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◇並べる棋譜を選ぶ◇
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A≫解説and文章の担当者名を確認
重要なのは、誰が解説を担当し、誰が文章を書いているか?。例えば小林覚プロによれば、
「私が解説する時には、初段以下の人が勉強になる事を意識しています」
と証言。アマ級位者が棋譜並べをされる場合には、
「(小林覚プロの様に)初段以下の人の為に解説してる」
と公言されているプロが解説担当されている棋譜を選ぶのが良さそう。
他には、「アマ級位者への指導を沢山やってきた」プロが解説している棋譜を選択するのも良さそう。
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B≫羽根直樹プロより
……オススメは、木谷道場出身の先生方の碁。
「AIや現代碁はオススメ出来ません。
一般の囲碁ファンが真似するには難し過ぎます」
「棋譜並べをするのであれば、木谷道場出身の先生方の打碁を。
木谷道場出身の先生方の棋風は多種多様。なのでその中から、ご自身の感覚に合った先生の碁を選んで勉強されるのが良いと思います」
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C≫甲田明子プロより
……オススメは高川格先生の打碁集
「坂田栄男先生の碁は、鋭い読みと天才的な感覚に裏付けされた打ち方をされています。
なので、一般の囲碁ファンの皆さんには難しいかも知れません」
「もし勉強されるなら、高川格先生の打碁集がオススメ。
『平明流』と言われた通り、高川先生の碁は、アマチュアの皆さんでも分かりやすい打ち方をされている。それでいて、現代のトッププロから見ても高度な打ち方をされています」
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D≫大熊悠人プロの証言
……学ぶ作戦を決めて勉強する。
「模様の碁を勉強したい方は『システム布石中国流(廃刊)』がオススメです。
古い本で良ければ羽根泰正先生著書がオススメです」
「自分はアマ5級に上がった時、『システム布石中国流』を読み込みましたが、それからアマ6段までずっと中国流を続けました」
※中国流布石の本について、大熊プロからの注釈。
「最近の中国流書籍は、最新形の解説書ばかりで、考え方をしっかり記述している書籍はあまりみないですね」
※三連星布石を勉強する場合には『進化する三連星』
※小林流布石を勉強する場合には『進化する布石構想』
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E≫特定のプロの碁だけを勉強する
趙治勲プロが好き人は、趙治勲プロの棋譜だけを勉強する。
高尾紳路プロが好きな人は高尾紳路プロの棋譜だけを勉強する。
好きなプロの碁を勉強する事で「勉強へのモチベーションを保ち続けられる」と言う効果もある。
それに加えて、対局中に困った時に、「○○プロなら、どう言う手を打つんだろう……?」と言う習慣が身に付く。
心理学や脳科学の世界では、これは〈共感脳〉と言うらしい。この〈共感脳〉を本能的に使っているのは、囲碁の世界では小林光一プロが、将棋の世界では渡辺明プロが行っている。
○○プロなら、どうする……?__と言う共感脳。その通りに考えても、必ず上手くいくとは限らない。
ただしそれを繰り返しているうち、教材の棋譜への理解が深まり、そのプロの考え方も少しずつ身に付き、結果として、碁の内容が洗練されていく。
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F≫本を読む以外の方法
テレビやネットの動画を見る事。私のオススメは、囲碁将棋チャンネルの『厳然棋譜解説』『思い出の一局』
こうした番組を録画して繰り返し見る事で、「プロの碁の打ち方の大まかな流れ」を把握しやすくなる。
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