る価値があるかもしれない。そんなことを考えながら、勝手知ったる町を歩くのであった。(続く)、


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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雪の季節が来たる〜身体の大きな人形

2024-12-01 | 街:岩手



僕の住む地域では、今年はまだ雪らしい雪は降っていない。土曜日に岩手北上方面に日帰りで出かけたところ、山間部には若干の積雪があった。いよいよ冬到来である。写真は、そんな岩手県西和町(旧・湯田町)に立つ巨大道祖神人形である。人形の右手方向(画面左側)には大きな民家があり、背後は湯田牛乳製造元の湯田牛乳公社である。結ハウスというショップが併設され、そこで牛乳とかヨーグルトとか、スイーツなんかが販売されている。それ故、山間とはいえ結構な数の観光客が出入りする。「みるくぼーや」というソフトクリームが大人気で、お子さん連れの家族客が多い。東北の山間地らしいヌメッとした道祖神人形とのギャップが面白い。この日も小学校入学前くらいのお嬢ちゃんが「ねえママ!、なんであの人形さんのオチ◯チンは、あんなに大きいの??」と聞いていて、吹き出しそうになった。ママは「身体が大きいからよ」と平然と答え、小柄なパパは気まずそうにしていた。

X-PRO3 / XF14mm F2.8R






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盛岡編(終)~キリンシティでビールを飲む

2024-11-15 | 街:岩手





ビールは専らサッポロ派である。キリンは得意ではない。でもキリンシティで飲む場合は例外である。初めてキリンシティに行ったのは学生のときで、新宿の店舗だったと思う。真夏の昼間であり、茹だるように暑い日だった。キンキンに冷えたビールで喉を潤そうと目の前にあった店に入った。それが初めてのキリンシティ体験だった。実はキリンシティのビールは、あまり冷たくない。銘柄は覚えていないが、ほぼ常温の生温いビールが出てきた。なんだこれは?。さっさと飲んで次の店に行こうと思った。ところが何故かこれが旨い。冷たさで胡麻化さず、ビール本来の味と香りが拡がる。マシュマロのように弾力のある泡にも魅了された。気づけば腰が立たなくなるほど飲んでしまった。

その後、社会人になってからは銀座の店にもよく行った。当時はトーマス・マンの「魔の山」にハマっていて、例のサナトリウムで朝食に生温い黒ビールが出てくる。滋養強壮的なドリンクだったようだ。ハンスがそれを飲む描写が好きで、僕も黒ビールが好きになった。キリンシティ銀座店では黒ビールばかり飲んでいた。そこから暫くのブランクがある。転職で京都に住むようになって、三度(みたび)キリンシティに巡り合う。なんか以前ほど生温くないけど、旨さは変わらなかった。京都店に最初に行ったのも昼間で、やはり腰が立たなくなり、進歩しないものだなと思った。最後にキリンシティに行ってから20年以上が経過した。何だか嘘みたいだと思う。泡萎み、泡消えゆく麦酒かな。麒麟のことも夢のまた夢。

さて、今回の盛岡出張を鉄道で行ったのには訳がある。JR盛岡駅内にキリンシティ盛岡店があるのだ。東北では仙台と盛岡にしかキリンシティはない。帰宅する日、ここで早めのランチ(というの名の一人宴会)を取るのである。実に20年振りのキリンシティである。感慨深い。この「泡」はテイクアウトで持ち帰りたいくらいだった。そして、これだけ能書きを垂れたのにも関わらず、家に戻ればサッポロのビールを飲むのである。

GRⅢ






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盛岡町歩き~軽さは正義

2024-11-14 | 街:岩手











盛岡の夜が明けた。翌朝、僕はホテルをチェックアウトし、荷物を駅のコインロッカーに預けると、小さなカメラだけを持って街に出た。コンデジ一つだけを持って旅に出れば、どれだけ身軽だろう。そう思いつつも、なかなかその勇気は出ない。帰宅までの限られた時間、こうやって身軽なまま町を歩くと、とても気持ち良い。スポーツカーに例えるようだけど、「軽さは正義」。そう実感した。軽快かつ航続距離が飛躍的に向上する。そして狭い路地裏に侵入していく。さあ、最後にあそこに行ってから、新幹線に乗ろう。あそことはどこか。それは次回、盛岡編最終回にて。


GRⅢ

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盛岡アフターダーク

2024-11-13 | 街:岩手











これも何度も書いていることだが、僕は盛岡という街が好きだ。街の規模だとか、雰囲気が本当にしっくり来る。都会すぎず、田舎過ぎず、広過ぎず、狭過ぎず。そして歩いて色々なところを廻れるところも良い。仕事の出張があったことを幸いに、盛岡に一泊して写真を撮った。それが今回の記事であり、主に夕刻から夜に至る時間帯のものである。通常は繁華街のど真ん中に宿を取る。それはそれで十分楽しいけど、結局は繁華街で飲みすぎて撃沈するのが習わしだ。今回は繁華街から少し離れたところに泊まったので、昼にしか来たことのない街角の夜の様子も見ることが出来た。

また、これまでになかった新たなことは、街中で同業者を頻繁に見かけるようになったことである。同業者というのは、僕と同じように街の写真を撮る人たちだ。大抵、僕が行く街では僕以外に写真を撮る人を見かけない。見かけるのは観光スポットや名所旧跡くらいで、街中で写真を撮る人は極めて少ない。自撮りくらなものだ。以前は盛岡も同様だった。ところが今回は写真を撮る人が多かった。その多くは外国人観光客であり、その好奇心旺盛な姿には感銘を受けた。何人かは僕の後を付けてきて、嬉しそうに同じ写真を撮っていた。そんなものを撮ってどうするのか、僕が言うのも変なので放っておいた(笑)。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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秋吉敏子ジャズミュージアムに行った

2024-11-12 | 街:岩手











業務上の出張で盛岡市に行き、そのまま一泊して来た。宿泊したホテルは、盛岡バスセンター近くだった。以前の「旧・盛岡バスセンター」の昭和的佇まいが大好きだったが、建て替えになってからは一度も内に入ったことがない。様々な店舗も入居し賑わっていると聞き、いつかは行かきゃと思っていた。そこには「秋吉(穐吉)敏子ミュージアム」なる展示スペースがあると聞き、この機会に行ってみたわけだ。ミュージアムは入場無料であり、実施的に「Cafe Bar West 38」というカフェに併設されていた。このカフェはジャズ喫茶「開運橋のジョニー」のマスターが運営しているとのことで、期待も膨らむ。

要約すれば秋吉敏子さんの熱狂的なファンにとっては垂涎の施設だと思う。でも秋吉敏子さんを尊敬する人は多くいても、熱狂的なファンの存在は余り聞かない。安心して下さい。普通のジャズファンが行っても損はない施設だから。何回も行くかといえば、正直微妙だけど・・・。カフェバーでは週末などを中心にライブなども開催されている。通常は薄くBGMでジャズが流れる程度の普通のカフェバーである。ミュージアムを見せて頂いたお布施にビールとソーセージを注文した。感じの良い店員さんで、気楽に過ごせそうな空間だった。ビールのグラスにも気を使っている。でもソーセージは少し残念だった。ライブ感のない業務用ソーセージを温めただけのもので、しかもすぐに冷めてしまう。うーん正直フードは・・・・。ジャズカリーなるオリジナルカレーは美味しいそうだが、今回は辞めておいた。ここは若いカップルや女子会などが、クリームソーダなんかを飲むのに向いているようだ。オジサンは黙って「開運橋のジョニー」の方に行く方が良いかもしれない。それでも街中にこういう施設ができるのは良いことであり、盛岡はやはり良いなあと思った次第だった。参考までに昭和匂漂う「旧・盛岡バスセンター」の過去記事リンクを貼っておく。


iPhone 15PRO
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街のラーメン屋にドラマチックな光差す

2024-11-11 | 街:岩手


特にエピソードがあるわけでもなく、そこに至る何らかのストーリーもない。ただ単に町中のラーメン屋さんに、無駄にドラマチックな光が差していた。それだけです。

GRⅢ



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