のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

シェリー、双子の女の子でデビュー

2007-05-31 | KA
 双子の女の子役が出来るアーティストは3人います。3番目のマリナは本当の代役。ジェニファーが普段はメインで、エリカは週一回メインをします。この役は毎回2人必要なので2人とも毎日ショーには出ています。ところが、マリナは今週まで休暇を延長していて今ロシアにいるのに、エリカも3日間休みを取ることになりました。ジェニファーしか双子の女の子ができるアーティストが残らないということです。この緊急事態を凌ぐのに起用されたアーティストは、普段双子の男の子役をしているシェリー。シェリーしか双子の女の子の衣装を着られる大きさのアーティストがいなかったのです。
 さて、今日は双子の男の子が代役の日。双子の男の子は一人いればできます。シェリーは双子の男の子役を全くしなくていい日なので、双子の女の子の化粧をして、楽しそうに必要な一場面だけに出ていました。明日からはシェリーがメインの日となるので、本人の希望により、そのシーンを終えるとすぐに双子の男の子の衣装に着替えて、影絵から本来の役をするそうです。

 ・・・ちょっとややこしい話でした・・・ 

いい状態、いい気持ち

2007-05-30 | KA
 昨日は週頭であったのにいい緊張具合でした。今日も程好い感じで、いつもこういう状態であって欲しいと思ったものです。
 実はこの“いい状態”は頂いているものです。今週は日本人がたくさん集まるコンベンションが行われているそうで、KAにもたくさんの日本の方がいらしてくださっています。たくさんの方に見守っていただいて、私はふわっと舞うことが出来ました。

 ショーが終わってから、バトンをしている子を含めた数名の方にバックステージをご案内しました。一回のショーをいろいろなことを感じながらご覧頂いたことが良くわかり、バックステージも大変興味を持ってご覧いただきました。気持ちのいい方々に、もう一度いい気持ちをいただきました。

私の国、あなたの国

2007-05-29 | 日記
 「日本人良くやったね。彼女はとってもきれいだったよ。おめでとう。」と言われました。幸い出かけ際にニュースを見たので、それがミス・ユニバースのことだとすぐに分かりました。「私は彼女の映像を観ていないのだけど、日本人が優勝したのは48年ぶりだそうです。」と言うとビックリして「それは本当におめでとう。」と言われました。「おめでとう。」か…。
 その後も何人もの人に彼女の優勝のことを言われ、その度に「おめでとう。」と祝福していただきました。そして私はその度に「おめでとう。」という言葉に反応していました。
 日本人として日本人が優勝したことに誇りをもっていても、私に「おめでとう。」と言われるのはなんとなく不思議な感じでした。もしもブラジル人が優勝していたら、私はブラジル人の友達に「ブラジルの人が優勝したね。美しさに魅了されて彼女が絶対に優勝すると思ったわ。」などとは言っても、きっと「おめでとう。」という言葉を言う感覚はなかっただろうと思ったのです。これがサッカーや野球などのチームスポーツの優勝だとしたら間違いなく「おめでとう。」と言ったことでしょう。それだけ私の中には自分の国、あなたの国という意識が薄いと思ったのです。
 「おめでとう。」と言われる度に、自分が同じ日本人であることを誇りに思い、自分が何をしたわけでもないのに、幸せな気持ちになりました。人に幸せを運ぶこと、またひとつ学びました。

マジョの家

2007-05-28 | 日記
 KAからミスティアのアーティストに駆り出されているマジョがブランチに招待してくれました。マジョの家に行くのは初めてです。
 「私一人には大きすぎるのだけど…。」と彼女が言うとおり、3部屋と広いリビングルームの大きな家でした。床を木に張替えて、壁を部屋ごとに色を出して塗り替えている途中。もともと芸術的な彼女の部屋作りは、そのセンスが家全体に渡り、ありとあらゆるところがアートになっています。彼女の部屋のバスルームには天井一面にバラのドライフラワーが下がっていて見事でした。それぞれの部屋に飾ってある写真や絵の数をはじめ、置いてあるもの、飾ってあるものがたくさんあって、観るものに困りません。割れた食器までもが上手に飾られています。まるで現代美術館にいるかのようでした。
 ベジタリアンをやめて健康になったという彼女は、ますますいろいろなことに積極的になっているようです。今日ミスティアはショーがあります。それでも私達を楽しませる機会をつくってくれました。ありがとう、マジョ。

ライザミネリ・ジプシーパフォーマンス

2007-05-27 | 日記
 ライザミネリさんが再びラスベガスを訪れて、ショーの関係者のために再びショーをしてくださいました。彼女がここでの最終日のショーを終え、一息ついてから、夜中の12時半からのショーです。
 今回はVIP席と言いましょうか、客席の中央前方が特別なショー関係者のために仕切られていて、そこには“有名”な方々が次々とやってきました。ライザミネリさんのそっくりさんもいらして、一瞬会場がざわざわしたのがおかしかったです。
 舞台にご本人が登場すると総立ちで拍手、そして私は彼女が歌い出した途端に彼女の思いを感じ、ありがたく、また涙ぐみました。
 今回は歌だけでなく、後半は男性4名と歌って踊るショーになっていて、益々エネルギッシュな彼女に驚きました。あのエネルギーはどこから出てくるのでしょう。そしてたっぷり2時間半、私達を楽しませてくださいました。
 彼女の魅力に吸い込まれ、エンターテイナーの素晴らしいエネルギーをいっぱい頂き、満ち満ちて、晴れやかに、心豊かに会場を後にしました。

ラスベガスの異国

2007-05-26 | 日記
 今日は第一回目のオープンハウス。普段のバックステージツアーではゲストにご覧いただけないところまでご覧いただけるという、画期的な機会を作ってくださいました。注目する所に番号をつけ、その番号に沿って説明書が製作されていて、案内役である私達社員が説明できるようになっていました。順路も床に矢印で示されていて、広い劇場を迷わずに進めるようになっています。私も知らないことを知ることができ、とても楽しい機会でした。こういうことをするにはいろいろな準備が必要です。普段の仕事以上のことをしてくださった皆様に感謝します。

 オープンハウスに招待した私の友達を待つのに、KAのお土産屋さんに行ってみました。新しいものがいくつか出ていました。そして、私の顔のついたTシャツが赤札になっているのを発見。ついに製造中止のようです。以前、私のキャラクターのついた子供用のタンクトップも売られていました。それはすぐに製造されなくなったようで買いそびれてしまいました。今度はなくなる前にお店に行かないと。

 ショーが終わってから、タイレストランに誘われました。初めてのところ。今日はホリデーのあるの週末であり、MGMではボクシングか何かの試合があったので、町はとても混んでいました。自転車を友人のジープに乗せて出発。ストリップからは少し離れたところにようやく着きました。
 お店もものすごい混雑。ものすごい音。隣にいる人とも会話するのが大変なくらいでした。客は私達を除いては全てタイ人の方ではないかという感じ。長いテーブルと簡易の椅子の店内と、生演奏のタイの音楽、タイの言葉…。自分達がここにいるのがおかしな感じで、観光客としてタイにいるかのようでした。
 おいしい料理を音楽が鳴っている間に無言で頂いて、曲が終わると急いで会話をして、また音楽が始まると食べる、という繰り返し。一人の男性がバンドの前でノリノリで踊っているのを見て楽しみながら…。
 お店を出ると耳がキーンとしていて、コンサートに行った後のようでした。ドアの張り紙を見ると今日はお店の一周年記念日。それでみなさん大騒ぎをしていたようです。楽しく不思議なひとときでした。

KAの凄いところ

2007-05-25 | KA
 あるところから「KAの凄いところを教えて欲しい。」と言われました。他のシルクのショーよりも客席数が一番多いとか、チケットの売り上げが一番とか、そういうことでもいい、ということでした。客席数は“O”もLOVEもKAと同じくらいでしょうし、チケットの売り上げは断然“O”。キューの数とスピーカーの数はLOVEに抜かされたようです。制作費はKAが今だ一番でしょう…。
 そういう凄さを考えていたら、なんとなく淋しい気がしてきました。観ないでも分かる“凄さ”を語るのはなんとなく淋しいです。KAの本当の凄さは、やはり観て“感じる”ところにあると思います。でも、足を運んでいただくためには、まず観ないで分かる凄さを語らないといけないのでしょう。 
   
 さあ、凄いところ考えないと。

シソの芽

2007-05-24 | 日記
 3度目の挑戦にしてようやくシソの芽が出てきました。日本から帰ってまだ一週間経たないのにすーっと。普通の縫い針よりも細い芽がひょろひょろっと。朝は窓のほうにひゅーっと双葉を向け、夜帰るとその双葉は閉じています。あまりにも細く長いので、本葉出てくるのか心配ですが、じっくりと観察したいと思います。暑い夏にシソの葉を薬味にざるそばを食べられることを願いつつ…。

任せる

2007-05-23 | KA
 シルクドソレイユの本部があるモントリオールに経つときに、仲間が靴を贈ってくれました。その靴は大好きで大事に履いていたのですが、3年が経ち、色が落ちてきていました。先日日本に帰ったときに“カメレオンシューカラー”という表革染めを見つけ、休みの間に色を塗り、完成。今日は少し涼しかったので、サンダルではなく新品同様になった靴を履いて出掛けました。新しいものを身に着けたときにワクワクするように、今日は気分良く出勤しました。

 さてショー、今日は昨日のような大きな問題もなく、全体的にはスムースに出来ていたと思います。
 私には小さなことですが初めてのことがありました。
 KAは舞台がいろいろと動くので、特に舞台が宙に浮いているようなときは、小道具が手から万が一離れてしまったときに下に落ちないよう、ひもなどでどこかに取り付けられています。私がショーのはじめにお化粧をしながら出ていく場面、客席からはご覧いただけないでしょうが、トレーの上にはいろいろな小道具が載っています。鏡とブラシはひもでトレーについていて、香水やお化粧品などは磁石でトレーについています。そして、そのトレーは舞台とひもで結ばれています。
 一回目のショー、舞台の側面に出て、トレーを準備してある場所から自分の手元に引こうとすると、取り付け方が間違っていて、引き寄せることが出来ませんでした。仕方なく、ひもをはずし、慎重に手元に運び、落ちないように注意しながら普段通りに演技をしました。 
 舞台を下りてすぐに、いつもこの準備をするプロップスのジョンに会ったので、今日は彼が準備をしたのではないことは分かっていましたが、伝えました。「ああ、今日はカーペンターが準備する日だったからね。二回目は僕だから大丈夫だよ。」
 どういうわけか、時々プロップスが準備をしない日があり、時々取り付け方が違うことがあります。扱いにくいだけで今日のような問題があることはありませんでした。ジョンは普段の仕事を人に任せないといけない日で、その人を信じて任せているわけです。

 任せるか…。

 ふと今日のレッスンを思い出しました。私の代役になる人のレッスン。私も彼女にその場を任せることになるのです。そして私も会社からその役を任されているわけです。そうか、任務に対する責任感の違いか、と。ちょっぴり寂しい気もしますが、私は私の思うよう毎日毎日の舞台を誠実に努めていきたいと思います。

厄介な緊張

2007-05-22 | KA
 心臓の鼓動が聞こえるような緊張、それはこの舞台に関しては落ち着かせることもだいぶできるようになりました。でも今日は全く反対、ドキドキしていないのに緊張しているのが分かります。ちょっと厄介です。休み明け、本番、初日。
 準備期間が少し長すぎたかしら、とも思いました。待ち疲れのようなこと。でも、ドキドキしていない自分を上手く使え、ノリのとても良いお客様に助けられ、一回目のショーは無事に終わりました。
 厄介な緊張にエネルギーをたくさん使ったことを感じました。それに加え、眠気も襲ってきました。二回目のショーをしながら、何か目を覚ませることが必要だと思いました。
 いつものようにトレーニングルームで動いて、舞台上手の待機場所に移動すると、様子が違います。何かが起きています。乳母役と山の人達がテントまで登れずにいました。そして割りにすぐに「鳥のシーンはしないのでキャプティビティのシーンの準備をしてください。」と放送が入りました。キャプティビティのシーン、すなわち私のソロのあるシーン。
 客席には「都合によりショーを一度止めます。」という放送が入り、その後、「しばらく席を離れて自由にしていてください。」という放送も入りました。時間が掛かるということです。そして、その時間がどれくらい掛かるのかは分からず、私はいつ出てもいいように準備をしていなければなりません。必要以上の目覚ましでした。
 このシーンは普通の舞台を使い、アクロバットではなく演劇から始まります。ショーから一度はなれた観客の方々が、またショーの世界にすぐに入るには、少しインパクトが弱いということは分かります。
 観客席がまだそわそわする中、私は出て行きました。話し声もスナック袋のがさがさする音も飲み物を扱う音も聞こえました。舞台上は静かなシーン、静かに静かに話は進んでいきました。フルートを握り、踊り始め、「どうぞこの時間で観客の方々がKAの世界に戻る切っ掛けとなりますように。」と祈りました。私の印象は薄くても、ここですっかりKAの世界に戻れたならば、残りのシーンは何事もなかったかのように楽しめるはず…。
 祈りは思った以上に叶ったようで、踊り終わると遠くのほうから声を掛けていただいているのが聞こえました。

 緊張と喜びの日々がまた始まりました。