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はるのつぶやき

家族のこと、仕事のこと、いろいろです。
本業は税理士です。

冤罪や誤認逮捕による拘留に係る補償金

2012年06月17日 11時01分14秒 | つぶやき
東電OL殺人事件の元被告ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏がネパールに帰国するというニュース。

「これって莫大な補償金がもらえるんじゃないの?」
「マジ?いくら?」
「つーかネパールいきた~い!」
「えー??!ヤダなんで??ネパールってなに語?」
「ネパールにもユダヤ教徒っているんだ~」
「ちがうよあの帽子はおしゃれだよきっと。」

…と、わが家族の知的レベルを赤裸々に反映する、庶民度100%の感想が飛び交った。
大体、事件自体よく知らないんだけど。

なんとなくスッキリしないものがあったので、帰宅後に調べてみた。

1997年、当時39才だったキャリアウーマン(ナント彼女、高校の大先輩でした。複雑…)が自宅で殺害され、同じアパートでタコ部屋暮らしをしていた上記元被告(オーバーステイ中)が逮捕・起訴された。
一審無罪となったものの、控訴審・上告審で無期懲役判決、同氏が受刑中に再審請求をしていた。

帰国するというからてっきり無罪が確定したのかと思ったら、そういうことではないらしい。
現在は、再審請求が通った、つまり「もっぺん裁判やりましょう!」ということが決まった段階。
じゃぁなんで帰国できんの?となるわけだが。

再審開始の承認

既に確定していた無期懲役の刑の執行停止

釈放

100%有罪な不法滞在について国外強制退去の処分執行(強制送還)


ということなんだそうな。

もしかしたら有罪かもしれないのに。
なんか納得いかない。
再審有罪になったら、ちゃんと帰ってくるんだろうか。
しかも自分で再審請求しておきながら、出廷しないって、ありなの?

一方で。
一審無罪になった後、控訴審までの間も身柄が拘束されていたという話。
こちらはこちらでおかしいんじゃないだろうか?
だって一審の判決がでた時点では無罪のヒトなんだから、自由を保障されるべきだと思うわけですよ。
さらに、なぜその時点で国外強制退去の処分は執行されなかったのか?

そして一番の興味「補償金」ですが。

「無罪の罪で拘留された場合や損害を被った場合に国に補償を求めることができる権利」を保障する憲法40条に基づく法令「刑事補償法」で定められています。
一日あたり1000~12,500円を補償!
死亡補償は最高3000万円(死刑になっちゃったあと無罪が証明された場合)!
さらにいわれのない罰金を払わせられていた場合には、1年につき5%の利子をつけてご返金!

ちなみに、補償金目当てにわざと冤罪事件を演出した場合は、1円たりとももらえません。
就職氷河期だからって、日給がやすいからって、ヨコシマな考えは捨てましょう。
まちがって死亡補償コースになっちゃったらみもふたもありません。

で、話を戻します。
まぁ払った罰金を返していただくのは当然としてですね。
冷たいようですが「補償する道理があるのだろうか?」というのがそもそもの引っかかり。

もし自分が冤罪で拘留されたらそりゃもちろん欲しいですよ、補償金。
「ごめんね~間違っちゃった!(テヘ)」って釈放されたって、納得いくわけないし。
「ごめんで済んだら警察いらんのじゃ!!」と言ってみたところで、その警察はじめ国家権力が出した結論が間違ってたんだから、からっきし的外れなわけですよ。

ひっかかるのは多分、民事の考え方と矛盾する点。
民事の上では、
故意か重大な過失で人に損害を与えた場合は、その損害を賠償する責任が生じます。
つまり逆に、故意でも重過失でもなければ、賠償責任は生じない(ハズ)。
善かれと思ってやったことが結果的に裏目に出た場合は、もし損害が生じてもそれを埋め合わせてあげる義務はない(ハズ)なのです。

たとえば、
プレゼントした香水が原因で、その子が彼氏に振られても。
何気なくふるまった食事が原因で、ゲストがアレルギー発作を起こしたりしても。
その彼氏がその香水を嫌う、そのゲストがその食品にアレルギーを持っているということを事前に知っていて、あえてその事故を起こしたような腹黒い企みの場合を除いて、賠償責任は負わないはずなんですよ。

これを冤罪補償に引き直すと。
当初の審理が適法に行われていて、その時点で合理的に最も正しいと考えられる判断が下されたのであれば、補償の義務はないのではないかと。でもそのような適用除外の条項はないのです。
「疑わしきは罰せず」が刑事のゴールデンルールながら、真実冤罪でない場合は凶悪犯を野放しにする結果になるわけですから、そこは保守的な判断にも合理性があると思うのですね。

戦前・戦後あたりの話に出てくるような、警察・検察の横暴な暴走を前提とすれば、その抑止力として必要性は感じますが、今の日本の司法制度の下では不要ではないかと。

。。。と整理したところで、別の展開を思いつきました。

「国家権力が誤った判断を下した時点で重過失なのだ!」という説

重過失というのは、「わざとじゃないとはいえ、かなりうっかりだよね。」というタイプのミス(だと思う)。
わざとやった場合と同等に罰せられて当然だよね、と考えられている(っぽい)。

たとえば、レストランでお客にだされたお刺身が腐っていて、食中毒で人が死んじゃったとしますよ。
この時点で相当な行政処分と社会的制裁は免れないとして、民事上の責任が生じるか否かは「故意または重過失」の有無が争点になるわけです。
「わざと腐らしたんじゃないですよ、ただね、冷蔵庫がいっぱいだったから、茶箪笥に入れておいただけなんですよ。それで腐っちゃったのかな~。あいすみませんねぇ。」というようなケースは、重過失の可能性大。
誰が考えても腐るってわかるし、しかもプロですからね。

…ものすごくわかりにくいので、おしえてGooからケースを引用させていただいちゃうと。

・「家の中で煙草を吸おうとライターを使う」
 火事になる可能性はあるが、普通のヒトはそこまで考えないので重過失とは言えない。
(ちなみにそこまで考えると、ノイローゼになります。)

・「家の中で焼き芋を焼こうとたき火をする」
 どう考えても火事になるので、これは重過失。
(この人も相当イっちゃってます。)

なお、この法則での「どう考えても」のハードル(注意義務)は、高度な注意を必要とされる職業プロの人が対価をもらってやる仕事ほど高くなります。
パイロットの「・・・あ、ごめん。」は、シャレになりませんから。

…というわけでそろそろ話を戻します。
「お国の権力が下した判断の間違いは、自動的にゼンブ重過失!」
という立場に立てば、この刑事補償法の規定と民事の考え方は矛盾しない。ああスッキリ。

ん?
ちょっとまて。
その補償金の財源って、税金じゃないの?

これはその重過失を犯した(=その冤罪裁判にかかわった)
警察・検察・裁判所の皆様のお給料から、ワリカンでお支払いただくのがスジではないでしょうか?

。。。あっ、でもそしたら
「全員無条件で無実にしちゃう!もし間違って給料へったら困るや~ん!」っていう裁判官とか
「逮捕なんか一生しないぜ、オレ。フッ。」っていう警察官とか
「起訴?やめとこやめとこ。フキソフキソフキソ~ジ~」っていう検察官とか
続々でてきちゃって、法治国家崩壊だよね。

結論は出ないけど、なかなか面白いテーマです。
そろそろ洗濯しなくっちゃ~~

つづく

父の日ディナー

2012年06月17日 09時26分06秒 | つぶやき
今日は父の日。
父の日イブの昨晩、感謝の宴に全員集合。

今年の母の日からの新習慣で、妹とワタクシ個別にプレゼント。
予算をまとめて値の張るものもらいたい!という考え方もありましょうが、それぞれに父の喜びそうなものを考えて贈るのもまた違った喜びかな、と。
値段ではなくワクワク感重視ということで。

ワタクシからは焼酎のカラフェを、妹からはカラーモモヒキ
一見ギャグっぽいですがコレ、父の生活習慣と季節が考えつくされた、素晴らしいチョイスだと思いましたよワタクシ。
完敗です。

父はどちらも喜んでくれて、ほっと一安心。

感謝の宴といってもプレゼント以外のエンターテイメントがあるわけでもなく。
父&母、妹と甥っ子、そして愛すべきわんこコタロウとワタクシの総勢6人、ただ若干豪華な家ごはんをダラダラ囲むだけなんですけどね。

今回は目新しいところで、バーニャカウダとモヒートを新投入してみました。
見よう見まねで作ったモヒート、予想以上の出来でしたよ。
(数えきれないほど飲んできた成果。はっはっは…)
ワイン一辺倒だった実家ごはんに新風、定番化を狙います(ニヤリ)。
バーニャカウダは母のみ気に入って食べていましたが、父にはオイリーすぎた模様。
本当はもう一点、甘いお酒が好きな母向け新アイテム「カシスウーロン」もあったのですが。
母、うっす~いモヒート一杯でノックダウン。
開封は次回にキャリーオーバーです。

そして、最後に懐かしの簡単クッキー!

このクッキー、タダの簡単クッキーじゃないんですよ。
先週、何かの拍子に「ああ~幼稚園の頃、オルガン教室で大ブームになったクッキー、美味しかったな~。あれどうやって作るんだろう~」と思い出していたんですね。
最近新しいオーブンをゲットした母、ちょうどそのころまさにそのクッキーを作ってたというじゃないですか!!
さらに、その話をした日の朝、そのブームをオルガン教室にもたらした張本人を駅で見かけたというではありませんか!!!

「…だから?」

って思った思いましたね今っ!!

・・・・まぁ、ワタクシ達母娘以外の皆様には、「タダの簡単クッキー」です。

あ~よく食べよく飲んだ。

次回は7月24日、父とコタロウのお誕生日会です。