No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

マジックアワーの海にて

2024-10-27 | 


最近、ブログにAi関連の記事を載せた。ひとつは熱海のジャズ喫茶で隣に座ったオジサンを女性に差し替えたし、もうひとつは拙い作詞にAiで曲をつけた。凄いなあと思いつつ、それは本物ではないことも理解している。でも理解しない人もいるだろうし、その比率はどんどん高まっていくだろう。僕自身もその線引が揺らいでいくだろう。

実は写真の世界にもAiはガッツリ入ってきている。広告業界などでは当たり前のツールだし、個人用途でも簡単に使うことができる。我々は古くから、自分の見た世界をどうやって伝えるかに苦心してきた。長くなるので具体的な説明は割愛するが、それは多くの場合、撮影段階の技術で対応してきた。デジタルになると後処理の可能性が格段に向上したが、それでも撮影段階が重要なことに変わりはない。ところが今では削除したいアイテムを簡単に削除したり、朝の空を夕焼に変えたり、そこに存在しなかった何かを勝手に付加したり、大抵のことが出来るようになった。実用という意味ではそれが進むべき道だとは思う。iPhoneのカメラ写真なんて、もはや現実のコピーとはいえないくらいの補正がされているし、その恩恵を我々は享受している。

また長々と内容のない話を書いてしまった。結論に入ろう(前段は要らなかった?)。どれだけ時代が変わり、技術が進歩しようと、眼の前にある現実の光景は何も変わらない。千年前のマジックアワーの海と、現代のそれは本質的に何も変わらない。僕はそのままを見たいのだ。ただ無意味に人工的に綺麗な色に染めた光景。それは悪魔のうまみ調味料のようなもので、美しさに対する我々の感覚にインフレをもたらすと思う。自ら戒めよう。

X-PRO3 /  XF16-80mmF4 R OIS WR
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冬の海を思い出した

2024-10-23 | 

先日、荒れた天候の際に見た海の写真である。海がこんな感じになったのであれば、もう冬は近い。去ってしまうときには未練を感じる冬も、これから来るとなると気が重くなる。それは僕が北国の男になりきれていないからだと思う。毎日毎日続くグレーの世界。やはり他所から東北に来た人間は、DNAレベルでそれに耐えるメンタルを持ち合わせていないと思う。それでもやってくる冬。どうやって過ごすべきか考えている。

X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

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夏の終わりの哀しい海水浴場

2024-08-22 | 


秋田県の多くの海水浴場は、8月15日に終了するようだ。これは8月18日の光景である。つい最近まで海水浴場だった場所とは思えない。火星かどこか別の星の光景のようにも見える。いくら何でもこれはないんじゃない?。極端に加工したでのは?。そう疑う諸兄(姉)に大サービス。下にカラー版の写真も掲載した。7月下旬は秋田県は大雨に襲われ、梅雨明けは8月に入ってからとなった。まとも海で泳げた期間は一週間足らずだったと思う。東北地方の海水浴場の命は、蝉よりも短い。


X-PRO3 / XF35mm F1.4R


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海と青空とアワビ飯

2023-08-16 | 






秋田県八峰町のダイニング福八。眼の前に日本海が広がるダイニングカフェである。日本海なので、一年の大部分は陰鬱なグレーが広がることは間違いない。風雪が厳しく立っていることさえ困難な日もあるだろう。一方で、こんなに素晴らしい天候の日もある。穏やかな箱庭のような日本海。表現のしようのないブルーが支配する世界が広がっていた。iPhoneで撮っても美しい。景色だけでも十分なのに、美味しいご飯も付いてくる。

今回僕が食べたのは、「あわび飯」。石焼きビビンバのような状態でアワビの炒飯(+豚の炒飯)が炊かれている。まずはそのまま食べ、次に醤油ダレをかけて混ぜ合わせて食べる。最後にグリーンポタージュスープをかけてリゾットのようにして頂く。一度で3つの味を楽しめる豪華な「飯」だ。これが何と1500円。旨かった。海に面した窓際の特等席で頂いたので、更に旨さが倍増した。満足。次は単純に「あわび炒飯」を食べたい。もう間違いない味だと思う。

iPhone 13PRO
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哀しい海水浴場

2023-08-07 | 
日本海の海水浴場。8月初旬の午後である。人が6〜7人、水着の人は2人くらいだろうか。写真だと分かり難いが、100台以上は停められる駐車場もあるし、監視塔だって建っている。西伊豆の海水浴場を見て育った僕には、とても哀しい光景に映る。それでも、ここに海水浴場があることに意味があるのだろう。

LEICA M10 MONOCHROME / APO-LANTHAR 35mm F2 VM
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空は高く、海は青く、エアコンは故障した

2023-08-04 | 
その日、空は高く、海は青かった。真夏の盛りである。世界はとても美しかったが、残念なことにエアコンが故障した。買い換えようにも、設置工事は早くて8月の末。修理(多分絶望的)の場合も、点検見積もり作業がお盆明け。さてどうやって過ごそうか・・・。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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ハマナスが咲いていた

2023-05-28 | 



ハマナスの花である。ハマナスはバラ科の低木であり、海岸の砂地に自生している。北国の花というイメージがあり、実際に最も多く見られるのは北海道であるらしい。太平洋側であれば茨城県以北に、日本海側は島根県以北にしか自生しないので、北国にとって馴染みのある花と言える。北国では色々なものに「ハマナス」の名を付ける。列車であったり、飲食店であったり、旅館だったり・・・僕が現在いる秋田県にも当然生えている。でも生まれ育った静岡県には当然存在しなかった。だから僕にとっては馴染みのある花とは言えない。正直なところ、「ハマナス」という名前は知ってはいたものの、それが見分けられるようになったのは、つい最近のことだ。日本海の裏寂しい海岸に、ういう花が咲くのは不思議な気がする。きっと風景にアクセントを与えようと、神様が気を使ったのだろう。


GRⅢ
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ありがたさを感じない波の花

2023-01-26 | 




ここ数日は大寒波の影響をもろに受けている。現在掲載している写真は寒波前のもので、たった数日で風景は一変した。昨日は写真なんて撮れる状態ではない天候だった。

さて、寒波前に見た「波の花」である。波の花は、波打ち際で見られる自然現象の泡である。冬の日本海の風物詩であり、寒くて荒れた海で、プランクトンがシェイクされて発生するらしい。これが岩場とかで発生し、波の花が空を舞っていると、それはそれで美しい。だが、港とかに溜まる波の花を見れば、なんというか汚い洗剤の泡にしか見えないのである。

GRⅢ

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水面には夏への未練が落ちている

2022-09-25 | 
僕にとって、今年の夏はあまり良い夏ではなかった。天候的にも7月初旬に真夏のような日々が続いたが、肝心の真夏の季節は雨ばかりで肌寒い日が続いた。恐らく海水浴なんか出来る状況ではなかったと思う。9月後半の休日、夕方に海水浴場へ行ってみた。既に砂の吹き溜まりが出来ていた。海の家の建物も早晩砂に埋もれるだろう(それによって冬の風雪に耐えることが出来る)。砂浜の手前には大きな水溜まりがあり、まだ青さの残る夕方の青空を写していた。

三月に骨折した左足のギブスが外れたのは、GW直前だった。それから約5ヶ月。身体の調子がこんなにガタガタになるなんて想像していなかった。水溜りの空に飛びこんで、あの夏の始まりからやり直すことが出来れば良いのに。そう思う。

GRⅢ
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日本海ブルー

2022-07-31 | 




7月26日に北東北地方の梅雨が明けた。真夏のピークはお盆までとなる。僅か半月なかりの「夏の盛り」が訪れた。毎度毎度、気象庁の文句を言って恐縮だが、今回の梅雨明け宣言は気象庁のミスだと思う。東北南部の梅雨明けは6月29日。僕が住む秋田県は北部を除いて、梅雨明け時期は同様に6月29日だったと思う。逆に7月26日を北東北の梅雨明けとするのであれば、南東北だって同様だった筈だ。気象庁を庇うのであれば、梅雨という概念自体が、これまでのものと変わり、梅雨前線の動きも想定外のものとなってきた。戻り梅雨なんて、訳のわからない言葉も聞いた。今後は、そこも想定して欲しい。

そんな能書きは別にして、この日の海と空は真っ青だった。真夏の海と空、その色は同じ真っ青でも、太平洋側のそれとは色合いを異にしている。青は不思議な色だ。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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