五、「教会とわたしたち」(321)
4.近代の教会の夜明け―宗教改革―スコットランド
彼の後継者にロバート・ブルースがいる。彼は1576年ころメルヴィルの感化を受けて教職となった人物であり、その早い時代にはカペナント派の神学の学者として知られるが、後に優柔不断なジェームスⅠ世王の庇護を受けて1580年エディンバラで教会総会議長となって活躍し、そのとき、正式に長老主義教会の憲法を確定するが、後に、同じジェームス王によってエディンバラを逐われ、1631年世を去った。これらの指導者達によってスコットランドの改革教会はその後永く存続する教会となり、スイス以外の改革教会の中では最も深く民衆の生活に根を下した安定した教会となった。(ここまで前回)
その後1647年までの3年間を費やしたロンドン中心部にある、荘厳なゴシック建築のウエストミンスター・アベイ大聖堂でのウエストミンスター会議は、一つの改革派教会の信仰の柱を生み出した。「ウエストミンスター信仰の告白」である。その会議は、スコットランド教会にならう目的で、英国議会の要請によって英国教会改革のために開かれた、長老派神学者の会議であり、議員は信徒30名、教職121名からなるもので、英国国教会の代表は、オブザーバーを除いて出席者がなかった。最大の業績は、先の「信仰の告白」と、それに添えられた大・小二つの「教理問答書」である。(つづく)