最近、家の猫「銀次郎さん」は、僕の言う事を全く聞かない。「こらっ!」と叱っても、全く動じない。イタズラを辞めさせようと手を出すと、叩かれたりする。何と生意気な態度なんだと憤慨していたが、生後数ヶ月の頃の写真を見返したところ、最初から生意気な顔をしていたことが判明した。この生意気な顔でボス猫に喧嘩を売って、返す傍からピッタリとくっついて甘えていた。つまりは現在の僕に対する態度と同じだった。全くもってぶれない漢である。
猫「おい! これは誰ニャンだよ?」
僕「誰って、お前だよ」
猫「まじ?」
僕「まじ。とりあえず編集の邪魔だからどいてくれ」
新作の写真が全くないので、こんなネタ写真でお茶を濁している。お茶濁しでも、休まず掲載しようと努力するところが、これまでと異なる。
我が家の猫、銀次郎さんの大あくび。銀次郎さんの長所を挙げろと言われれば、この大あくびは欠かすことが出来ない。欠伸という行為に真っ直ぐ、かつ全身全霊を傾けて臨む姿勢。それは彼の生き方そのものを象徴している。こんなストレートな大あくびは、とても人間には出来ない。
・・・。という風に、無理筋に褒めておきましたよ。多分、眠かっただけだと思うけど。
X-PRO3 / XF56mm F1.2R WR
繁華街の猫は、僕の大好物の被写体である。ここ数年は繁華街にあまり出なくなった上に、猫の数自体も少なくなったような気がする。猫との遭遇も減っているので、千載一遇のチャンスだった。日々、僕は猫たらしになるべく努力している。何度も往復して少しづつ猫との距離を詰めてゆく。「何だよ?、」が徐々に「またか?」に変わっていく。気を許す猫もいれば、最後まで頑なの猫もいる。今回の猫たちは、やさぐれというには品があった。
X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
我が家の猫、銀次郎さん。屋根裏部屋(僕の部屋)がお気に入りで、格好の昼寝スポットになっている。特に本棚の前が好きである。でもそこは窓に面しているので、夏場は恐ろしく暑くなる。しばらくは別の場所を使っていたが、また最近ここで昼寝をするようになった。つまりは暑さが和らいだことを意味している。室内で過ごす猫にも四季がある。
どう使って良いか分からず、思い悩むフィルムシミュレーション「エテルナ」。今回のシチュエーションにはぴったりだった。
X-PRO3 / XF35mm F1.4R
レンズを試す被写体でいえば、出かけなくても家で猫を撮るという方法もある。上段は「アクロス」モードで、いつも通りである。下段は「モノクロ+グレインエフェクト(強+大)」で粒状度を強めている。どちらが良いかという問題ではなく、様々なモードを使い分けていきたいと思う。このレンズの場合、通常のモノクロモードで粒状度を強めても面白い描写になる。え?、そんなことはどうでも良いですか?。
それでは別の角度から。上段は屋根裏部屋への階段を占拠する猫。日によって寝そべる段が異なる。どういう法則性があるのかは皆目分からない。下段は冷蔵庫の上で寝る猫。冷蔵庫の上は少し熱くなっているのだけど、猫は何故かここが好きなのである。この猫の写真を13年に渡り撮り続け、撮影枚数は軽く1万枚を超える(もしかすると3万枚を超えているかもしれない)。正直どんなレンズだろうと関係ないところまで来たが、それを言ったら話が終わる。今回の結果を踏まえ、これからも撮り続けよう。
X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
iPhoneで撮った写真である。背景のボケは擬似的なもので、若干の不自然さはある。それでもスマホのカメラ性能は日進月歩であり、もはや大抵の人にとって、iPhoneさえあれば事足りる状況となった。カメラの性能だけでなく、その保存とアウトプットに関してもスマホは優秀な装置であり、人々と写真の関りはスマホ以前の時代とは大きく変わった。とはいえ世の中には「大抵の人はiPhoneで間に合うかもしれないが、自分はそれでは飽き足らない」という層が必ず存在する。僕もその層に属している。これは他の世界、例えば顆粒出汁の世界でも同じことだと思う。最近の顆粒出汁は本当に優秀で、一般的な料理あれば昆布から出汁を取らなくても十分代用できる。この分野では僕は顆粒出汁の世話になる。一方で顆粒出汁では満足できずに、必ず自分で出汁を取らないと納得できない、そういう人も必ず存在する。
そういった例は枚挙に暇がないが、キリがないので話をカメラに戻そう。時折、僕は誰かから「カメラが趣味なんですよね?」とか「カメラをやっているそうですね?」と聞かれることがある。面倒な人と思われないよう適当に答えるが、本当は「カメラをやっている」なんて変な用語は存在しないと言いたい。そもそも僕の趣味は「カメラ」ではない。「写真を撮ること」である。カメラはその為に必要な機材でしかない。本質的にはテニスとラケットの関係と同じである。・・・。
いやそれは言い過ぎだな。写真撮りの多くはカメラが大好きなのである。写真を撮ることが主目的でも、道具にも偏愛を注ぐ。それは認めよう。そこを見透かされているので、「カメラをやっている」なんて変な言葉が生まれたのだろう。
若い写真撮りのなかには、デジタルネイティブでフィルムカメラを使ったことのない人も増えている。それどころか今後は、カメラを使ったことのない人も増えてくるだろう。スマホで写真を始め、スマホでしか写真を撮ったことのない人たち。心配しなくても、「カメラが趣味」なんて言葉は消えていくのかもしれない。そんな妄想をしながら猫の写真をiPhoneで撮ったわけだが、猫にとってそんなことはどうでも良い問題みたいだった。「面倒なこと考える二ャ」と言っていた。
iPhone 15 PRO
やっと梅雨明けした秋田県。同時に本格的な暑さがやってきた。猫もエアコンの風が当たるテーブルに陣取ることが多くなった。そこで十分涼むと、今度は明かり取りの窓から陽射しが差し込む場所に移動し、わざわざ強い陽射しを浴びる。茹で上がると再びエアコンの風が当たる場所に戻る。これを延々と繰り返す。おっさんがサウナで過ごす休日みたいである。このムーブが好きなようで、辞めさせようにも言うことを聞かない。
GRⅢ
暑い日が続きます。例年のことなので、我が家の猫から暑中見舞いを申し上げます。正直なところ、秋田県の夏はまだそれほど暑くない。でも猫は御覧の通り。今回は狭い猫の額にピントを合わせてみた。「猫の額ほどの〜」といえば、狭いことを意味する言葉である。例えば「猫の額ほどの我が家の裏庭」。猫の額自体が狭いことの象徴なのに、今回のレンズはその額全体にはピントが合わない。猫の下のラグを見れば、ピントの合っている範囲が分かると思う。眼にピントを合わせれば、ヒゲはアウトフォーカスになる。写真撮りにとって極薄ピントのレンズで写真を撮る緊張感(そして喜び)は堪らないものがある。でも肝心の被写体は、暑さに弛緩して緊張感の欠片もない。暑い日もこうやって猫と遊んでいる。
追伸:昨日からの大雨で、秋田県内では由利本荘市を流れる石沢川の堤防が一部決壊するなど被害が心配されている。まあ僕のところは特に被害もありません。大雨の被害についてはピンポイントで発生するので、全国ニュースで全容を知ることは難しいと痛感した。静岡にいる僕の親からも「避難しろ」とメールが来た(笑)。テレビ報道は災害発生後でないと機能しない。それでも携帯電話やWEBサイトで細分化した気象予報や雨雲レーダーを誰もが見ることできるのだから、良い時代になった。
X-PRO3 / XF56mm F1.2R WR
我が家の猫、銀次郎さんは水を蛇口から直接飲むことが好きだ。家の中には他にも何箇所か常に水を入れた容器を用意している。この蛇口のすぐ近くにも水入れはある。どういう基準で使い分けるのかは分からないけど、蛇口の水でなければ駄目なときがある。蛇口の前に座り込んで、水が出るのをじっと待つ。この悪癖に伴い、以前に気管支に水が入ってしまい、咳が止まらなくなったことがある。それ以来、動物病院の先生から蛇口から水を飲むことは禁止された。無論そのつもりではあるが、意地でも譲らない猫の姿勢に根負けし、ついつい蛇口から水を出してしまう。途中何度かの中断を挟み、銀次郎さんはゆっくりと水を飲む。いちいち止めずに出し放しにしておけ、そう思っているようだ。猫よ、そうにもいかないのだよ。それより気管支に水が入らないようにな。
GRⅢ