No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

GR SPACE TOKYOに行った

2024-10-10 | 街:東京








先般の伊豆道中の帰り道、東京に立ち寄った。そして原宿にある「GR SPACE TOKYO」に行った。僕も愛用しているリコーのコンパクトカメラ「GR」についての情報発信をするギャラリーである。目的は同時開催されている「森山大道写真展」だ。僕が原宿を歩く姿など想像できないかもしれないが、実は学生時代を含めて10年近く東京で生活したことがある。最初に住んだのは代々木上原だった。駅前の粗末なアパートから原宿までは、代々木公園を突っ切る形で徒歩25~30分くらいだったと思う。お金もなかったので、よく散歩代わりに歩いたことを思い出す。まあでも、もう原宿は歩きたくないな。田舎暮らしに慣れると、こんなゴチャゴチャしたところは落ち着かない。歩きながら、早くここを脱出したいとばかり考えていた。

そんな思いまでして行った「GR SPACE TOKYO」。やはり大道先生の写真は最高だった。田舎では森山大道の写真を見るなんて不可能だ。GR SPACE TOKYOに来て、帰り道にエセ大道になってGRで写真を撮るほど格好悪いことはない。そう思ったのにも関わらず・・・。辞めよう、辞めようと思いつつ、バッグにしまったカメラを時折取り出してしまう。イキることすら出来ず、腰が引けるという最悪な結果になった。自戒の念を込めて掲載する。

GRⅢ


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神楽坂〜憧れの美しき路地(完)

2018-12-13 | 街:東京










東京の街中で写真を撮りまくりたいとは思わなくなった。当然ながら何箇所か撮りたい場所はある。でも僕が今東京に住んでいたとすれば、遠征して静岡とか群馬で写真を撮るだろう。しかし、この神楽坂の路地は別格だ。京都とか金沢あたりでないと似たような路地はないだろう。日本で最も美しい路地の一つだと思う。

これにて、いよいよ「旅関連シリーズ」は終わりである。先週末は体調不良で土曜日は一日休養した。大雪の日曜日は朝の6時半から2時間かけて家の除雪。その後、9時から集落の会合に出席。出席1分で仕事のトラブルで呼び出され出勤。夜はまた除雪とクタクタである。旅の余韻は消え去ったのである。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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東京から始まる旅が東京に戻った〜神楽坂

2018-12-12 | 街:東京







おい。今度こそ終わりじゃなかったのかよ。という疑問は最もだけど、二泊三日の最終日、その午前中に一応写真を撮っている。それは「神楽坂」だ。
東京に住んでいた当時、神楽坂は何となく敷居が高い場所に思えた。一度だけ会社の飲み会を神楽坂でやることになった。僕が幹事だった。先輩の紹介でイタ飯屋を会場に選んだ。現地まで行って店を確認しなかった僕が悪いのだが、その店は喫茶店兼ピザ屋みたいな店で、出席者から評判が悪かった。「なんで神楽坂まで来て喫茶店で飲み会なんだよ」と批判も受けた。神楽坂は益々遠い街になった。最近になって、雑誌で神楽坂の路地の写真を見た。やはり本当の神楽坂を見てみたいと思った。秋田に戻る朝、小一時間ほど散歩する時間が取れた。途中で、大学生くらいの男の子が写真を撮っているのを見つけた。「ガション」と懐かしいシャッター音が響いていた。ウェストレベルで撮影している。話しかけてみると、彼は「ゼンザブロニカ」を使っていた。「それ645?」と聞くと、「いえ6X6(ロクロク)です!」だって・・・。やはり特別な街だと思った。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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TOKYOから始まる旅〜飛行機雲とエスカレーター

2018-12-02 | 街:東京










木曜日に出張で東京に行った。諸事情あるので詳細は伏せるが、御御足を持って頂いた出張だった。木曜日は夕刻以降は自由な時間となる。二泊して土曜日の帰宅まで束の間の旅をしてきた。交通費が浮いた分、東京を起点に京都に行こうか等々、最後の最後までプランが決まらなかった。結果的には、関東圏で過ごした二泊三日だった。あれもこれもやりたいことがある一方、いざフリーハンドで予定を決めるとなると躊躇する。今後一週間ほどは、今回のツアーの写真を順次掲載したい。ほぼ時系列で行くので、どこに行ったのかは今後の掲載にて。ちなみには初回の写真だけは、最終日に東京駅周辺(大手町)で撮ったものだ。僕にとって、東京は写真を撮り歩くには厳しい街だけど、ちょっと歩いただけでこんなシーンに出会うのも事実である。東京在住時代は、丸の内とか大手手待ちで写真なんか撮ったことがないので新鮮だった。でも明日以降は別の場所に移動します。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R(今回の旅の相棒ばX-PRO2)

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And so on and so forth

2017-10-08 | 街:東京










丸一週間引っ張ったけど、東京編はこれで最後。一泊二日の短い東京の旅。初日は夕方まで講習会だったが、翌日の夕方までに4万歩近くを歩いた。今回の写真は有楽町、新橋方面での断片である。地下通路をカラーで撮ることだけは予め決めていた。その前後の眼についたイメージをモノクロでランダムに撮る。東北の田舎町でよく行う撮影手法で、流石に東京には多くの断片イメージがある。

それでも正直なところ、東京は僕にとって写真を撮って歩く場所ではないのだと思う。そもそも東京に住んでいる時は全く写真なんて撮らなかった。東京に住む前は写真を撮っていたし、東京から引っ越すと写真を再開したけど、東京時代は「写ルンです」くらいだ。いまの心境も、もういいやという感じだ。もっと場所なり目的を絞れば、撮りたいものがないわけではない。でも「東京」という括りで写真を撮りたいとは思わない。東北に順応したのかもしれない。


X-PRO2 / XF23mm F1.4R
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秘密の地下通路

2017-10-06 | 街:東京










JR有楽町駅とJR新橋駅の間を繋ぐ地下通路である。線路のガード下を通るトンネル通路だ。業務感丸出しで本当にここを通ってよいのだろうかと不安になる。これを利用すれば雨に濡れることなく、有楽町と新橋を行き来することができる。秘密基地のようであり、軍事施設のようでもあり、異界との通路のようでもある。20年振りに歩いたけど、まだ残っているのかと感動した。

X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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さらば三ノ輪橋商店街~業は消えてゆく

2017-10-05 | 街:東京
池袋でバブリーだった会社でアルバイトをしていた。しょっちゅう華やかなところに飲みに連れて行ってもらい、忘年会なんかはタクシーで横浜まで繰り出したりもした。その会社が業績の低迷から、三ノ輪橋方面(厳密には尾久)に引っ越した。そこに暫く通ったけど、会社は更に傾き倒産した。社長は今考えれば僅か30歳。嘘みたいだけど、マグロ漁船に載せられたという。池袋では楽しそうな社長の顔ばかりが浮かぶが、三ノ輪橋の時は辛そうな顔が多かった。そんな三ノ輪橋に足を踏み入れたというところまでが前回だ。 僕も歳を重ね、若い頃の恩人、知人の多くも鬼籍に入ったと思われる。東京は遠い街になってしまった。これから起こるであろうことは殆どなく、箪笥の隅にしまったような古い思い出だけが溢れてくる。これからも東京に来ること自体はあるだろうけど、三ノ輪橋はこれが最後かもしれない。さらば三ノ輪橋。恐らくこれが最後だ。人に誇れる写真ではないけれど、たまに今回撮った写真を眺めよう。そして僕は確かにその地にいたことを想うとしよう。その現実感は徐々にそして確実に薄れていくだろう。 X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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下町情緒溢れる三ノ輪橋商店街に纏わるディープな思い出

2017-10-04 | 街:東京










西ヶ原四丁目から再び都電荒川線に乗り、三ノ輪橋まで足を延ばした。この展開で予想されることといえば、南千住経由で谷中銀座に向かうことだろう。残念ながら不正解。一時期、僕は都電荒川線で尾久にアルバイトに出かけていた。その際にアルバイト先のF社長から三ノ輪橋でよく食事を御馳走になった。一時期は池袋のビルの複数フロアを占拠していたアルバイト先は、売上低迷で尾久に引っ越したのだ。今にして思えば、そのF社長はわずか30歳。BMWとポルシェとハコスカを所有し、毎晩のようにキャバクラに出陣し、此の世の春を謳歌していた。だが尾久に移ったときは、色々と大変な時期だったのだろう。下町の活気と裏腹にF社長の顔は徐々に生気を失っていった。

僕はアルバイトの責任者みたいなことをしていたのだが、ある時に給料が遅延した。F社長は「申し訳ない」と深々と頭を下げた。5日後には必ず支給する、それまでに当面の金が必要な人にはポケットマネーから仮払いすると僕らに言ってきた。手を挙げたのは僕だけで、少し恥ずかしかった。その後も似たようなことがあったが、アルバイトの給料は何よりも優先して確保してくれた。それから一年と持たず、会社は倒産した。嘘みたいな話だけど、F社長はマグロ漁船に乗せられたという。そんなヤクザ映画みたいな話が本当にあるのか、僕は疑問に思ったが、それを教えてくれた人はそういう嘘をついたり、根拠のない話をする人ではなかった。多分、事実なのだろう。

三ノ輪橋でF社長がよくご馳走してくれたのは、鰻とか蕎麦だった。今回その店を探したが、どの店なのかは分からなかった。当時は、活気こそあるものの、様々な状況から暗いイメージもあった三ノ輪橋。四半世紀ぶりに歩けば、趣のある商店街だった。尾久とか三ノ輪橋と聞くと、「まぐろ漁船」と反射的に浮かんでしまうが、もうその因縁も断ち切った。二度と会うこともできないだろうが、奇跡が起きてF社長が今でもご存命であることを祈る。

追伸:この場所ではないけど、結局昼食は「蕎麦とマグロ丼セット」だった。



X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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我が青春の西ケ原四丁目

2017-10-04 | 街:東京

















お婆ちゃんと女子高生で一杯だった都電荒川線。西ヶ原唯一のカフェ。男女学生の部屋を仕切るのが襖だけだった下宿屋。入り浸った友人のアパート。殆ど値上げされた形跡のないラーメン屋。公園となってしまった場所。今はなき全ての西ヶ原族に捧げる。


X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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嗚呼、池袋の朝、それは数十年も繰り返されていた

2017-10-03 | 街:東京










東京で会った知人は、「なんで池袋に泊まるの? もういいんじゃない(笑)」と言う。かつて散々池袋で飲み明かした友人だ。せめて品川あたりに泊まれば良いのに、どうしても池袋に泊まってしまう。カラスが生ごみを散乱させた朝の繁華街。あちらこちらに酔客の吐瀉物が点在している。ホームレスがたむろする公園と同じ匂いが漂っている。何故か飲んだ翌日の空はいつも陰鬱で、雨も降っていないのにアスファルトは湿っている。嗚呼、池袋の朝。それは何十年も変わらない。


X-PRO2 / XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
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