全身像を作ることになって、色々四苦八苦してようやく天狗本体を空中に浮かんだ様な状態に出来ました。
この様なスタンドベースを、発泡スチロールで作りました。
ここはスタイロフォームではなく、大きなブロックの発泡スチロールを使いました。
と言うのも、こちらの方で発売されているスタイロフォームは一番厚い物でも50ミリなので、こんな大きさにするには、何枚も重ねて積層しなければなりません。
たまたま手元にあった発泡スチロールの大きめのブロックがちょうど使えそうだったので発泡スチロールを使用しました。
発泡スチロールのブロックを、U字型のヒートカッターでえぐり取る様に加工して、山の様な形に整形します。
このままでは軽過ぎて、天狗本体を支えられないので、スチロール内部に大きな穴を開けて、その中に石膏を流し込み錘にします。
そして石膏が固まったら2ミリベニヤ板でフタをします。
そして、天狗をどうやって山型のベースに取り付けるか?
上の写真を見れば分かると思いますが、左足の真ん中の爪からアルミの5ミリの棒を突き出させ、その棒をスチロール製の山のてっぺんに差し込みました。
スチロールの山の穴部分には真鍮のパイプが埋め込んであり、そのパイプに天狗の足のアルミ棒を差し込んで天狗本体が浮かんでいる様に見せています。
スチロール製の山の表面にはいつものウッディーねんどを塗ってあります。
粘土を扇風機に当てて乾かします。
足から突き出したアルミ棒はL型に曲げた状態で足の裏から太もも部分まで差し込み、真ん中の爪にそわせて下方向に突き出しています。
ベースと天狗はそのアルミ棒一本だけで繋がっています。
突き出したアルミ棒は、ただ山に差し込んだだけなので取り外しも出来ます。
上の写真の通り、足の爪一本で繋がっているだけで空中に浮かんでいる様に見えるはずです。
この後、全体を鉄の古びた仕上げにします。
しかし、トラブルが起きました。
上の写真の通り、足首とももあたりににヒビが入りました。
5ミリのアルミ棒をを入れたにも関わらず、天狗の全重量のが、この部分に掛かるのでやはり無理があった様です。
これを治すにはアルミ棒を補強しないと行けません。
仕上がっている足の側面を切り開いてもう一本アルミ棒を添わせてエポキシ接着剤でしっかりと固定します。
エポキシ接着剤が硬化したらウッディーねんどを盛って形を整えます。
こうして補強をしたらヒビが入らなくなりました。
これで造形はほぼ完了しました。
この後、鉄の古びた仕上げに塗装します。
このバランスで鉄の様な物が浮かんでいたら見た人が不思議がると思い、重そうな仕上げを施します。
実際展示した時、見た人が「どうやってバランスを取っているか分からない」と言われてました。
ただ天狗が軽くてアルミ棒で支えられているだけなんですねどね。
この粘土色の天狗がどんな風に仕上がったかは、次回に。
続く!