のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

車にはプロフェッショナル現る

2012-07-14 | KA
 オリンピックの選手でしたらどうにかして出場させようとするのでしょうが、代わりもいますし、双方でそのような緊張感がないのではなどと思ってしまいました。アーティストは私一人ではないですから、一人のことに集中できないのも分かります。私は、自分自身で何とか少しでも良くなるように試みました。
 早く行き、ショーに向けて身体を整えていこうと出発したのですが、ゴミを捨てた後、車が急に動かなくなりました。エンジンが掛からないのです。ただでさえ暑いのに、焦って汗だくでした。何人かの友達に訊いても分からないと言うので、車会社に電話をしました。ところが、電話が自動応対で、もちろん、私の英語を聞き取ってくれるわけがなく、さらに汗だくでした。ようやく、いらして下さるように手配でき、待ちながらいろいろと試していました。そこにいらした方、
「どうしたの?」
 車が動かないことを伝えると、胸に付いたロゴを指差しながら、
「僕は、プロフェッショナルだよ。」
 私は、もう他を手配してしまったし、と戸惑っていると、
「とりあえず、ちょっとやらせてみてよ。」
 そして、直ぐにエンジンは掛かりました。
「魔法の手だからね。」
 本当にありがたかったです。そして、手配したものをキャンセルするのに時間が掛かったことは言うまでもありません。
 何とか動くようになった首ですが、振り付けの中で三カ所、痛める動きがありました。以前、首を寝違えた時と同じところでした。
 高い湿度に、フルートの滑り具合の調整が上手くいきません。思い切って、新しい表面加工のフルートを緊急デビューさせることにしました。こちらの方が、素直なのです。ベトベトではなく、キュッキュという感じ。
 影絵で隠れていると、
「あなた、可愛いわね。」
 二回目は、湿度が上がったのかもっと滑らなかったです。フルートの緊急デビューは良い選択だったようです。
 友達が、にぎり寿司で誕生日を祝ってくれました。日付が変わったのを確認して、カップケーキとカードのプレゼント。カードは、ろうそくの火がくるくる回って音楽が流れました。車のことを話していると、
「それはさ、セーフティロックだよ。」
 と一斉に。「どうしてあの時教えてくれなかったの?」と今にも言いそうになりました。

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