山形県酒田市にて。写真撮りという人種は何処を歩いていても、何か面白いものはないかと探してばかりいる。それが習い性となって、例えカメラを持っていなくても良い被写体を求めてキョロキョロする。たまには落ち着いて町を歩いたり、観光に集中すれば良いのに、それが出来ないのだ。じゃあ歩いていて、これだ!というような面白いものをしょっちゅう見つけるかといえば、そんなこともない。割でいえば、完全に合わない話である。
ところが、である。全く見つけないかと問われれば、そうとも言えないのもこれまた事実である。ごく稀にではあるが、確かにすごく面白いものを見つけることもある。それも「鴨がネギを背負った」被写体。今回でいえば「麦わら帽子を被って自転車を牽く」被写体を・・・(褒め言葉です。決して馬鹿にしていません)。問題は、その確率が余りに低いため、いざ出会うと自分でも驚いてしまい、的確に対処できないことである。え?まさか?本当?と眼の前の光景を瞬時に受け止めることができない。圧倒的な反射神経でもない限り、それには心の準備が必要なのだ。つまり心の準備をキープし続けることの出来る人が一流の写真家だと思う(超一流の人は脊髄反射で写真を撮ることができる)。自分が一流になれない理由を自覚した初夏の一日だった。
X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR