自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

空飛ぶ烏天狗の製作 その六

2024-03-25 09:51:15 | 模型

烏天狗の仕上げも大詰めとなりました。

全体に水性の缶スプレーのチョコレート色を吹きつけ下地仕上げをしました。

次は、全体に赤錆色を塗ります。

使用したのは、

アクリル絵の具で、ローシェンナー、バーントシェンナー、バーントアンバーの3色を混ぜ合わせた物で、紙コップに多めの水を入れて溶きます。

絵の具の濃さは、シャバシャバになるくらいに薄めます。

このままでは焦茶色に塗装した面で弾いてしまうので、食器洗い用の中性洗剤を一滴くらい混ぜます。

そうすると表面張力がなくなり、プラスチックの様な表面でも弾かず塗ることが出来ます。

下に敷いている鉄板は海で拾ってきたドラム缶の蓋です。

いい感じに錆びているので、色見本として使っています。

錆色の絵の具を塗った直後は赤錆色がはっきりと見えて、やり過ぎたか?と思いますが、

乾いてくると、なぜか錆色が消えます。

仕方がないのでさらに塗り込みます。

何回か重ねて錆色を塗ってゆくと、やっと思う様な色合いになります。

錆色が乾燥したら今度はいつもの鉛筆の粉を擦り付けます。

HBくらいの硬さの鉛筆の芯部分を240番くらいのサンドペーパーに擦り付け、粉にします。

これを、フェルトやネルの様な柔らかい布にすくいとって軽く全体に擦り付けます。

そうすると見違えるくらい鉄の質感が出てきます。

どんな鉄感になったか、それは次回に。

続く!

 

 


空飛ぶ烏天狗の製作 その五

2024-03-24 11:13:37 | 模型

烏天狗の製作もいよいよ塗装に入ります。

スタイロフォームにウッディーねんどを盛って整形した物がこちら、

これが翼ですが、、バードカービングをされている方から見たら、こんなの違うと言われそうですが、これって妖怪の翼なのでご了承くださいと言うところです。

大きな烏天狗と同じポーズにしなければならないのでこんな感じです。

右腕は刀を持っています。

刀が細いので中にアルミの針金が入っています。

柄頭の飾りもアルミ線です。

天狗本体を支える左足の裏側です。

真ん中の指からアルミの棒が突き出ています。

足首も補強したのでもうヒビは入りません。

こちらは左足。

鳥の足というより恐竜の足の様です。

天狗本体ですが、以前に作った大きな烏天狗と同じポーズにしたいのですが、何かちょっと違うかな〜

ま〜考えていてもしょうがないので下地塗装に入ります。

翼の下地塗装です。

水性の焦茶色(チョコレート色)の缶スプレーで吹きつけ塗装です。

缶スプレーは艶あり塗料ですが、問題ありません。

この後、アクリルの絵の具の錆色を塗れば艶消しになります。

まるでチョコレートの烏天狗です。

たまたま逆光の状態で撮影したら、こんな写真になりました。

シルエットだけでも空を飛んでいる様な感じに見えます。

この焦茶色の塗装は鉄の色合いに見せるための下地です。

ここから錆色を塗り、鉄の鈍い光が出る様に表面仕上げします。

ここから一気に変わります。

続く!

 


空飛ぶ烏天狗の製作 その四

2024-03-22 23:59:21 | 模型

全身像を作ることになって、色々四苦八苦してようやく天狗本体を空中に浮かんだ様な状態に出来ました。

この様なスタンドベースを、発泡スチロールで作りました。

ここはスタイロフォームではなく、大きなブロックの発泡スチロールを使いました。

と言うのも、こちらの方で発売されているスタイロフォームは一番厚い物でも50ミリなので、こんな大きさにするには、何枚も重ねて積層しなければなりません。

たまたま手元にあった発泡スチロールの大きめのブロックがちょうど使えそうだったので発泡スチロールを使用しました。

発泡スチロールのブロックを、U字型のヒートカッターでえぐり取る様に加工して、山の様な形に整形します。

このままでは軽過ぎて、天狗本体を支えられないので、スチロール内部に大きな穴を開けて、その中に石膏を流し込み錘にします。

そして石膏が固まったら2ミリベニヤ板でフタをします。

そして、天狗をどうやって山型のベースに取り付けるか?

上の写真を見れば分かると思いますが、左足の真ん中の爪からアルミの5ミリの棒を突き出させ、その棒をスチロール製の山のてっぺんに差し込みました。

スチロールの山の穴部分には真鍮のパイプが埋め込んであり、そのパイプに天狗の足のアルミ棒を差し込んで天狗本体が浮かんでいる様に見せています。

スチロール製の山の表面にはいつものウッディーねんどを塗ってあります。

粘土を扇風機に当てて乾かします。

足から突き出したアルミ棒はL型に曲げた状態で足の裏から太もも部分まで差し込み、真ん中の爪にそわせて下方向に突き出しています。

ベースと天狗はそのアルミ棒一本だけで繋がっています。

突き出したアルミ棒は、ただ山に差し込んだだけなので取り外しも出来ます。

上の写真の通り、足の爪一本で繋がっているだけで空中に浮かんでいる様に見えるはずです。

この後、全体を鉄の古びた仕上げにします。

しかし、トラブルが起きました。

上の写真の通り、足首とももあたりににヒビが入りました。

5ミリのアルミ棒をを入れたにも関わらず、天狗の全重量のが、この部分に掛かるのでやはり無理があった様です。

これを治すにはアルミ棒を補強しないと行けません。

仕上がっている足の側面を切り開いてもう一本アルミ棒を添わせてエポキシ接着剤でしっかりと固定します。

エポキシ接着剤が硬化したらウッディーねんどを盛って形を整えます。

こうして補強をしたらヒビが入らなくなりました。

これで造形はほぼ完了しました。

この後、鉄の古びた仕上げに塗装します。

このバランスで鉄の様な物が浮かんでいたら見た人が不思議がると思い、重そうな仕上げを施します。

実際展示した時、見た人が「どうやってバランスを取っているか分からない」と言われてました。

ただ天狗が軽くてアルミ棒で支えられているだけなんですねどね。

この粘土色の天狗がどんな風に仕上がったかは、次回に。

続く!

 


空飛ぶ烏天狗の製作 その三、

2024-03-22 09:29:20 | 模型

本来作るつもりでは無かった烏天狗の全身像ですが、鳥取県の発行する冊子「かほり」の表紙に使いたいと言う要望で、急遽製作することになりました。

 

冊子の「かほり」の表表紙は

この大型の上半身だけのフィギュアでしたが、裏表紙にはこの天狗の飛んでいる全身像を!と言うことを希望されたのですが、上半身だけの物しか作ってなかったので、仕方がなく製作することにしました。

烏天狗は翼が有るので作るのがめんどくさく、上半身だけのフィギュアにしたのですが、飛んでいる姿となると、絶対に翼が必要ですね。

この翼の製作が結構めんどくさい。

コウモリの様な翼ならアルミの骨に和紙を貼り付けて表現できるのですが、鳥の羽を膨大な数重ねてできている翼はとんでもなく面倒です。

バードカービングされる方は良くやっているな〜と、いつも感心します。

ま〜愚痴っていてもしょうがないのでちまちま製作します。

翼のですが、スタイロフォームを薄く削り出してウッディーねんどを薄く塗ります。

そのウッディー粘土に羽一枚一枚のディティールを粘土ヘラで筋彫りして行きます。

この時、粘土が柔らかいと上手く彫刻できないので柔らか過ぎたらちょっと乾かして硬くしてから作業します。

この翼の微妙なカーブですが、薄く翼の形にスタイロフォームを切り出した後、手でねじ曲げてカーブを表現しています。

真っ平なスタイロフォームですが、押し潰す様に曲げてやるとかなり急なカーブでもクセを付けることが出来ます。

あまり強く曲げると割れてしまうので注意が必要ですが、慣れるとどんな形でも作ることが出来ます。

そうして形を整えたスタイロフォームの裏表に羽一枚一枚のディティールを彫刻して行きます。

そうして、天狗本体が形になったら、次はスタンドの製作です。

天狗本体を、ちょっとトリッキーな形で空中の浮かんでいる感じに仕上げたいので色々考えて、こんな形にしました。

この形状は、天狗の伝説が有る「国立公園大山」の山をイメージした物です。

ここ、鳥取県の「大山」は「伯耆富士」と呼ばれるくらいの「霊峰」で、地元の人に古くから愛されている山です。

そこから飛び立つ姿にしたくてベースを山の形にしました。

天狗の左足が真っ直ぐに伸びているポーズなのはこの山のベースに取り付けるためです。

ではどうやって取り付けるか?

それは次回に

続く!


空飛ぶ烏天狗の製作 そのニ

2024-03-21 08:58:01 | 模型

昨日からアップしている「空飛ぶ烏天狗」のフィギュア製作ですが、製作方法はいつもの「スタイロフォーム」に「ウッディーねんど」仕上げです。

烏天狗が飛行している姿を作るのでポーズが難しいので、作っては関節部分を切断してアルミ線を入れてジョイントして腕や頭等の角度を微調整します。

最終的にビスを打って完全に固定します。

ほんの少しの角度の違いで躍動感がかなり変わります。

納得が行くまでこの作業を続けます。

同時に、天狗の衣装を作って行きますが、スタイロフォームを薄くスライスした物を発泡スチロール用の接着剤で貼り合わせて着物の襟や袖を作ります。

翼はネジ4本で止められます。

形が整ったら「ウッディーねんど」を出来るだけ薄く塗り付けますが、硬い時は粘土を水に浸けてから指でしっかりと練ってやると、かなり柔らかくなります。

ペースト状になるくらい練って指で塗り付けますが、造形が必要な部分はあまり柔らかくならない様に練った方が造形しやすい様です。

柔らかくしすぎると、「泥」の様な質感までになります。

ここまで柔らかくするとヘラを通しても柔らかすぎて造形がしにくくなります。

やはり造形の粘土は、ある程度粘りや反発が無いとヘラで押さえるに形が潰れて造形しにくくなる様です。

なので、スタイロフォームに薄く塗る際は「泥」の様な状態まで柔らかくして塗り付けますが、立体的に造形する際はあまり柔らかくしない方が良い様です。

それに、この粘土、かなりネチャネチャくっ付きます。

指やヘラにかなりくっ付くので、必ず水を付けながら整形します。

指に付くと、かなりしつこく水で洗わなければならないので、ゴムの薄い手袋をして作業しています。

これは翼の部分ですが、この様な細かい整形の場合は水で柔らかくした粘土を薄く伸ばして、少し時間を置いてちょっと固まりかけた時に粘土ヘラで筋を入れて行きます。

パーツも、ある程度分割した方が粘土加工しやすいことがあるので、ヘラが入りにくかったりする時は、思い切って邪魔になるパーツを一旦カットして、粘土仕上げした後、再度接着して粘土で継ぎ目を消した方が楽に作業できます。

このフィギュアのポーズもバランスも上手くゆけば、お腹の一点で支えるだけで、ヤジロベエの様に倒れず支えられる様です。

どこかおかしなポーズになると重量のバランスもおかしくなるので、どこか修正が必要と言うことになります。

粘土を全体に塗ってもバランスよく一点で支えられる様なのでこの状態で仕上げを進めます。

この形のままスタンドに取り付け自立できる様にします。

どんな形のスタンドにするか?

それは次回に!