五、「教会とわたしたち」(320)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
1572年11月のノックスの死後のその時代から1643~49年のウエストミンスター会議まで70年間の、スコットランド教会の歴史は、その争いは近い隣国イングランドの教会政治との葛藤であったといえる。イングランド国教会の政治の影響からスコットランドの長老主義制度をいかに守るかの争いに明け暮れたといっても過言ではない。とくにジェームス1世が両国を一つにする統治の1603年からは厳しいものになった。先に言ったようにノックスの後継者メルヴィルの投獄がすべてを物語っている。彼はその後一時海外に逃れるが、すぐ帰国し1622年世を去るまで教会とともに戦った。彼の後継者(ここまで前回)
にロバート・ブルースがいる。彼は1576年ころメルヴィルの感化を受けて教職となった人物であり、その早い時代にはカペナント派の神学の学者として知られるが、後に優柔不断なジェームスⅠ世王の庇護を受けて1580年エディンバラで教会総会議長となって活躍し、そのとき、正式に長老主義教会の憲法を確定するが、後に、同じジェームス王によってエディンバラを逐われ、1631年世を去った。これらの指導者達によってスコットランドの改革教会はその後永く存続する教会となり、スイス以外の改革教会の中では最も深く民衆の生活に根を下した安定した教会となった。(つづく)