Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

タラゴン

2023年07月05日 | ハーブ

イタリアの料理人、フランスの料理人達のクックブックに、この時代になってもまだタラゴンは出てこないのかという疑問が出てくると思います。

イタリアの料理人プラティナが1474年に出版した料理書『De honesta voluptate et valetudine』、イタリアの料理人スカッピが1570年に出版した『Opera dell’arte del cucinare』、フランスの料理人ラ・ヴァレンヌが1651年に出版した料理書『Le Cuisinier françois』。

 

これらの料理書は有名で知らない者はもぐりだと言われるほどのものですが、残念ながらタラゴンは出てきませんでした。それではと、中世から現代に至るまでの著名なフランス料理人を幾人か選出してみました。

 

ギヨーム・ティレル (Guillaume Tirel) 生年 1310年 没年 1395年

フランソワ・ヴァテール (François Vatel) 生年 1631年 没年 1671年

アントナン・カレーム (Antonin Carême) 生年 1784年 没年 1833年   

オーギュスト・エスコフィエ (Auguste Escoffier) 生年 1846年 没年 1935年

レイモン・カルヴェル (Raymond Calvel) 生年 1913年 没年 2005年

ティエリー・ヴォワザン (Thierry Voisin) 生年 1958年 没年 2018年

ピエール・エルメ (Pierre Hermé) 生年 1961年

ピエール・ガニェール (Pierre Gagnaire) 生年 1950年

ギヨーム・ゴメス (Guillaume Gomez) 生年 1973年

フィリップ・コンティシーニ (Philippe Conticini) 生年 1963年

アラン・サンドランス (Alain Senderens) 生年 1939年 没年 2017年

アラン・シャペル (Alain Chapel) 生年 1937年 没年 1990年

アラン・デュカス (Alain Ducasse) 生年 1956年

トロワグロ兄弟 (Troisgros brothers) 3 September 1928 – 23 September 2020

 

幸か不幸か上から3通目のカレームの料理書の中にタラゴンがありました。イヤ良かった。彼の料理書は今までの、いわゆる著述業者が書いた料理書ではなく、現役の料理人が書いた料理書ですから、その内容はレベルが一つ上です。期待して良いと思います。

 

Beurre  de  Montpellier( モンペリエバター)

新鮮な水で、大量のチャービル、20本のタラゴン、同量のバーネット、少量のチャイブを洗い、塩を入れた煮沸水で茹でます。緑色を保つために、フライパンで茹でます。5〜6分後に取り出し、冷水で冷やします。8個の卵を固く茹でます。(ラビゴット)ハーブから水分を絞り出し、完全に潰します。20匹のきれいに洗ったアンチョビ、2杯のケイパー、6個のゲルキン(キュウリのピクルス)、茹でた卵の黄身、小さなニンニクを加えます。10分以上潰し続け、8オンスの新鮮なバター、塩、「そして少量のすりおろしたナツメグを混ぜます。半パイントの良質なオリーブオイルとその4分の1量のタラゴンビネガーを入れてよく混ぜます。それは滑らかなバターになり、風味が絶妙です:シルク製のふるいで通したスピナッチエッセンスで少し着色し、一度に少しずつ混ぜてバターに淡い緑色を付けます。それが良い風味であるかどうか試してみてください。木製スプーンを使ってふるいを通します。小さなボウルに入れて氷上に置き、固くなるまで待ちます。このバターの調味料は非常に注意が必要ですが、酢の酸味は、油を少し加えることで調整できます。

        

    https://www.keldelice.com/guide/specialites/le-beurre-de-montpellierから

現在のモンペリエバターは、ほうれん草、チャービル、その他のハーブ、ケイパー、ゲルキン、アンチョビ、ニンニク、マスタードなどを使ったバターソースが一般的です。

モルタルでハーブをすりつぶし、刻んだエシャロット、ゲルキン、ケイパー、アンチョビ、ニンニク、固茹で卵の黄身と油、塩とコショウを加えます。混合物がペースト状になったら、泡立て器で柔らかくしたバターと合わせます。最後にすべてが準備ができてからサーブします。このようなソースは特に肉(子羊の脚肉、仔牛のカツレツ)や魚(鯛、スズキ)に添えて使います。

カレームのモンペリエバターの作り方。これは凄いですよね。1817年著の L'art de la cuisine francaise からの引用ですよ。ここで一つ疑問が出てきます。今まで何故タラゴンのレシピが出てこなかったのという疑問です。1600年代にあってもおかしくないですよね。

 

                                  つづく

 

 

 

 

 

 

 

 


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