もうすぐチャイニーズニューイヤー

　冷たい風が吹き、寒い日となりました。冬服は、全部片付けるつもりでしたが、まだ早いようです。
　劇場に入ると、ドラゴン。チャイニーズニューイヤーの飾り付けのために直しているところでした。
　アーチャーズデン、ヤナンの久しぶりのソロでしたが、曲の一部が何度も繰り返されて、どんなにやり難かったことかと思いました。
　ふくらはぎの痛みと空腹のために、いつもより全体の動きが五センチぐらい小さい気がしました。でも、これが今日の精一杯。そして、五年前に今日の演技をしたらどう感じるのだろうと思いました。
「あれ、今日は走らないの？」
　階段を駆け上がっていないのを見たフィジオのフランク。
「走り方が低かったわね。」
　ミランダにも観察されていました。きっとフランクと話をしたのだろうと、正直にふくらはぎの調子を伝えました。
「そこは、身体全体が温まっているということも大事なのよ。」
　それから、思い出しました。ふくらはぎを再び痛めた日、アーチャーズデンでフルートがアーティストと共に落ちてしまい、舞台上で受け取れなかったフルートを受け取るのに時間が掛かり、舞台裏でいつも遠回りをしているところを最短距離で行かなければなりませんでした。身体の温まり具合が、通常に比べ足りなかったのかもしれません。
　お腹が空くことに慣れたようで、気が狂ったように食べずに済みました。