ソフトバンクが総務省をついに訴えた。総務省といえばもちろん国だ。国を相手に訴えている。今の情報通信政策はそのくらいゆがんでいるのだと自分も思っている。そのゆがんだ政策に泣き寝入りしないで行動を起こしているソフトバンク・孫社長を本当に度胸があるし、勝負しているし、素晴らしいと思う。100%応援する。
●産業の行く末を決める情報通信
孫社長が記者会見で言っていた言葉だけど、大げさでなく本当にそのくらい重要なことだと自分も思っている。Yahoo!BBでブロードバンドインターネットの価格破壊を行ったソフトバンクBBだけれども、それにより日本はBB普及率が一気に向上したのはご存じの通り。その結果様々なECやASPやストレージなどの新しいサービスが成長し、IT産業は伸びた。日本がこれからも今のような国力、経済力を保ちたいならIT産業を伸ばすしかない。それを後押ししているのは一民間企業であるソフトバンクで、国はむしろ足を引っ張るようなことばかりしている。
今、楽天とライブドアがプロ野球参入でニュースをにぎわしているけど、あの両社だって、BB普及の恩恵を大きく受けている。情報通信はそのくらい根本的な、幅広く影響を与える、大きな問題なのだ。IT業界で仕事をする人間として、IT企業のプロ野球参入などなんの興味もないが、総務省の今のやり方を正すためのソフトバンクの戦いにはたいへん関心がある。
今回ソフトバンクが訴えたのは無線通信サービスを提供するための周波数帯の割り当てについて。携帯電話は ご存じ通り一部の業者が周波数帯を独占的に使用していて、空いているところがあるにもかかわらず、総務省は新規参入者に使用させようとしない。周波数帯のような公共の財産は公共の利益のために割り当てられなければならないはずなのに、明らかに既存の事業者にだけ有利なように計らっている。公正な競争を確保する方向で業界を指導しなければいけないはずの総務省が新規参入者を妨害するの論外だ。これは訴えられて当然だと思う。
事務次官といえば企業で言えば社長、局長といえば取締役クラスに相当する。そういうポストにいた人たちがドコモやKDDIに大量に天下っているのも問題だ。アメリカならそれだけで、その人たちは訴えられる行為だろう。彼らは営業しているわけでも、技術の専門家でもなく、いったい朝から晩までその天下り先で何をしているのか。受け入れる企業側も、現職の官僚とのつながりを強化するために彼らを高額で受け入れているのは明白だ。
●そのような密室的な形で、これからの産業の行く末を決める重要な公共の財産 周波数帯の割り当てが決められることは大いに問題だ
ソフトバンクが携帯電話に参入すれば、Yahoo!BBで起きた価格破壊が携帯の世界でも起きるはずだ。それによってまた新しいサービスが生まれ、成長するはずだ。まさしく産業の行く末を決める情報通信。そのことをどこまで真剣に考えているか。ほとんどの官僚など孫社長の足下にも及ばないと思う。自分は今回の孫社長の行動を100%応援するし、志を高くもって、情報産業に発展につくしていきたいと思う。
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その理由を考えた事がありますか?
ソフトバンクの後ろ盾を考えれば答えが
出ますが、これは政治的に重要な問題です。
ちなみに。
日本のブロードバンド時代の幕開けを
切ったのはソフトバンクではなく、
東京めたりっく通信です。
ソフトバンクはADSLで一生かかっても返せない
借金を背負いました。
ですが、これは問題ありません。
それはなぜか?
ソフトバンクの後ろ盾がやらせているからです。
おっしゃっていることはよくわかりませんが、うけたまわっておきます。
「ソフトバンクの後ろ盾」というのがよくわかりませんが、なんなのでしょうか。
東京めたりっく通信と有線ブロードの2社はブロードバンドの幕開けを切った会社として自分もすごく評価しているし、敬意を表しているのですが、社会的に大きなインパクトを与えるまでにはいけなかった。
Yahoo!BBはシェアNO.1になったわけで、その努力とブロードバンド化を押し進めた功績はさらに素晴らしいと思っています。