去年の秋に蒔いたマジョラムの収穫をしました。ハーブの栽培に慣れている方にとっては当たり前の事かもしれませんが、私は少し手こずりましたのでここで栽培のコツをお知らせできればと思います。
マジョラムが芽を出したところです。サイトによっては(西ヨーロッパのハーブはどのハーブも微アルカリを好むものですが)マジョラムは酸性土を好むとありましたので、石灰を入れずに種を蒔いてしまいました。(ひどく緑色が濃くて異常ともとれる色合いです)ここには絵はありませんが5-6本あった若芽が3本を残して無残にも根腐れしてしまいました。(それに水を普通の花並みに与えたせいです。)急いで植え替えたのですが、生き残ったのは1本きりとなってしまいました。培養土を2,赤玉土を3培養土を5、石灰を小さじ2杯程度入れた土の中に移植しました。できるだけ水を遣らずに乾燥した状態で栽培したところ何とか育ってくれました。
小さな花をこの6月の25日になって咲かせてくれました。ハーブは花を咲かせる時がその香りと有効成分が一番多いときですから、蕾の時に収穫しました。マジョラムは(も)肥料をできるだけ少なくすると非常に香り豊かなハーブを手に入れることができます。
そんなわけで上の花は蕾を収穫した後の,摘み残した後に咲いた花です。蕾を摘むと下のように新しい新芽が出てきて、今までの青い葉は黄色くなっていきます。
これからの梅雨の時期を迎えて鉢を軒下に移動しました。
摘んだ蕾はしっかりと乾燥して料理に生かして使います。
バキバキに乾いたら瓶に入れて保管です。スパゲッティのミートソースにはこの乾燥マジョラムが一番合います。これまでオレガノを代わりに使っていたのですがやっと45年ほど前に食べていた味に戻れそうです。
ハーブの効用については次回に書こうと思います。少しマジョラムの記事が長くなってしまいました。コメント欄で御質問があったので述べとおこうと思います。
ハーブの効用について述べようと思います。個々のハーブについては左のカテゴリーからご覧になれます。今回は切り口を変えてハーブをご紹介しようと思います。
ハーブには2つの姿があります。1つはハーブから得られる精油、および薬効成分を健康食品、機能性表示食品、薬品等に使った姿です。
2つ目はハーブ関連の一般的な書物に書かれているハーブ本来の姿です。学名から始まり、原産地、栽培方法(収穫、花期、種まき、挿し木、株分け、病虫害、土、水やり、日当たり、温度)、利用方法(園芸、ポプリ、料理、ティー、浴用、染色)、料理の数々からなる姿です。
1つ目から、カモミールを例にとって述べると;
カモミール(カミツレ)には精油である(アズレン、ビサボロール、カマアズレン、ファルネセン)フラボノイドの(ルチン、クエルシメトリン)が含まれています。その中のアズレンに的を絞って説明します。
アズレンは抗炎症性や抗アレルギー、肉芽促進、上皮形成などの作用があるので。
アズレンのスルホン酸ナトリウム(スルホン酸が持つ -SO3H の官能基(スルホ基)は強酸性で水と良く水和するので多くの有機化合物に導入されこのアズレンに利用されています)として使われています。
抗炎症作用:炎症組織に直接作用し、ヒスタミン遊離と白血球遊走を妨げることで炎症を抑えてくれます。鎮痛作用:痛みを和らげる効果があります。抗菌および抗真菌作用:細菌・真菌に対する抑制効果があります。
これらの作用のあるアズレンスルホン酸ナトリウムは次のような症状の治療に使用されます:胃潰瘍や胃炎:胃の炎症や潰瘍の治療。口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷:口腔内の炎症や創傷の治療。
市販のうがい薬としては、「パブロンうがい薬AZ」や「エスコンうがい薬AZ」などがあります。アズレンスルホン酸ナトリウム水和物が配合されたうがい薬は風邪やウイルス予防に効果的で、特に喉の痛みや腫れがあるときに使用されます。軟膏や喉スプレー:アズレンを含む軟膏や喉スプレーも存在します。傷の治りを早くする効果があります.
第3類医薬品(第1類・第2類医薬品以外の一般用医薬品)なので、薬剤師もしくは登録販売者から購入でき、一般従事者からの購入も、薬剤師や登録販売者の管理・指導の下であれば可能です。
アズレンを含むスプレー商品としては、以下のようなものがあります:
商品説明;「パープルショット」には、『喉の炎症を抑える有効成分「アズレンスルホン酸ナトリウム」を配合したスプレータイプの商品です。喉の腫れや声枯れに対して効果的で、特に風邪が喉にきやすい人におすすめです』とあります。
また、浅田飴AZのどスプレーSには『「浅田飴AZのどスプレーS」もアズレンスルホン酸ナトリウムを配合しており、のどの痛みやはれ、声がれ、口内炎に効果があります。』
アズノール軟膏はステロイドではないのでおむつかぶれの炎症を抑える目的で使用されます。商品としては「アズノール軟膏0.033%」があります。
処方箋医薬品で、医師の処方箋を必要とし、薬剤師による調剤によって処方される医薬品です。『国産カモミールの有効成分を引き出したカミツレエキス100%の薬用入浴剤国産カモミールの有効成分を引き出したカミツレエキス100%の薬用入浴剤』
その他にスキンケア―の商品として 華密恋(KAMITSUREN) を取り上げておきましょう。
『華密恋(カミツレン):国産カモミールにこだわったスキンケアブランドで、フェイスケア製品をはじめボディケアやヘアケアなど、厳選した国産カモミールを使用した製品を提供しています。』
どのような形でカモミールを利用するかで含有量が異なり、それに応じて取り扱われ方が異なります。いずれにしても使用に当たっては細心の注意が必要です。なぜなら、その中に使われている精油の量は、自然界に存在していた時に比べて比較にならないほど大量だからです。
『自然の、ナチュラルな、植物からの』等の説明はその通りですが、いままで我々人間が何千年もの間付き合ってきた自然に存在していたハーブとは全く異なる姿がその中にあるからです。何万倍もの精油を体の中に入れたらどうなるかは想像に難くありません。
一番目のハーブの姿はこれくらいにして次に移ろうと思います。
2つ目はハーブそのものを直接利用する方法です。先にも書いたように園芸、ポプリ、料理、ティー、浴用、染色、料理の数々からなる姿です。
ハーブの本にはいかにも効果がありそうに書いてありますが、本当にそうでしょうか。ハーブを栽培し、利用するようになって45年以上たちますが、書かれているような効果が即座に発揮されたのは、2例です。経験が浅いと言われればそうかもしれませんが、その2例をご紹介すると:
歯が痛くて、おまけに休日でどうにも我慢ができなくて、栽培していたセージの葉を腫れた歯茎に押し当ててて痛みを我慢したのが、一例です。後の一つはカレーのスパイスの中にクローブをたくさん入れて腸の調子を整えたことがあります。どの例もお勧めできるのものではありませんが、身をもってハーブの薬効を感じ取った例です。
ハーブの効果とは化学薬品のように即効性のあるものではないのです。例えばローマンカモミールのページを開くと、『花を使いその鎮静効果を利用したカミールティー、葉や茎を使い保温、発汗効果を利用した入浴剤、石鹸、シャンプー、リンス。利用すると肌に優しく、リラックス効果や鎮静効果がある。』という文字が目に入ります。本当にそうでしょうか。即効効果はないはずですから、飲んで、或いはハーブの水溶液を浴びてすぐに効果があるはずはないことは少し考えれば理解できることです。しかし、カモミールティーはいろんな場所で目にします。何年もハーブに触れてきた経験から言うと、あれは何回も『眠るときにカモミーレティーを飲む行為』と『眠り』がカモミールティーと結び付けられたせいです。その結果カモミールティーを飲むと自然に眠たくなるのです。カモミールティーに特に眠りの効果があるのではないのです。試しにほかのものを飲んでも同じ効果があるはずです。
つい最近亡くなった方のお話です。このお話をしていいものかどうかは結構迷ったのですが。お話しすることにしました。多分『いいよ』言ってもらえるのではおもったからです。
36年も前のことからお話は始まります。その方はわたしがやっていたお菓子屋の近くに住んでおられて、1か月の内に何度も来られていた方です。当時67歳くらいだったと思います。癌家系の方で、ご本人はそのことを絶えず気にかけておられたものですから健康管理には随分気をかけておられました。
数種類の野菜を入れたスープを毎日飲んでおられました。私もそのレシピを教えていただいて今も飲んでいますが、腸の調子はいいようです。あるとき、膝を酷く腫らしてお見えになりました。医者に『年だから』と言われたとひどく憤慨おられたのですが、お友達に、『仰向きに寝て、脚を挙げる運動をすると膝痛に良い』と聞き、毎日片方の脚を10回ずつ上げる運動をしているとおしゃっておられました。1か月後には膝の腫れは治っていました。
一か月ばかり姿を見せられないときがありました。お友達の方がお見えになって、『xxxさんは入院したよ』というのです。さっそくお見舞いに伺ったのですがお会いすることはできませんでした。『xxxさんももう駄目かもしれないねえ』と耳に入ってきたのはそれから数日してからでした。大腸にこぶし大の腫瘍があったらしいというのです。癌らしいというのです。
『これは!!』と私も思いました。それから2週間ばかりして、xxxさんがひょこっり顔を出されたのです。びっくりしました。笑いながらおっしゃるのです。『開腹すると腸が激しく動いていたとお医者さんが言った』というのです。癌細胞は転移することなく、一部分に限局していたそうです。腸を開くと真っ黒で癌細胞を囲むように押し包んでいたというのです。
何故癌組織が広がらなかったのでしょうか。彼女が教えてくれました。せんぶりを若いころからずーっと飲んでいたそうです。そのせいで癌組織が周りに広がらなかったのではというのです。
せんぶりと言えば苦味成分であるスウェルチアマリンに苦味健胃作用、食欲増進、胃液分泌促進等の効能があることが知られています。しかしこれだけで、いくら長期にわたって服用していたとはいえ抗がん作用が期待できるのでしょうか。
このお話の中にハーブを使う上での大きなヒントが隠されているように思うのです。
完
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