標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

新幹線トラブル 安全神話は崩れるもの? リスク管理の甘さ

2017-12-18 19:11:47 | 日記

1週間前の11日に新幹線の台車の亀裂により、重大インシデントとして認定された。不名誉な認定である。「新幹線の安全神話」の崩壊だとテレビ、新聞で報道されている。そもそも安全神話とは「根拠がないのに絶対的に安全だと信じられていることがら」だ。安全性が保たれている時は使用されないが、崩れた時に使用されるという。

台車の構造・機械的な鉄道トラブルは、過去にもあったそうだ。新幹線でも、2010年に台車の中にある歯車で亀裂が生じ、車内に白煙が立ち込めたトラブルがあったそうだ。今回の車両は「点検時には異常がなかった」とのこと。これは自動車、航空機、電車などの事故後、よく聞かれるフレーズだ。だが、それでも事故は起こるということの認識を鉄道を管理するメンバー全員が抱くことが重要だと思う。

今回の事故の経過は次の通りだ。13時33分博多駅を出発。出発してから20分経たない13時50分ごろ、乗務員が「焦げた匂いがする」ということに気が付いている。それでも走行を続け、15時ごろには「もやがかかっている」と乗客から報告があり、乗務員も確認している。15時15分ごろ、岡山駅で保守担当者3名が乗車し、「うなり音」を確認したが、運行に支障がないと判断。16時ごろ、保守担当者が新大阪駅で下車、運転手と車掌が交代。16時20分ごろ、京都駅を出発後、車掌が異臭を確認。17時ごろ名古屋駅で、車両の床下で亀裂や油漏れを発見し、やっと走行不能と判断したとのこと。

名古屋に到着するまで、異臭、もや、異音が4回も確認されている。なのに3時間も走行を続け、5回目で判断した。走行不能状態になるまで引っ張ってきたことが、問題だ。個人を責めるわけではないが、新幹線を運行するJRの組織が、「安全神話」を信じてきたことが今回の重大なトラブルに至ったと言える。

ある新聞は「新幹線 安全神話に亀裂」とある。これを執筆した記者は、亀裂で済んだので、「神話が崩れた」とまではいかないという、パロディとして表題をつけたのだろう。人命にかかわる事故に至らなかったことは、幸いであった。

都市部の私鉄、JRはリスクについてはその回避に気を配っていると思われる。毎日のように、比較的小さなトラブルで、運行停止が行われている。相互乗り入れをしている他社の路線の運行もストップする。これは利用者にとっては、迷惑なことだが、リスクの回避・安全の確保にとっては、必要なことだ。私も現役時代には、乗り換えも含め、2時間弱の電車通勤をしていた。運行停止の機会に遭遇したものだった。私が利用している電車、次の日は同じ会社の別な路線、その翌日はJRが止まった。あすはどの路線が止まるのだろうかと思ったものだ。安全の確保のためには仕方ないとあきらめていたのを思い出す。

今回の新幹線のトラブルにおけるJRの対応は、異常をとらえながらも「大丈夫だろう」という「安全神話」を、複数のJR社員が、漠然と信じていたことにあるように思う。
わが国だけでないのかもしれないが、特にわが国のリスク管理の甘さが、また、露呈したといえる。

例えが適切でないかもしれないが、畑や庭の雑草処理でも、雑草が地面に這いつくばってからは、その除去に苦労する。小さなうちから除去するときれいな、畑・庭になる。
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1 コメント

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Unknown (芳枝)
2017-12-18 22:10:25
某テーマパークで働いていた頃、とにかく1番大事で1番初めに教わったのが、
『安全』でした。

危ないものを見て、危ないと感じる事。
勿論、聴いたり嗅いだりなど、五感を通してですが、とにかく危ないと感じる事がとても重要だと教わりました。

本当にその通りだと思います。

通路に水が溢れていた。これに気付き、
あ、水だ。と思うだけと、
あ、水だ。誰か滑ったら危ない。と思う。(その後の行動は別として)

この後者になるのが実はなかなか難しい事で、普段から目配り気配りする癖がないと難しいと。

確かに身に付いていないと、いざという時に身体は動いてくれないですもんね。


テーマパークは安全からはじまる優先順序が徹底されていました。
私はここで3年間働きましたが、最後の1年は働いていたレストランのトレーナーの育成やマニュアルの作成をしていました。色々な問題、意見、提案が出ても、この優先順序を踏まえて考えると自ずと答えがでたものです。
とにもかくにも安全第一でした。
なにもかもの土台でした。


今回のブログの内容とは路線がズレて(?)しまいましたが、安全関連でふと思い出したので、、、。
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