天然出絞(てんねんでしぼ)、磨き丸太(みがきまるた)と読みます。
何の事かと申しますと、北山杉の種類の名称になります。
北山杉は、京都府の伝統工芸品、京都市の伝統産業品として指定を受けています。
また北山杉、北山丸太は、それぞれ商標登録されています。まさに京都が誇るブランド商品として品質が保証された逸品と謂えます。
その北山杉の中でも、さらにいくつかの種類があり、それぞれに特徴のある銘木として位置づけられ、売買が行なわれています。
今回は、その中から、天然出絞と磨き丸太について、簡単にご説明したいと思います。
当店のラインナップの中から、「北山杉小物入れ付置き時計」の商品を例にとってご説明します。
向かって右側の時計部分の端をご覧下さい。北山杉の木肌であることがお分かりになるでしょうか。
写真では少々分かりにくいのですが、その面は、真っ直ぐ通直ではなく、少し波状になっています。
これは、木肌に自然と波状の凹凸が出来たもので、その凹凸のことを絞りと呼びます。
この絞りは、地質や日当たりなどの条件によって、様々の表情が表れ、特徴的なコブ状の絞りが出来たりもします。
この絞りを自然に出されたものが、天然出絞と呼ばれます。
次に向かって左側の小物入れをご覧下さい。今度は、凹凸はなく、真っ直ぐ通直な木肌ですよね。
これが、磨き丸太と呼ばれる種類で、木肌がなめらかで、光沢があるのが特徴です。
北山杉を一つとってみても、いくつかの種類に分かれています。それは、永年の育て方の研究や加工の技術により、生み出された
ものです。「さらに良いものをつくりたい。」という先人の精神が、作り出したものだと思います。
銘木工芸品は、そうした永年の努力から生み出されたものが、数多く存在します。
他の銘木の特徴についても、機会があれば、またこちらでご紹介したいと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
http://www.izukame.com