先日、大瀬子町を通りかかったところ、
以前から描かなければと思っていた旧い倉庫付きのお宅が
取り壊しにかかっていた。
急いでアトリエに戻り、スケッチブックを携え戻った。
黒漆喰の壁と歪んだ軒、2階のサッシュは部分的に変えて
いるが、旧いお宅でずっと気になっていた。
少し前ならあちらこちらで見かけた建物かもしれないが
私には思い入れがある。
自宅から高校に通う道すがらいつも目にする辺りで、
小・中学校の学区内ゆえ同級生も多い処だ。
父親の同級生が白鳥小学校の思い出として後に描いた、
手製の地図によると、この辺りの堀川沿いは当時
魚市場がずらりと並んでいた様子が良く分かる。
現在は秋葉神社に魚市場跡の碑が立ち
当時の歴史がうかがえる。
私が高校時代もその名残でこの辺りは蒲鉾屋さんが数多く
立ち込める湯気と匂いが懐かしい。
このお宅も当時は魚問屋だと思っているが
今度、直接訊ねて確かめようと思っている。
風雪に耐えた建物、お疲れさまでしたと念じながら