スレイヴケイジの為に待機をしていると、一人アーティストが落ちたということを知り、動揺しました。シェリーは、安全ネットの上を歩いているサブゥが見える、彼は大丈夫なようだということを教えてくれました。
ホイール・オブ・デスは続けられず、スレイヴケイジの為に早く待機をするように指示がありました。私の出を知らせるライトは、いつものタイミングより早く消え、出て行くと、シェリーはもうそこに居ました。私達は指示通りに動いていたのですが、タイミングからすると、間違えた指示だったようです。
サブゥのことが気になり、その後演技をしている間、落ち着きませんでした。そしてエピローグも終わりの頃、振り返るとサブゥが舞台上に現れました。
「わあ、サブゥ!」
涙が出てきました。多くのアーティストが彼に近付き、声を掛けました。
一回目のショーが終わると、フィジオに入って行く彼を見ながら、フルートの調整に行きました。私はまだ動揺していました。腕が特に震え、力加減が思うようにならない感じでした。
不安が募り、泣きたいほどでした。楽屋に戻ると、シェリーがステージマネイジメントの指示が悪かったことを話していました。私は、そのことはもうどうでも良いと思えてしまうほど、動揺しているのが分かりました。シェリーが出て行くと、私達の会話からジーナは何かを感じたのか、私の方に来て声を掛けてくれました。「大丈夫?」との問いに首を振ると、彼女はハグをしてくれました。サブゥは大丈夫だと分かったのに、まだ動揺していると言いながら涙を流していると、
「サブゥが大丈夫とか大丈夫でないということではないのよ。様々なことが思い出されてしまったのよ。人間なんだから良いのよ、精一杯にやればいいだけのことよ。」
そう言って彼女は豪快に笑いました。でも、彼女も私と同じ気持ちでいる、それを笑って吹き飛ばそうとしているのが分かりました。その後、同じ思いの何人かのアーティストとハグをすることになりました。
二回目のショーは変更なく行われると、アナウンスが入りました。いつもより、変更がないことが強調されてアナウンスされているように感じました。
涙が止まらないままショーを始めることになった私でしたが、サブゥは、完璧に二回目のホイール・オブ・デスを終えました。ショーが終わり、彼に声を掛けると、
「胸の中のモヤモヤしたものを吹き飛ばさなければならなかったんだ。スッキリしたよ。」
一回目の後、彼が恥ずかしいと言っていたのを思い出しました。
ホイール・オブ・デスの後ろで、彼の演技を見ながら舞台に立っていたゲイルが教えてくれました。
「彼はね、続けられないと思ったから、どう安全ネットに落ちるか考えていたのよ。だから綺麗に回転しながら落ちていった。美しかったわ。そうしたらね、タタミの入口に現れたのよ。走って戻って来ると、『カツラがこんなになっちゃったよ。』と恥ずかしそうに言いながら今にも舞台に戻ろうとしていた。あなたみたいに演技を続けたかったのね。でも、フィジオに止められ、ステイシイに止められ、出て行かれなかったの。」
凄い人。彼の存在にいつも励まされていますが、益々敬服することになりました。
ホイール・オブ・デスは続けられず、スレイヴケイジの為に早く待機をするように指示がありました。私の出を知らせるライトは、いつものタイミングより早く消え、出て行くと、シェリーはもうそこに居ました。私達は指示通りに動いていたのですが、タイミングからすると、間違えた指示だったようです。
サブゥのことが気になり、その後演技をしている間、落ち着きませんでした。そしてエピローグも終わりの頃、振り返るとサブゥが舞台上に現れました。
「わあ、サブゥ!」
涙が出てきました。多くのアーティストが彼に近付き、声を掛けました。
一回目のショーが終わると、フィジオに入って行く彼を見ながら、フルートの調整に行きました。私はまだ動揺していました。腕が特に震え、力加減が思うようにならない感じでした。
不安が募り、泣きたいほどでした。楽屋に戻ると、シェリーがステージマネイジメントの指示が悪かったことを話していました。私は、そのことはもうどうでも良いと思えてしまうほど、動揺しているのが分かりました。シェリーが出て行くと、私達の会話からジーナは何かを感じたのか、私の方に来て声を掛けてくれました。「大丈夫?」との問いに首を振ると、彼女はハグをしてくれました。サブゥは大丈夫だと分かったのに、まだ動揺していると言いながら涙を流していると、
「サブゥが大丈夫とか大丈夫でないということではないのよ。様々なことが思い出されてしまったのよ。人間なんだから良いのよ、精一杯にやればいいだけのことよ。」
そう言って彼女は豪快に笑いました。でも、彼女も私と同じ気持ちでいる、それを笑って吹き飛ばそうとしているのが分かりました。その後、同じ思いの何人かのアーティストとハグをすることになりました。
二回目のショーは変更なく行われると、アナウンスが入りました。いつもより、変更がないことが強調されてアナウンスされているように感じました。
涙が止まらないままショーを始めることになった私でしたが、サブゥは、完璧に二回目のホイール・オブ・デスを終えました。ショーが終わり、彼に声を掛けると、
「胸の中のモヤモヤしたものを吹き飛ばさなければならなかったんだ。スッキリしたよ。」
一回目の後、彼が恥ずかしいと言っていたのを思い出しました。
ホイール・オブ・デスの後ろで、彼の演技を見ながら舞台に立っていたゲイルが教えてくれました。
「彼はね、続けられないと思ったから、どう安全ネットに落ちるか考えていたのよ。だから綺麗に回転しながら落ちていった。美しかったわ。そうしたらね、タタミの入口に現れたのよ。走って戻って来ると、『カツラがこんなになっちゃったよ。』と恥ずかしそうに言いながら今にも舞台に戻ろうとしていた。あなたみたいに演技を続けたかったのね。でも、フィジオに止められ、ステイシイに止められ、出て行かれなかったの。」
凄い人。彼の存在にいつも励まされていますが、益々敬服することになりました。
数年前、兄夫婦とデス・バレーに行った時に気付かなかったのですが、その近くにアッシュ・メドウズ国立野生生物保護区があると知り、行くことにしました。ラスベガスから車で二時間程走ると、緑が見えてきて、予想通り、そこが行きたい場所でした。
小さな場所に泉があり、絶滅危惧種のメダカが居る、というものかと思って行くと、もっと大きなことでした。
保護区に入り、初めに行ったのがCrystal Reservoir。小さな池のようなところかと思うと、大きな湖でした。
先日行った友人の隠れ家も、Reservoir。湖のようなところでしたが、辞書をみると、貯水池と書いてありました。とにかく水が綺麗で本当に驚きました。
その奥のLower Crystal Marshは、駐車場から歩いてもなかなか水が現れないので、暑さで干上がってしまったのかと思っていましたが、少し高い所に上がると水が遠くに見えました。葦と思われる植物で周辺が広く覆われ、水辺が見えなかったのです。
動物の棲家と思われる穴が、たくさんありました。
途中で見つけたお菓子の様な、飴の様な、工芸品のようなものは、木から落ちたものでした。
ヴィジター・センターへ行きました。この暑い中、デス・バレーを訪れる人も居ないと思われましたし、実際、ほとんど人には会いませんでしたし、ヴィジター・センターには案内人が居ないと思いましたが、いらっしゃいました。ロシア人のとても感じの良い方で、「こんな場所に、わざわざいらして下さってありがとうございます。」とおっしゃっていました。デス・バレーのついでに訪れる人は居るのでしょうが、ここだけの為に来る人はきっと珍しいのだと思います。私が日本人だと分かると、私の前に訪れた人が日本人のご家族であったと教えて下さいました。来訪者名簿を見ると、神戸からと書いてありました。今日の一組目に続いて、日本人の訪問。面白いです。
小さなヴィジター・センターでしたが、テレビが置いてあり、メキシコで津波があった時、この保護区にあるDevils Holeの水が波立った様子が映し出されていました。
それから、歩いてCrystal Springへ行きました。少し歩くとすぐに泉があるのかと思うと、そうではなく、木道が長く続きました。よく整備されていて感心します。木道は、所々小川に近付き、メダカや、ザリガニが見えました。ここの水も綺麗です。
泉は、青々としていて、たくさんの水を湛えていました。五メートルの深さがあり、一分間に二千八百ガロンと言いますから、一万リットル以上の水が湧いていることになります。水温の平均は三十一度。
木道の脇には、小さな花が咲いていました。
次に訪れたところは、ヴィジター・センターの方に絶対行った方が良いと言われたPoint of Rocks。この場所の日本語パンフレットが有り、頂いていました。それが、あまりにも良く出来ているので、本当に驚きました。機械的に訳されたものではなく、綺麗な日本語でした。これを作るために労力を費やして下さった方に感謝します。
ここの泉には、青い小さな魚が居ました。これが、Ash Meadows Amargosa pupfishなのかと思います。英語のパンフレットには、雄が青く、雌が緑がかっていると書いてありました。春から夏の繁殖期に、最もカラフルになるそうです。
パンフレットには、たくさんの野生生物が過去の人間活動の犠牲になり、絶滅に追いやられたこと、他にも多くの希少な動植物が絶滅の危機に陥ったこと、そして、これ以上多くの野生生物が失われる前に、繊細な生息地を守るための大規模な再生活動が必要であったことが書かれていました。『専門家やボランティアの一心な努力が実り、コンクリートの水路は元の自然な水流へと復元されました。かつては植物に覆われることのなかった水辺も、今は川の土手沿いに生えるmesquite(メスキート)の木々やash trees(トネリコの木)が水面に陰を作っています。ターコイズ色の池も植物や野生動物の棲家として復旧しました。』
保護区というのは、今ある状態を単に保つのではなく、人間が壊した野生生物の環境を元に戻すという地域でもあるということを知りました。今でも十分な水量のある泉があるとはいえ、この砂漠地帯を野生生物に適した環境にするには、相当な努力があったと思い、涙が出ました。
ここのベンチは、お魚など付いていて面白いです。
それから、北の泉に向かいました。Rogers Springは、さらに青く、とても深いのだろうと思いました。ここの魚を見ていると、去年行ったAsh Springsのことが思い出されました。温水に棲むあそこの魚も、メダカやコイ科の仲間なのでしょうか。ここの魚も角質を取り除いてくれそうで、試してみたくなりましたが、みなさんの努力を考えると、私の手足をこの泉に入れてはいけないと思いました。
この直ぐ近くに、Longstreet Historic Cabinはありました。復元された家に入ると涼しさを感じました。ここにある泉は、一番大きく、中央の水底の砂が押し上げられることで水が噴き出している様子が見られ、地球の活動をこの目で見ているようでした。一秒間に約六十リットルの水が湧き出るそうで、水温の平均は二十五度ほどのようです。
帰る前に、始めに行ったCrystal Reservoirへ戻りました。始めに訪れた所と違う場所に駐車すると、水辺の様子が全く違いました。
そこは、白い沼地のようで、水に近付くと足が沈んでいきました。でも、水は綺麗です。動物が水を飲みに来るようで、足跡がたくさん見られました。
ほんの少し離れると、表面はカラカラに乾いています。
想像していたものとは違った、大きなアッシュ・メドウズ国立野生生物保護区を満喫しました。
お腹が空いていたので、三十五キロほど離れた街、Pahrumpで、何か食べようとしましたが、立ち寄ってみた所は、どこも閉店したようでした。この街は、小さくなっていっているのでしょうか。
久しぶりに、ダウンタウンへ行きました。月曜日なのに、人がたくさん出ていて、良いことだと思いました。写真を撮って、交差点に立っていると、若い女性が近付いて来て、持っていた資料を見せながら、何か説明を始めました。英語のアクセントからすると日本人のようでしたが、そのまま話を聞いていました。初めは何のことか分からなかったのですが、どうやら人身売買のことのようでした。撲滅に向けて活動を行っている一環で、ビデオを作って見せたりしているなどと言っていました。私は、てっきり寄付金を求められるのかと思っていると、そのビデオを見せたいから、上映場所まで来て欲しいと。恐ろしくなりました。まだまだ怖いことが、ダウンタウンにはあるのだと知りました。
The D Hotel Las Vegasで食事をして、帰りました。
小さな場所に泉があり、絶滅危惧種のメダカが居る、というものかと思って行くと、もっと大きなことでした。
保護区に入り、初めに行ったのがCrystal Reservoir。小さな池のようなところかと思うと、大きな湖でした。
先日行った友人の隠れ家も、Reservoir。湖のようなところでしたが、辞書をみると、貯水池と書いてありました。とにかく水が綺麗で本当に驚きました。
その奥のLower Crystal Marshは、駐車場から歩いてもなかなか水が現れないので、暑さで干上がってしまったのかと思っていましたが、少し高い所に上がると水が遠くに見えました。葦と思われる植物で周辺が広く覆われ、水辺が見えなかったのです。
動物の棲家と思われる穴が、たくさんありました。
途中で見つけたお菓子の様な、飴の様な、工芸品のようなものは、木から落ちたものでした。
ヴィジター・センターへ行きました。この暑い中、デス・バレーを訪れる人も居ないと思われましたし、実際、ほとんど人には会いませんでしたし、ヴィジター・センターには案内人が居ないと思いましたが、いらっしゃいました。ロシア人のとても感じの良い方で、「こんな場所に、わざわざいらして下さってありがとうございます。」とおっしゃっていました。デス・バレーのついでに訪れる人は居るのでしょうが、ここだけの為に来る人はきっと珍しいのだと思います。私が日本人だと分かると、私の前に訪れた人が日本人のご家族であったと教えて下さいました。来訪者名簿を見ると、神戸からと書いてありました。今日の一組目に続いて、日本人の訪問。面白いです。
小さなヴィジター・センターでしたが、テレビが置いてあり、メキシコで津波があった時、この保護区にあるDevils Holeの水が波立った様子が映し出されていました。
それから、歩いてCrystal Springへ行きました。少し歩くとすぐに泉があるのかと思うと、そうではなく、木道が長く続きました。よく整備されていて感心します。木道は、所々小川に近付き、メダカや、ザリガニが見えました。ここの水も綺麗です。
泉は、青々としていて、たくさんの水を湛えていました。五メートルの深さがあり、一分間に二千八百ガロンと言いますから、一万リットル以上の水が湧いていることになります。水温の平均は三十一度。
木道の脇には、小さな花が咲いていました。
次に訪れたところは、ヴィジター・センターの方に絶対行った方が良いと言われたPoint of Rocks。この場所の日本語パンフレットが有り、頂いていました。それが、あまりにも良く出来ているので、本当に驚きました。機械的に訳されたものではなく、綺麗な日本語でした。これを作るために労力を費やして下さった方に感謝します。
ここの泉には、青い小さな魚が居ました。これが、Ash Meadows Amargosa pupfishなのかと思います。英語のパンフレットには、雄が青く、雌が緑がかっていると書いてありました。春から夏の繁殖期に、最もカラフルになるそうです。
パンフレットには、たくさんの野生生物が過去の人間活動の犠牲になり、絶滅に追いやられたこと、他にも多くの希少な動植物が絶滅の危機に陥ったこと、そして、これ以上多くの野生生物が失われる前に、繊細な生息地を守るための大規模な再生活動が必要であったことが書かれていました。『専門家やボランティアの一心な努力が実り、コンクリートの水路は元の自然な水流へと復元されました。かつては植物に覆われることのなかった水辺も、今は川の土手沿いに生えるmesquite(メスキート)の木々やash trees(トネリコの木)が水面に陰を作っています。ターコイズ色の池も植物や野生動物の棲家として復旧しました。』
保護区というのは、今ある状態を単に保つのではなく、人間が壊した野生生物の環境を元に戻すという地域でもあるということを知りました。今でも十分な水量のある泉があるとはいえ、この砂漠地帯を野生生物に適した環境にするには、相当な努力があったと思い、涙が出ました。
ここのベンチは、お魚など付いていて面白いです。
それから、北の泉に向かいました。Rogers Springは、さらに青く、とても深いのだろうと思いました。ここの魚を見ていると、去年行ったAsh Springsのことが思い出されました。温水に棲むあそこの魚も、メダカやコイ科の仲間なのでしょうか。ここの魚も角質を取り除いてくれそうで、試してみたくなりましたが、みなさんの努力を考えると、私の手足をこの泉に入れてはいけないと思いました。
この直ぐ近くに、Longstreet Historic Cabinはありました。復元された家に入ると涼しさを感じました。ここにある泉は、一番大きく、中央の水底の砂が押し上げられることで水が噴き出している様子が見られ、地球の活動をこの目で見ているようでした。一秒間に約六十リットルの水が湧き出るそうで、水温の平均は二十五度ほどのようです。
帰る前に、始めに行ったCrystal Reservoirへ戻りました。始めに訪れた所と違う場所に駐車すると、水辺の様子が全く違いました。
そこは、白い沼地のようで、水に近付くと足が沈んでいきました。でも、水は綺麗です。動物が水を飲みに来るようで、足跡がたくさん見られました。
ほんの少し離れると、表面はカラカラに乾いています。
想像していたものとは違った、大きなアッシュ・メドウズ国立野生生物保護区を満喫しました。
お腹が空いていたので、三十五キロほど離れた街、Pahrumpで、何か食べようとしましたが、立ち寄ってみた所は、どこも閉店したようでした。この街は、小さくなっていっているのでしょうか。
久しぶりに、ダウンタウンへ行きました。月曜日なのに、人がたくさん出ていて、良いことだと思いました。写真を撮って、交差点に立っていると、若い女性が近付いて来て、持っていた資料を見せながら、何か説明を始めました。英語のアクセントからすると日本人のようでしたが、そのまま話を聞いていました。初めは何のことか分からなかったのですが、どうやら人身売買のことのようでした。撲滅に向けて活動を行っている一環で、ビデオを作って見せたりしているなどと言っていました。私は、てっきり寄付金を求められるのかと思っていると、そのビデオを見せたいから、上映場所まで来て欲しいと。恐ろしくなりました。まだまだ怖いことが、ダウンタウンにはあるのだと知りました。
The D Hotel Las Vegasで食事をして、帰りました。