ハンニバル 地中海世界の覇権をかけて (講談社学術文庫) 価格:¥ 924(税込) 発売日:2005-08-11 |
将棋やチェスなどの戦略ゲームはまったく苦手(というか理解できない)私は、名将の発想に驚くばかりですが、それが楽しいのです。
以前友達に、「自分より明らかにIQが2、30は高い人の話を聞いたり、文章を読んだりするのが好き」と言ったことがありました。
「もちろんそういう人の頭脳の動きについていけるはずもないんだけど、こんなふうに考えたんだろうか、って必死にその思考の道筋をたどるのが楽しいの。自分の脳に、普段はかからないGがかかるのを感じるのが好き。脳内ジェットコースターって感じ。実際のジェットコースターは苦手だけど、これは好きなの」と言って引かれたのです。
(彼女の私を見る目つきはあきらかに変人《いや変態か?》を見るときのそれだった)
けど、引かれてもやっぱり好き。この番組を見るのも、その手の楽しみです。軍略の天才の、思いもかけぬ采配にはっとさせられるのが楽しい。
ことに、今夜は再放送の、名将の采配・選で、ハンニバルが再度取り上げられていてうれしかった。
もともと気になっていた歴史上の人物だし、その戦略も非常にユニークだと思ったからです。
番組内でも、“洞察力、決断力、意外性”と彼の采配を評していたように思うのですが、まさにその意外性が際立っていると思いました。一人の天才の手によって、奇跡は起こるんだ、という感じ。
そうして、上記の本の紹介文の中にもあったのですが、ハンニバルという人は、悲劇的生涯を生きた人でもあるわけです。
もともと、『名将の采配』は、いずれも戦争の話ですから、その采配の意外性に高揚したり、爽快感を味わったりするのですが、どこか、ほろ苦い後味もあります。
滅亡の道を辿るカルタゴの名将であり、自身最後は毒をあおって死にいたるハンニバルは、ことさら心に引っかかる武将なのでした。
彼の生涯の本も、手に取ってみたくなった夜でした。
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