そんなわけでご挨拶だけだけど、化女沼レジャーランドを見に行った。この写真は市道から標準ズームで撮った写真で、50ミリレンズでも十分撮影可能だ。詳しいことは知らないが、この土地の所有権は前オーナーから移り、今では某法人のものとなっているらしい。敷地内に不法侵入した場合、以前より厳しい対応が予想される。もう撮影許可も下りないという噂だ。敷地には立ち入らず公道上から撮影すべきかと思う。
X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
僕は伊豆で産まれ育った。伊豆には、土肥金山、大仁金山、持越鉱山など、鉱山関係の遺構が数多くあった。だから鉱山を見ると、そういう記憶が呼び起こされる。個人的なノスタルジーである。東北にも鉱山遺構は多くあるし、それらを巡ってみたい気持ちもある。だが、一部(きちんとした方も当然います)のマニアは内部に侵入し、興味本位で荒らしたり、落書きしたりしている。そんな輩と同一視されたくないし、ブログにアップすることで、その場所が新たなターゲットになる可能性もある。まあ僕が行く場所であれば、当然マニアは既に踏破済かとは思うけど、危険性が増すことは間違いない。
そんなわけで場所は伏せるが、某所にある鉱山跡は経年の劣化は激しく、巨大な工場のような建屋は薮だらけだったので近づけなかったものの、往時の規模が偲ばれる。といっても、ここに興味本位で行くのは辞めた方が良い。薮の中には得体のしれない蛇や小動物が蠢いているし、山にはクマだっているかもしれない。ここは自然に守られて、朽ちていくべき場所なのだ。
X-PRO2
秋田県五城目町と上小阿仁村の堺目にあった「滑多羅温泉・鶴乃湯」。「なめたら」温泉と読む。良い名前だ。平成20年頃まで営業していたようなので、廃業はそんなに昔の話ではない。実際建物は改装されている箇所もあり、まだまだ使えるはずだ。それでも積雪の影響で痛みが激しい。僕はこういう建物の中に侵入する趣味はないけど、この鶴の看板に惹かれた。
意匠性もコストも掛かった看板で、これだけのものを作った心意気を思うと胸が痛む。往時の姿に思いを馳せて・・・。
X-PRO2 / XF23mm F1.4R
1975年に廃止されたという庄内交通湯野浜線。鶴岡駅と湯野浜温泉を結んでいた約12kmの短い鉄道だった。僕が初詣に行く「善宝寺」にも、かつてその湯野浜線の駅があり、鉄道廃止後には善宝寺駅は、鉄道記念館となり、鉄道の歴史の語り部となった。だが、その鉄道記念館も2000年前後には入場者数の減少を原因に閉鎖となってしまった。
廃止された鉄道の記念館が廃墟となった。この構図が僕には哀しくてならない。入場料は取らないか、格安にして、もっと気軽に立ち寄れる鉄道公園とかにすれば良かったのに。何故それができなかったのか。残念でならない。
X-PRO2 / XF23mm 1.4R
松尾鉱山・緑ヶ丘アパート(鉱山住宅)群のうち、ただ一棟だけ道路沿いに建っている棟がある。一棟だけポツンと離れた箇所にあるので、違う目的の建物なのかもしれない。どういう状態なのか分からないが、建物の内部から樹の枝が伸びて、しかも紅葉している。コンクリートのような強固な建造物も、長い時間を掛ければ自然に呑み込まれていくのだなと感慨深くなる。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH
藤七温泉という秘湯に日帰り入浴に行った。ワイルドな露天風呂が有名な温泉である。ちょっと考えられないワイルドさであり、しかも混浴風呂である。風呂の写真は当然撮ることはできない。興味のある方は、「藤七温泉」で検索してみて下さい。さて、温泉に入ったあとは、そこから数キロ先にある「松尾鉱山・緑ヶ丘アパート跡」を見に行った。といっても道路上から写真を撮っただけなので、その手のマニアさんの喜ぶ写真はない。ただ巨大なアパート群を10分ほど眺めて、在りし日の生活を頭の中で想像してみる。それだけである。そして気づいたこととして、この巨大なアパート群の住民は、もしかすると前述の藤七温泉や、ふけ温泉、後生掛温泉などに行っていたのではないかということだ。秘湯はかつて、普通の温泉宿だったのかもしれない。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH
張れた日のドライブは最高の八幡平アスピーテライン。岩手と秋田を跨ぐリゾート道路である。両県の県境付近、岩手側にあるのが、松尾鉱山跡地。今でも毒性物質の中和処理が続けられている。そして、そこに残された遺構が、写真の松尾アパートである。
1枚目の写真も、2枚目の写真も道路端に車を停めて、そこから撮影した。2枚目はシチュエーションが分かるように敢えて道路端を取り入れた。この中に侵入しない限り、合法的に産業遺構を眺めることができる。盛岡を出発し、ここを通って、後生掛温泉を経由して秋田に戻ったのであった。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH
秋田県某所の国道から分岐した道で見つけたガソリンスタンド。よく考えれば、国道から分岐した道こそ、かつて(本来)の国道なのだと思う。でも、今では後からできた国道が我もの顔をして、かつて(本来)の国道は「旧道」と言われる。この旧道には通行者は殆どなく、ガソリンスタンドも営業を辞めてから久しいようだ。丁度お昼時で、近くでガソリンを運ぶタンクローリーが休んでいた。かつて、ここにも配達に来ていて、今でも休憩場所として受け継がれているのだろうか。だとすれば、少しだけ嬉しい気持ちになる。
LEICA M9 / SUMMICRON 50mm (1st RIGID)