No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

三沢に犬を探しに行こう(終)~蔦温泉、アントニオ猪木家の墓、そしてフィナーレ

2024-11-10 | 街:青森










「三沢に犬を探しに行く」と言って三沢に来た。初日こそ寺山修司記念館と三沢の繁華街を歩いた。でもそれ以外は、三沢市の外で過ごしている。二日目(最終日)も、まず向かったのは七戸町。もうこのまま帰ろうかと思い始めた。そんな時、ふと頭に浮かんだのは「蔦沼」である。朝日が当たり真っ赤に輝く、あの絶景の沼である(存じない方は是非一度ネット検索して下さい)。もちろん日の出はとっくに過ぎているので、あんな絶景は望めないだろう。でも季節は紅葉真っ盛り、そこそこ綺麗な沼を見ることは出来るかもしれない。距離的にも近く、30分も掛からずに到達できる。この時期にこの場所にいる。その幸運を逃すわけにはいかない。クルマで来ることになったのは、この為ではないか。そう思い始めた。仮に沼が残念な状態でも、蔦温泉に入浴するだけでも価値がある。更に言えば、あそこには「アントニオ猪木家の墓」もある。もはや犬のことなんて頭の片隅にもなかった。全く無関係のフィナーレを思い描く。

そういう経緯で訪れた蔦沼(蔦温泉)。結論から言うと、蔦沼は朝日が当たらないと単なる普通の沼だった(写真も掲載しません)。まあ見ることが出来ただけで良しとしよう。途中の遊歩道は紅葉で美しかった。その後に入った蔦温泉は、気持ち良くて最高だった。やはりいつか泊まりたいと思いを新たにした。それなりに満足し、最後にアントニオ猪木家の墓を拝んで帰ろうと思った。本来の猪木家のお墓は横浜市にあり、猪木寛治はそこで眠る。蔦温泉にあるアントニオ猪木家の墓は、先に死別した最後の妻と共同で入るためアントニオ猪木自身が生前に造ったお墓である。猪木さんは蔦温泉をこよなく愛していた。「道」と大きく描かれたお墓だった。卒塔婆の代わりに闘魂タオルが巻き付けられていることに感動する。墓前で手を合わせ、神妙に拝む。これで旅は終わった。さあ帰ろう。・・・。ん?脇に一際小さな墓石がある。なんだろうこれ?。・・・・。え?。何ということだ。愛犬ファアの墓とある。これは猪木夫妻の愛犬の墓ではないか。猪木さんの犬といえば、何となくドーベルマンとかピットブルではないかと思えるが、どうもチワワのようである。犬種は問題ではない。三沢に犬を探す旅に出て、最後の最後に見つけたのは、アントニオ猪木さんの愛犬のお墓だった。終わり。

※狙ったオチではありません。本当に偶然です。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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三沢に犬を探しに行こう⑤~脱線

2024-11-08 | 街:青森












「三沢に犬を探しに行く旅」、二日目(最終日)の朝が来た。撤収を意識しながら移動する日になる。話は変わる。岩手・青森には、名前に「戸」と数字が組み合わされた町がある。一戸から九戸まで(四戸は現在は欠番)、これに十和田を含めれば10の町があり、これがユダヤの失われた十氏族と関係がある。そんな「月刊ムー」のようなネタがあり、僕はそういうものに興味を持ってしまう悪癖がある。残る未踏の町は五戸で、その五戸もそう遠くない場所にある。もっといえば、以前に行ったことのある「キリストの墓」にだって行くことはできる。正直、行きたかった。でもそれでは脱線にも程がある。妥協案として、以前に行って気に入っている七戸の町を歩くことにした。これも脱線には違いないが、とにかく良い町だ。クルマで十分くらいの距離、やはりクルマで来たから自由度が増した。その代わり、ランチにビールを飲むことは出来ない。

七戸では、酒蔵通りに絞って歩いた。何度来ても痺れる通りである。脚を伸ばせば町並みも拡がっているし、さらには南部縦貫鉄道の駅跡も残っている。見所満載ではないか。本来であれば、半日は歩くことのできる町である。それでも、これはあくまで脱線。犬は見つからなかったし、旅の落とし所を決めなければならない。ブログ的にも次が最終回。さあ・・・・。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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三沢に犬を探しに行こう④〜町の陽が暮れる

2024-11-07 | 街:青森









旧・上北町から更に北上し、東北町(元々の旧・東北町)まで来た。ここは野辺地の南側に位置し、野辺地駅までは鉄道で行けば2駅10分ほどの距離である。むつ市からの帰路に野辺地に立ち寄ったことがある。是非、東北町(乙供駅)までと思ったが、時間の関係で泣く泣く諦めた。やっと念願叶って来ることが出来た。時間は夕刻の一歩手前。この後は、近くの温泉銭湯に宿を取ることになっていた(掲載しません)。

時間帯のせいもあるけど、じわじわと来る町だった。寂しさが胸に染み入り、優しい気持ちにさせてくれた。「からすと一緒に帰りましょう」と頭の中でメロディーが鳴った。そんな町は中々ない。厳冬期の姿も見てみたい。犬は見つからなかったものの、道路を横断する猫を見た。猫たらしの僕でさえ呼び込むことが出来ないほど、警戒心の強い猫だった。旅の一日目が終わった。この時点で翌日はノープラン。帰宅までの短い時間をどう過ごそうか、考えなければと思うのであった。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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三沢に犬を探しに行こう③~縄張りを拡げる

2024-11-06 | 街:青森









三沢市といえば、米軍と自衛隊の基地があり、民間航空も含め多くの航空機が往来する。イメージとしては大きな(面積の広い)ところだと思っていた。実際には、その面積は約120k㎡であり、青森県の中では最も小さい(狭い)市である。西側には東北町が隣接していて、その面積は約326k㎡と三沢市の2.5倍以上となっている。同じく北側には六ケ所村が隣接しており、面積は約253k㎡と三沢市の2倍以上である。そして今回の写真は東北町のものである。クルマで走る限り、三沢と東北町では景観的な変化は殆どない。上空の米軍機から見れば誤差の範囲だろう。

それでも外部の我々からすれば三沢市は何となくイメージできても、東北町は想像し難い。僕も以前から気になっていた。そんなわけで東北町にお邪魔したたわけだ。現在の東北町は、元々の東北町と上北町が合併して出来た町である。今回の写真は、東北町の中の旧・上北町となる。犬が縄張りを拡張するように、僕は三沢からここに来た。続く。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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三沢に犬を探しに行こう②〜犬の記憶

2024-11-05 | 街:青森















三沢へは十和田湖、おいらせ渓流を経由して向かった。丁度紅葉が真っ盛りで、とても美しかった。多くの人が紅葉目当てで集まっていた。その美しい光景を他所に、脇目も振らず三沢に向かう自分が可笑しかった。まずは寺山修司記念館。次いで三沢の繁華街。一般的に秋の行楽シーズンに向かう先ではない。そんなことは関係なく、僕は三沢の繁華街にクルマを停め、街中に繰り出した。犬を探しに来たと言いつつ、まるで自分自身が犬でになったような気分だ。嗅覚を頼りに一直線に三沢に来た。そしてまた嗅覚を頼りに、以前に歩いた街を歩く。マーキングした場所は鼻が覚えている。

今回、三沢に泊まり、この繁華街の夜の姿を見るべきかどうか迷った。結局は青森の地場温泉(宿泊できる温泉銭湯)に泊まることにした。見ない方が良い気がしたのである。これも普通、夜の繁華街の姿は見て、昼の繁華街は見ないようにするのが一般的かもしれない。犬はへそ曲がりなのである。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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三沢に犬を探しに行こう①〜寺山修司記念館に行った

2024-11-04 | 街:青森











今回の青森行きは、三沢市に犬を探しに行くことがメイン目的である。本当は鉄道で行きたかったけど、実用上の問題でクルマでの移動となった。最初に結論を書くと、本物の野犬なんて見つからないことは分かっていた。心の内なる犬、象徴としての犬を探しに行くのである。それがどんな犬なのかは分からない。
さて、三沢に着いて最初に行ったのは「寺山修司記念館」である。これが二回目の訪問となる。前回は2016年8月に来ている。そのときは森山大道のトークショーが開催された。もう8年も前のことになるのか。森山大道は寺山修司と一緒に幾つかの仕事をし、両者は強烈な引力同士が引き合うように強いシンパシーで結ばれていた。森山大道を寺山修司に紹介したのは、あの中平卓馬である。三沢市は寺山修司の出身地であり、その三沢市で森山大道が撮ったのが、あの「犬」の写真である。濃すぎて鼻血が出そうである。浅川マキのことも語ろうと思ったが、胃もたれしそうなので辞めておく。

さて、寺山修司記念館だけど、これは写実的かつガイドブック的に紹介しても仕方ないので、写真から想像して下さい。館内は写真撮影も自由にできます。死して尚、人の気持を揺さぶる寺山修司、恐るべし。

GRⅢ



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スノーキムラがある光景

2024-11-03 | 街:青森

その日、僕は青森県某所でクルマでを走らせていた。目的地となる未踏の町(旧町部)に差し掛かった時、この光景が眼に入った。一瞬の通過でもあり、それが何なのか当初は分からなかった。スキー用品などを扱っていたスポーツ用品店が廃業した跡ではないかなと思った。クルマを近くに停め、再び現地に戻る。こんなに狙ったかの如く看板の文字が落ちることがあるのだろうか。それは「スノーキムラ」ではなく、「スーパーキムラ」の跡地だった。傾いた陽の光が、金色のスノーキムラを鈍く光らせていた。よく「HONDA」のバイク屋さんが、「ONDA」とか「HO DA」になっているのは見る。「パチンコ」が「チンコ」になっていることもある。でも「スーパー」が「スノー」になるとは想像もしなかった。ここがハイライト(笑)の青森方面の遠足、明日から掲載します。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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青空の下に大鰐温泉

2024-10-14 | 街:青森










青森県の大鰐温泉。大鰐温泉には2~3回泊まったこともある。でも多くは弘前方面へ出かけた際の帰り道に立ち寄ることが多い。クルマで行くにしても、鉄道で行くにしても、秋田から弘前とか青森方面に行くのであれば必ず通過する場所だからだ。温泉街だけに限らず、日常生活の町並みも魅力的で、いくら歩いていて飽きない町である。今回立ち寄ったのは久しぶりのことだった。

イメージなので実際は違うかもしれないが、大鰐温泉を歩くときは、曇りの日、雨の日、雪の日が多い。それが似合っている町並みだと思う。からっと晴れた日に歩くことは滅多にない。一般的には秋晴れの休日には大鰐温泉を歩くよりも、別のことをした方が良い。でも今回は秋晴れだった。予想に反し、青空の下の大鰐温泉も悪くなかった。この微妙な違和感は表現が難しい。バリバリの演歌歌手がジャズやロックのスタンダートナンバーを歌う。普段の節回しからは想像できないグルーブ感があったとか。あるいはスパイスの効いたアメリカ南部料理に日本酒がぴったりだったとか。要はマッチングの意外性が、感動の度合いを高めるのである。それはそれで悪くないが、陰鬱な空の下の大鰐温泉を歩きたくなったの事実である。

X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical
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弘前アフターダーク

2024-10-13 | 街:青森










今回は所用があって弘前に行った。それを済ませ、スナックホテルに泊まれば目的は達成されたも同然だ。とはいえ僕は写真撮リなので、行く以上は街を歩いて写真を撮る。前週に伊豆に行っているので、体力的にも財力的にも控え目な夜の写真撮影となった。弘前という街は、夕刻に差し掛かっていく時間帯が最も魅力的だ。定点観測のように過去に撮影した古い建物を探していると、街はあっという間に暮れてゆく。今回は二次会など行かなくても、ホテルに戻れば良い。そこは前回の記事の「スナック」なのだから。そんなわけで弘前の短い夜は終わったのである。

それにしてもフィルムシミュレーション「クラシックネガ」と弘前は相性抜群だ。以前はオリジナルのプロファイルをLightroomで作成していたけど、いまはクラシックネガに頼り切りだ。

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衝撃の泊まれるスナック街〜Good Old Hotel

2024-10-11 | 街:青森







まず一枚目の写真を見て欲しい。誰がどう見ても、これはスナック街というか、スナックの入ったビルの内廊下と見えると思う。実際、少し前までは本当にそうだった。でも、今ではホテルとなっている。つまりここはホテルの廊下である。そして各スナック店舗が、そのままホテルの客室となっている。ここは青森県弘前市の「Good Old Hotel」と言い、「じゃらん」とか「楽天トラベル」などにも掲載されているれっきとしたビジネスホテルである。スナックが営業していたビルの1フロア丸々をホテルに改装してあり、廊下を歩く限りスナックそのもの。とてもホテルとは思えない。以前から気になっていたが、今回泊まる機会があったので報告する。

僕が泊まったのは、「ニューうさぎ」である。三枚目の写真、スナック時代そのままの木製ドアが、すなわち部屋への入口となる。部屋の内部はリフォームされていて、スナックの面影はない。部屋自体は清潔だけど、事務的な佇まいである。窓から外を眺めることもできない。四枚目の写真は本当は泊まりたかったけど埋まっていた「愛人」だ。部屋の内部はどこも大差はないらしく、要は外からの見た目だけの問題である。このホテルはビルの2階にある。2階には暗証番号式の扉があり、宿泊者しか入れない(宿泊者以外の見学は不可能)。最後の写真は同じビルの1階である。ほぼ同じ造りだけど、こちらは現役のスナックである(笑)。宿泊すると、このスナックからのカラオケの音が夜中まで聴こえることは記しておく。

このGood Old Hotelだが、結構な人気ホテルとなっている。連休などは予約で部屋が空いていない。僕はこういうネタが大好きだし、この異様な再現度には頭が下がる。とはいえ、ずっと継続するホテルでないことも確かだ。どうしたものかと思っていたが、色々な絡みで弘前に出かけることになり、首尾よく宿泊できた。もう満足したので、二回目は泊まりません(笑)。





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