オーディオ装置で音楽を聴くには、まずは音源を再生するプレーヤーが必要だ。CDプレーヤーとかレコードプレーヤーとかがそれに当たる。最近ではCDをリッピングしたり、ダウンロードした音源データを使い、PC等がプレーヤーになることもある。これをアンプで増幅し、スピーカーあるいはヘッドフォンで聞くことになる。iPod等は、オーディオ的にはヘッドフォンアンプ内臓型のプレーヤーなのだ。一般的には、このようなことは意識すせずとも、家電量販店で売っているミニコンポやPC、カーオーディオなどで気楽に音楽は聴くことができる。
ところが、である。どの道にも好きモノがいるもので、世の中にはこのオーディオに尋常ならざる情熱を傾ける人たちもがいる。レコードプレーヤーの針(カートリッジ)に何十万円も掛ける、何百万円もするスピーカーやアンプを使う、更には機器を繋げるコード、それどころか、機器の電源コードに何十万、何百万もかける輩がいるのだ。傍からみればバカとしていいようがないのだが、当の本人たちは至って真剣。僅かな音質改善のためにトンデモナイ投資をする。僕もオーディオファンではあるが、とてもそんな資本力がないので、ソコソコの投資でセコく楽しんでいるのだが、それでも普通の人からみれば十分マニアの領域にはいるのだろう。
そのなかで、今回のお題はアンプ。アンプといっても数千円のものから何千万円もするものまでピンきりではある。だが、ある程度のマニア層になると、アンプを「プリアンプ」と「パワーアンプ」とに分かれたセパレートタイプにしたがるものである。プリアンプは、プレイヤーの音を入力し音を整え増幅するアンプ。パワーアンプは、それをスピーカーに送り駆動するアンプ。ワザワザ分けなくても、通常の「プリメインアンプ」はその両方の機能を持っていて十分いい音もする。だが、機能を特化させ、音の純度を高めようとマニア層はセパレートを、ことのほか喜ぶ。バカじゃないの?と言うことなかれ。これ何かに似ているのではないか。ワザワザ、レンズとボディを別々に買う、カメラマニアさんたちと・・・。一体型でも十分な性能の機種もあるのに、レンズ交換式でないと納得できない。僅かな画質向上のために何十万円もするレンズを買う。ある程度の金額を超えると音質(画質)向上のコストパフォーマンスが極端に悪化し、単純な良し悪しではなく好みの問題になる点も同じだ。レコードプレーヤーとCDプレーヤーは、以前からフィルムカメラとデジタルカメラに例えられてきた。違いはオーディオアンプの場合、レンズと違い、マウントという概念がないので、プリアンプとパワーアンプの組み合わせは無限大であることくらいか。
写真は愛用のマッキントッシュのプリアンプ(コントロールアンプ)、C-32というモデルである。マッキントッシュというとコンピュータを連想するが、それは「Macintosh」。アンプは「Mcintosh」、全くの別会社である。ちなみに日本語では、アンプの方は「マッキン」と略されるのに対し、パソコンは「マック」と略されている。スバルの一部車種にはオプションでマッキントッシュのカーオーディオが用意されているが、中古車等では「マックオーディオ」と間違って表記されていることがある。当然ながら、正しくは「マッキンオーディオ」なのである。もっとも、スバルオプションの「マッキン」はOEM製品であり、実際はクラリオン製品らしいが。
さて、話題をC-32に戻そう。手元の資料では1977年の発売で、当時で77万円前後の希望小売価格だったようだ。現在の70万円でも高いのに、30年以上前の70万円って・・・・。つまりは高級機なのである。
「そりゃ当時は高級機だったかもしれないけど、技術進歩のペースからいって、今の時代の普及期にも及ばないでしょ」。
そう言い放った知人は、このアンプと、これまた同時代のスピーカーから出る音を聴かせると、その余りの凄さに絶句していた。要するに「濃厚」なのである。濃くて溶け落ちそうな位の音がするのである。現在の高級ピュアオーディオと比べれば勿論、物理的な特性では劣るであろう。だが、物理的な特性と聴感上の気持ち良さが比例しないのはこの世界の常識。僕の家は、CDプレーヤー以外、オーディオ製品は1980年前後の製品を使っている。聴くレコードのほとんども1970年以前のものだ。その時代のソースを当時のオーディオ機器で聴いているわけで、相性が悪かろう筈がない。それともうひとつ。田舎暮らしの特権としてどれだけ大きな音で聴いても近所から苦情がくる心配が無い。さすが、アメリカの製品である。近所なんか気にせず、ボリュームを上げると、それに比例して音も良くなっていく。間違っても、隣の部屋を気にして、ボリュームを絞って聴く機器ではない。僕も昔、都会のマンションで隣を気にしながら音楽を聴いていたことがある。それではオーディオ機器の真価は分からないのである。オーディオの口コミ評価等で、スピーカーでは音が変わるが、プレーヤーやアンプは高級機も普及機も驚くべき差はないという意見がある。それは大きな音で聴いていないからではないか。
またまた話が逸れてしまったが、C-32の中古相場は25万円前後。ただ、自己責任ではあるが、コマメに探せばオークションで半分以下で入手できる可能性もある。ボディ中央部の5つの小さなツマミはイコライザ。周波数帯域ごとに出力を調整する。これをグルグル廻して遊ぶのだ。どの段階かで落ち着くところに落ち着いて、使用頻度は減ることに間違いはないが、男心を刺激する装置だ。ベースを強く、シンバル生々しく、サックスを明るく、ボーカルを強調して、などど慣れれば自在に調整ですることができる。当初、僕はプリアンプの存在を馬鹿にしていて、プリアンプは必要悪で、音はパワーアンプで決まると考えていた。でもC-32を使うと、所謂マッキンサウンドの多くはパワーよりもプリで形成されることがよくわかる。セパレートアンプにする前は、MA6500というマッキンのプリメインアンプを使っていた。そのままでも結構良い音がした。MA6500をパワーアンプ代わりにしてプリアンプにC-32を繋ぐと、音の濃さが2倍になった。びっくりした。マッキンサウンドとはプリアンプが作り出していたのである。
ところが、である。どの道にも好きモノがいるもので、世の中にはこのオーディオに尋常ならざる情熱を傾ける人たちもがいる。レコードプレーヤーの針(カートリッジ)に何十万円も掛ける、何百万円もするスピーカーやアンプを使う、更には機器を繋げるコード、それどころか、機器の電源コードに何十万、何百万もかける輩がいるのだ。傍からみればバカとしていいようがないのだが、当の本人たちは至って真剣。僅かな音質改善のためにトンデモナイ投資をする。僕もオーディオファンではあるが、とてもそんな資本力がないので、ソコソコの投資でセコく楽しんでいるのだが、それでも普通の人からみれば十分マニアの領域にはいるのだろう。
そのなかで、今回のお題はアンプ。アンプといっても数千円のものから何千万円もするものまでピンきりではある。だが、ある程度のマニア層になると、アンプを「プリアンプ」と「パワーアンプ」とに分かれたセパレートタイプにしたがるものである。プリアンプは、プレイヤーの音を入力し音を整え増幅するアンプ。パワーアンプは、それをスピーカーに送り駆動するアンプ。ワザワザ分けなくても、通常の「プリメインアンプ」はその両方の機能を持っていて十分いい音もする。だが、機能を特化させ、音の純度を高めようとマニア層はセパレートを、ことのほか喜ぶ。バカじゃないの?と言うことなかれ。これ何かに似ているのではないか。ワザワザ、レンズとボディを別々に買う、カメラマニアさんたちと・・・。一体型でも十分な性能の機種もあるのに、レンズ交換式でないと納得できない。僅かな画質向上のために何十万円もするレンズを買う。ある程度の金額を超えると音質(画質)向上のコストパフォーマンスが極端に悪化し、単純な良し悪しではなく好みの問題になる点も同じだ。レコードプレーヤーとCDプレーヤーは、以前からフィルムカメラとデジタルカメラに例えられてきた。違いはオーディオアンプの場合、レンズと違い、マウントという概念がないので、プリアンプとパワーアンプの組み合わせは無限大であることくらいか。
写真は愛用のマッキントッシュのプリアンプ(コントロールアンプ)、C-32というモデルである。マッキントッシュというとコンピュータを連想するが、それは「Macintosh」。アンプは「Mcintosh」、全くの別会社である。ちなみに日本語では、アンプの方は「マッキン」と略されるのに対し、パソコンは「マック」と略されている。スバルの一部車種にはオプションでマッキントッシュのカーオーディオが用意されているが、中古車等では「マックオーディオ」と間違って表記されていることがある。当然ながら、正しくは「マッキンオーディオ」なのである。もっとも、スバルオプションの「マッキン」はOEM製品であり、実際はクラリオン製品らしいが。
さて、話題をC-32に戻そう。手元の資料では1977年の発売で、当時で77万円前後の希望小売価格だったようだ。現在の70万円でも高いのに、30年以上前の70万円って・・・・。つまりは高級機なのである。
「そりゃ当時は高級機だったかもしれないけど、技術進歩のペースからいって、今の時代の普及期にも及ばないでしょ」。
そう言い放った知人は、このアンプと、これまた同時代のスピーカーから出る音を聴かせると、その余りの凄さに絶句していた。要するに「濃厚」なのである。濃くて溶け落ちそうな位の音がするのである。現在の高級ピュアオーディオと比べれば勿論、物理的な特性では劣るであろう。だが、物理的な特性と聴感上の気持ち良さが比例しないのはこの世界の常識。僕の家は、CDプレーヤー以外、オーディオ製品は1980年前後の製品を使っている。聴くレコードのほとんども1970年以前のものだ。その時代のソースを当時のオーディオ機器で聴いているわけで、相性が悪かろう筈がない。それともうひとつ。田舎暮らしの特権としてどれだけ大きな音で聴いても近所から苦情がくる心配が無い。さすが、アメリカの製品である。近所なんか気にせず、ボリュームを上げると、それに比例して音も良くなっていく。間違っても、隣の部屋を気にして、ボリュームを絞って聴く機器ではない。僕も昔、都会のマンションで隣を気にしながら音楽を聴いていたことがある。それではオーディオ機器の真価は分からないのである。オーディオの口コミ評価等で、スピーカーでは音が変わるが、プレーヤーやアンプは高級機も普及機も驚くべき差はないという意見がある。それは大きな音で聴いていないからではないか。
またまた話が逸れてしまったが、C-32の中古相場は25万円前後。ただ、自己責任ではあるが、コマメに探せばオークションで半分以下で入手できる可能性もある。ボディ中央部の5つの小さなツマミはイコライザ。周波数帯域ごとに出力を調整する。これをグルグル廻して遊ぶのだ。どの段階かで落ち着くところに落ち着いて、使用頻度は減ることに間違いはないが、男心を刺激する装置だ。ベースを強く、シンバル生々しく、サックスを明るく、ボーカルを強調して、などど慣れれば自在に調整ですることができる。当初、僕はプリアンプの存在を馬鹿にしていて、プリアンプは必要悪で、音はパワーアンプで決まると考えていた。でもC-32を使うと、所謂マッキンサウンドの多くはパワーよりもプリで形成されることがよくわかる。セパレートアンプにする前は、MA6500というマッキンのプリメインアンプを使っていた。そのままでも結構良い音がした。MA6500をパワーアンプ代わりにしてプリアンプにC-32を繋ぐと、音の濃さが2倍になった。びっくりした。マッキンサウンドとはプリアンプが作り出していたのである。