写真は、当店ショップサイトのバナーで使用している写真です。
胸元から、さっと、黒檀の名刺入れが出てくる。何だか、スマートですよね。
当店の名刺入れは、黒檀を始め、桑、欅などがありますが、枚数は6、7枚を収納するのが、やっとでしょうか。
製作した匠曰くは、「社会的地位が上がってくると、人は、ここぞという時にしか、名刺は出さないものだから。」
というポリシーからだそうです。
確かに、一理あるような気がします。
名刺について、私の場合を振り返ってみました。
私が、初めて名刺を作ったのは、大学生の頃でした。
大学祭の実行委員長をやっていたので、「他の部員は持っていなくても、委員長だけは必要だから。」と言われて作りました。
確かに、イベント会社やスポンサー、他の大学のサークルとの折衝など、自分の素性を示すために名刺が必要であることが
分かりました。
社会に出て、就職すると、名刺の使い方は、どんどん活発になっていきました。
カーディーラーに就職した際は、会社から顔写真入りの名刺を1000枚入りの箱で2箱も渡されました。
「足りなかったら、すぐ用意するからな!」と所長から言われて、とにかく配ることに必死になって、営業活動をしました。
その時は、名刺入れなんて使わず、Yシャツの胸ポケットに裸で入れていました。
スマートに名刺が扱えるようになったのは、教育ソフトメーカーに就職して、役職が付いてからでしょうか。
展示会やイベントなどの後、懇親会や祝賀パーティーのご招待を受けることが多くなってきました。
そういう席では、色々な方が、私を見つけると、ご自分の胸元を探られます。
これが、名刺交換開始前のサインです。「あっ、始まるな!」と、すかさず相手よりも早く、名刺を出して名乗ります。
「恐れ入ります。」や「恐縮です。」と相手の方がおっしゃれば、こちらのほうが出すのが早かったということになります。
このタイミングで「この人は出来る。」という印象を相手に与えることができます。
そして、頂いた名刺を大事に扱うことは当然ですが、必ず、そこで何か一言、言うように私は上司から教えられました。
例えば、「御社は、弊社とわりとお近くなんですね。」とか「お洒落なお名刺ですね。」とか何でもいいそうです。
またもう一つ、頂いた日時と場所、お話した内容を簡単に名刺の裏に書いておくことも教えられました。
そうして、顔が売れていけば、名刺交換の機会もしだいに減っていきました。
名刺の代わりに「先日はお世話になりました。」とか「いつもお世話になります。」のような言葉が、相手から出てきます。
そういう人脈作りから、取引先の構築や新規市場開拓に繋がっていきました。
今は、「店主」としての名刺は持っていますが、果たして、スマートに名刺を扱えているのかなぁ?
と自問自答する日々です。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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