最近新聞で、猫の優雅な水の飲み方についての記事を読みました。
犬はガブガブと飲むけれど、猫はちょっと舌の先を水につけて、すばやく舌を引っ込める。
そうして水柱が立ったところをパクッと飲むのだと。
それを知って、連想したのがこの本。
砂絵くずし―なめくじ長屋捕物さわぎ傑作選 (中公文庫 つ 7-4) 価格:¥ 357(税込) 発売日:1979-01 |
都筑道夫氏の、時代ミステリー短編集です。江戸時代の下町を舞台に、大道芸人たちが事件解決に活躍する。
探偵役は、“砂絵のセンセー”こと、色とりどりの砂で路上に絵を描く芸人。元は武士だった、とのうわさもある謎めいた人物。
このセンセーが、様々な謎を論理的にすっぱり解くわけですが、私が連想した一編は、人喰い虎の話。
それも、屏風に描かれた虎が、その絵を描いた絵師を喰い殺した、という不可解な事件。
あんまり書くとネタを割ってしまうのですが、その謎ときに、ちょっと猫の水の飲み方がかかわっています。
これを読んだのはもう20年も前ですが、鮮やかに思い出しました。
この短編シリーズは、『くらやみ砂絵』とか『ちみどろ砂絵』とかのタイトルで数冊のシリーズになっているのですが、その中からえりすぐったこの短編集はおすすめです。
時代小説で、もののけが起こしたような不可解な事件が出てくるけれど、それをきちんと論理的に解くのがミソ。
でも、ひとつ気になりました。最近高速撮影でわかったことのあらましが、どうして砂絵のセンセーたちには分かっていたのかな……
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