気の向くままに

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中国、対抗意識むき出しに次々と独自の世界賞創設 3倍の高額賞金でアピールも選考過程は… 受賞者数で日本に水あけられ

2016-10-08 18:24:53 | 日記

 【北京=矢板明夫】ノーベル医学・生理学賞に東京工業大の大隅良典栄誉教授が決まり、3年連続計25人目となる日本人の受賞は中国でも話題を集めている。受賞者数で日本に大きく水をあけられている中国は近年、「世界文明賞」「未来科学大賞」「孔子平和賞」といった世界賞を次々と創設し、ノーベル賞への対抗意識をむき出している。

 大隅氏の受賞が発表された3日、香港で第1回世界文明賞の授賞式が行われた。「人類の持続発展部門」に中国人農業科学研究者の袁隆平氏が選出されたほか、「調和推進部門」では、米元大統領のジミー・カーター氏が受賞した。

 香港の実業家、呂志和氏が資金を提供して今年新設された同賞の1人当たりの賞金が、ノーベル賞の約3倍の2千万香港ドル(約2億6500万円)に達したことが国内外の関係者を驚かせたという。

 これに先立ち、9月19日に北京で第1回未来科学大賞の授賞式が行われた。中国国内の複数の企業家の協賛による同賞の賞金は100万米ドル(約1億300万円)。受賞資格は「国籍を問わず」となっているが、初回の今年は、香港中文大学と清華大学の2人の中国人教授が受賞した。

 ノーベル平和賞に対抗して2010年に設立された孔子平和賞の最終選考も佳境に入っており、今月中にも受賞者が発表される予定だ。関係者によると、今年は中国人に贈られる可能性が高いという。

 これらの賞はいずれも民間の賞の形を取っているが、背後に中国当局の関与が指摘される。中国当局にとってノーベル賞への思いは複雑だ。中国籍で自然科学分野を受賞したのは、15年の医学・生理学賞の屠●(=口へんに幼)●(=口へんに幼)(と・ゆうゆう)氏1人しかいないのに対し、平和賞は、ダライ・ラマ14世や劉暁波氏ら中国の体制を批判する代表的人物が複数受賞している。

 中国が主導する形で、ノーベル賞の賞金を上回る世界賞を次々と創設し、存在感をアピールしようとしているが、これらの賞の選考過程が不透明だとの指摘もあり、国際会社における影響力はあまりないようだ。

2016.10.8  産経

<👀も>

 先日、「キノコはありますか」と穴水のスーパーマーケットに電話したら、「全く無い」とお婆がいう。おー、まだ達者のようで嬉しかった。お婆の言うには、「イノシシが行列して山を荒らしておって、穴だらけにしとる。」

 今日の北国新聞に出ていた写真をみて、おばばの話がよく分かった。




「バスに乗り遅れるな」と破滅への…

2016-10-07 15:25:11 | 日記

 「バスに乗り遅れるな」と破滅へのバスに飛び乗ったのが戦前の日本である。日独伊三国同盟のことで、ヒトラーの独軍が欧州を席巻した勢いに幻惑され、交渉開始からわずか20日間で調印された。

▲勝ち馬に乗り遅れるなという意味のこの言葉だが、近年の研究では同盟締結の背景には英仏などを制圧した後のドイツがアジアの植民地を押さえるのをけん制する意図もあった(加藤陽子(かとうようこ)著「戦争まで」朝日出版社)。思惑はどうあれバスは対米戦争へとひた走った。

▲破滅へのバスに飛び乗ることもあれば、破滅から逃れようというバスに乗り遅れることもある。2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みである「パリ協定」が来月4日発効する。各国の批准状況が協定発効の条件を上回ったからだが、そこに日本の名はない。

▲この4月に175の国や地域が署名したパリ協定である。すでに米、中、印という温室効果ガスの大排出国は批准書を提出した。欧州連合などが加わった時点で批准国の排出量が全世界の55%を超え、発効が確定した。排出量の多い国で残るのは露、日、韓国という。

▲その日本では連休明けに協定承認案を閣議決定し、国会に提出するというのんびりぶりである。締約国会議開幕は来月7日に迫っており、批准国の間で行われる最初の議論には参加できそうにない。あわててバスを追いかけても、さて15日の閣僚級会合に間に合うか。

▲以前の京都議定書では批准を拒否した米国、途上国として排出削減義務のなかった中印も乗り込んだバスの車内に日本の姿がないのを世界はどう見ただろう。で、朝寝坊をしていたのは誰なのか。

2016年10月7日 余録

 

▽ 10年後は「中国32番目の省」…「中国人に不動産を斡旋する最終目標は永住だ」

http://www.sankei.com/politics/news/161007/plt1610070007-n1.html

▽ 一人で世界を一周するヨットレース|そこで活用されるITとは?

https://www.change-makers.jp/special/11258?utm_source=Outbrain_WL&utm_medium=PC_banner&utm_campaign=Outbrain

 

 
 

象牙と印鑑

2016-10-06 19:25:22 | 日記

 

 江戸時代、夫から妻への「三くだり半(離縁状)」に自分の印を押すことになっていたそうだ。すでに「ハンコ社会」であったわけだ。

▼証文などに押す実印は名主や町役人らに届け、いつでも照合できる印鑑帳がつくられた。「印形は首とつりかへ」と命の次に大切なものであったという(新関欽哉著「ハンコロジー事始め」)。

▼アフリカゾウの絶滅を防ぐため、ワシントン条約締約国会議は象牙の国内市場を閉鎖するよう各国に求める決議を採択した。ただし閉鎖対象は密猟や違法取引の原因となる市場に限定され、日本は管理制度があるとして全面禁止を免れた。印鑑業界はほっとしたかもしれない。

▼日本の象牙消費の約7割を占めるのが、実は印鑑という。象牙は耐久性がある一方で細工がしやすく気品がある。高価でも、「一生もん」と勧められたことがある。最近は開運印で売らんとしている。

▼禁輸前に合法的に輸入、登録された象牙が販売されるが、環境団体は抜け穴を指摘している。違法かどうか一般の客が見分けるのは難しい。

▼象牙文化を日本に伝えた中国は国内市場の閉鎖を表明している。世界の目は厳しくなりそうだ。年2万~3万頭のアフリカゾウが象牙を取るため密猟されているという。まず想像してみよう、当方のはスタンプ印だけど。

[京都新聞 2016年10月06日掲載]

 

<所感>

 印鑑を廃止してサインにしたほうがよい。本人の特定に大量生産の三文判とサインとどちらが有利かは自明である。にもかかわらず、自署した上にさらに印鑑を求める役場や官庁がいまもある。

 

<👀も>

 台風18号の被害がなくてよかった。

  今日はどの部屋も満員。ようやく入った部屋で「さゆり命」に2勝1敗。「keichan809]に1勝。


 



 今日まで貴男は立派だったと尊敬の念を態度で表明すること。別れの際に彼の今の心に寄り添う。我々のあとは時の流れに任そうではないか。


戦前もノーベル賞をとっておかしくなかった日本人は…

2016-10-04 12:52:31 | 日記

 戦前もノーベル賞をとっておかしくなかった日本人は北里柴三郎や野口英世ら何人かいる。うち最も惜しかったとされる1926年の医学生理学賞だ。この時、山極勝三郎と市川厚一のタールによる発がん作用研究は最終選考まで残った。

▲受賞者は寄生虫の線虫による発がん作用を発見したデンマークのフィビゲルだった。だが後年になってそれがごく一部のネズミに見られる作用で、一般性はないと判明する。数少ないノーベル賞の誤授賞の一つだったのだ。

▲くり返し落胆させられてきた日本の医学界からは「人種差別でないか」という声も起こるほどだったという。時代は変わってそのちょうど90年後、日本人への2年連続の医学生理学賞の授与、それも単独授与という大隅良典東京工業大学栄誉教授のノーベル賞である。

▲「オートファジー」といっても大方は何のことかと戸惑おう。むろんその一人たるコラム子があわてて調べたところ、生物を形作る細胞が無用になったたんぱく質、いわばごみを分解して再利用する作用という。それを遺伝子レベルから解明したのが受賞業績らしい。

▲有用なものを作るプロセスと違い、ごみのリサイクルの研究は人気がなかったようだ。「人がやらぬことを自由に研究したい」とはその初心という。このオートファジーにかかわる遺伝子の発見が、がんや老化の抑制をめぐる知見を開いたのだからごみの始末は大切だ。

▲何も前のめりの野心的な知性だけが大発見をなすのではない。ちょっと斜め向きに自由を求める知の働きによって開かれる宇宙の真理もある。むろん他人が見向きもせぬ「残り物に福」もその一つだ。

2016年10月4日 毎日新聞 東京朝刊 毎日新聞


<👀も> 

 熊に遭遇しまいか、スズメバチに襲われはしないかと心配しつつ近くの里山を歩いてきた。山道は荒れ放題であった。



イヌタデ

ミゾソバ

ムラサキツユクサ

 


流行を追うな、外国人のマネをするな

2016-10-03 21:30:49 | 日記

 物理学者で随筆家でもあった寺田寅彦の研究テーマの一つに、椿の花の落下運動がある。きっかけは、文学の師である夏目漱石の俳句「落ちさまに虻(あぶ)を伏せたる椿哉」だった。

 ▼果たして虻を抱え込んだまま、花は着地できるのか。自宅と研究所に椿の木を植え、落ちた花の向きを調べる。空気抵抗の影響をより正確に確かめるために、円錐形の紙模型を使った実験も行った。自ら「珍研究」と称した成果は、英文の論文となって発表されている。

 ▼「まず人を笑わせ、次に考えさせる」、まさに珍研究を授賞対象とするイグ・ノーベル賞が80年前に存在していたら、寅彦も受賞していたかもしれない。今年は股の間から世界を見る「股のぞき」の研究で、立命館大学の東山篤規(あつき)教授らが受賞した。1991年に始まったこの賞では、日本人が10年連続で受賞している。日本には、風変わりな人を評価する傾向があるからではないか、と賞の主催者は見ているそうだ。

 ▼今週は、いよいよノーベル賞の受賞者が発表される。本家本元の賞でも、日本人科学者の活躍が目立つ。今世紀に入って、物理学、化学、医学・生理学の自然科学3賞については、日本は米国に次いで2番目に受賞者が多い。

 ▼実は、寅彦ももう少しでノーベル賞に手が届くところだった。X線を使って結晶の構造を調べる研究で、英国のブラッグ父子が、15年にノーベル物理学賞を受賞している。寅彦もほぼ同じ時期に、2人の研究に匹敵する業績を挙げていたという。

 ▼「流行を追うな。外国人のまねをするな。珍しい所を見抜け」。寅彦が弟子たちを叱咤(しった)激励するために口にしていた言葉である。それを受け継ぐ日本人研究者の受賞ラッシュを、今年も大いに期待している。

2016.10.3 【産経抄】

 

<👀も> 「誰もやらないことをやるのがサイエンスの本質」だと大隅さんは言う。

 医学・生理学の分野で、東京工業大学名誉教授 大隅 良典氏が医学・生理学賞を受賞したとの報道をTVで見た。安倍総理が祝福の電話をしていた。日本人の一人として嬉しい限りである。

 インターネットが世界中で普及している現代である。あそこの国のあの人が、あのタレントがこうだとか、どこそこにこんな事件があったなどの情報は世界中に瞬時に伝わる。

 こつこつと、自分の研究分野を進んで成し得た結果がたまたま世界から評価された幸運の人の一人だと思う。受賞の本人は「ああー、そうお。」「私よりあの人が・・・」と思っているに違いない。

 研究に入る前には先のことは考えず、「好きなこの道を行こう」と思って進んできた偶然の結果であろうけれど、その舞台に立ってこられたことがすばらしい。

 ちと、周りを見渡すと地域住民に健康面からサポートしている人もいる。素晴らしい。

 光琳さんが傘寿のお祝いで関係者にお祝いの印をお配りしたそうな。


人生を思案… 「8本足」の火星人ならば何と答えるか?

2016-10-02 15:43:54 | 日記

 人生について思案するとき、人は夜空に答えを求めるものらしい。高村光太郎は沖天に赤くともった星を見上げ、詠んでいる。〈おれは知らない、人間が何をせねばならないかを。おれは知らない、人間が何を得ようとすべきかを〉と。『火星が出てゐる』という詩の一節にある。

 ▼答えにより近づこうと試みたのは歌人の窪田空穂(うつぼ)だった。〈宇宙より己れを観(み)よといにしへの釈迦、キリストもあはれみ教へき〉。人も、人がよって立つ大地も夜空が産み落とした子であり孫でしかない。人は何ゆえに-の答えを星たちに問うてきたゆえんだろう。  

▼火星への初飛行を2022年にかなえたいと、米国の宇宙ベンチャー企業が計画を公表した。100人以上が乗れる宇宙船の旅は1人約2千万円という。火星移住を含め庶民には縁遠い構想だが、〈宇宙より己れを〉の境地が味わえるなら悪くない買い物ではある。  

▼ほんの100年前までは火星人の存在を夢想し、SF小説で襲来におびえる人類だった。今や人口は70億人を超え、温暖化や食糧問題などいさかいの種のはけ口として、火星に答えを求めている。詩情や哲学に乏しい夜空への問い掛けに詩人も歌人も渋面であろう。  

▼ここ半世紀の探査で火星人の存在は否定された。「夢を失った」と嘆いたのは、亡き橋本龍太郎元首相である。タコ形をした巨大な頭の中には、高度な知性を蓄えていたとされる。存外、探査など及ばぬ場所に潜み、こちらの動静をうかがっているのかもしれない。  

▼人は何ゆえに-の問いに対し、「考える葦」ならぬ「8本足」ならば何と答えるか。聡明であろう火星人に聞いてみたい気もする。異形のお隣さんをまぶたに浮かべ、秋の夜長に思いを巡らせてみるのも楽しい。

2016.10.2 【産経抄】

 

 


股のぞき・袖のぞき

2016-10-01 23:24:58 | 日記
 童心に帰って、当方もやってみた。股のぞき。

▼腰を曲げて股の間から逆さに見ると、景色に奥行きが欠けて写真か絵のように見える。錯覚の原因を大まじめに解明した立命館大教授らがイグ・ノーベル賞を受賞した。

▼きょうは10(テン)・1(ボー)で「展望の日」。月が変わってすっきり秋晴れ、とはいきそうにないが、各地の展望台では股のぞきを試す人が増えることだろう。

▼袖のぞき、というのもある。脇の下から逆さに景色を見る。これなら紳士淑女も錯覚を楽しめる。大正、昭和初期には芸妓が片袖を上げて天橋立を眺める姿が絵はがきとしてよく売れたそうだ。

▼昔の人は、袖のぞきをすると見えないはずの霊が見えたり妖怪の正体を見破ったりできると信じた。股のぞきも同様で、進む船を逆さに見て海面から浮き上がっていたら幽霊船-と民俗学者の宮本常一が周防大島で聞き取っている。

▼現代の「伏魔殿」たる東京都庁の闇を、都民の期待を背負った小池百合子知事は見破らんとする。豊洲や五輪に限らず、この国ではとかく問題の根源に組織の「無責任体質」がある。実力者あって責任者なし、の怪奇こそ打ち払わねばならない。

2016年10月01日 京都新聞 梵語





画像はネットから拝借した


<👀も>

9月は天気が悪くて釣りにいけなかった。10月上旬には釣行日和になってほしい。11月中旬ころの紅葉狩りが楽しみだ。野菊やムラサキツユクサ、イヌタデ、スズキなど、秋の山野草を見に行かなきやと思っているが、ふさわしい日和がない今日この頃である。