フィヤドーネ Fiadone
今月のお菓子「フィアドーネ」はコルシカ島で11月中旬から6月中旬にかけて羊又は山羊の乳を材料にしたフレッシュチーズチーズ(ブロッチェ:brocciu)で作るお菓子です。このチーズを日本で手に入れることはできますが、新鮮なチーズの風味を遠く離れた日本で、そのままの状態でお菓子に使うことは難しいようです。今のところブロッチェを使ったフィアドーネをどうしても召し上がりたい方は、コルシカ島へ11-6月の間に行くしかないようです。
舌にまつわりつくような滑らかさで深い味わいのあるお菓子。フィアドーネを何とか再現したくて「今月のお菓子」にしました。それもクリームチーズを使って。
フランスではブロッチェ、卵、砂糖、卸したレモンの皮、レモンジュースを混ぜてフラン型に入れて焼いていますが、イタリアではタルト生地の中に入れて焼いています。ここではフランスのサイトから4レシピを引用させていただきました。
http://www.supertoinette.com/recette/1840/fiadone-de-corse.html から
材料:
ブロッチュ ( brocciu or bush:コルシカ島の羊ミルクのフレッシュチーズ )500 g
強力粉 50 g (flour T65)
レモンの皮 3 g
砂糖 180 g
卵 320 g
塩 0.7 g
バター(型) 15 g
方法:
レモンの皮を半分卸す。ボールにチーズを入れる。
2分間混ぜて卸したレモンの皮。砂糖、塩を加える。
2分間混ぜる。バターを型に塗って40分間焼く。
冷蔵庫で3日間保存できる。クリーム、ソース、アイスクリーム、フルーツサラダを添えてサーブする。温めても冷えていてもよい。
http://www.recettes-corses.fr/recipe-items/fiadone-corse-au-citron から
材料:
ブロッチュ 500g
砂糖 100g
卵 5 個
レモン 半分
liqueur myrtle or classic brandy 2TBS
方法:
1. オーブンを180 °Cに用意する。
2. ブロッチュをボールに入れてなめらかになるまで練る。
3. レモンピールを細かく刻んでブロッチュと混ぜる。
4. 卵、砂糖、少量のレモンジュース、ミトルリカーを2TBS入れて混ぜる。
5. レモンの皮を入れて均一に混ぜる。
6. 焼く。
http://www.elle.fr/Elle-a-Table/Recettes-de-cuisine/Fiadone-gateau-corse-1107395# から
材料:
ブロッチェ 400 g
卵 6個
砂糖 150 g
レモン 1 個
ギンバイカのリキュール又はベルガモットクリーム ―
方法:
1. 1時間前に卵を冷蔵庫から出す。
2. オーブンを180℃にする。
3. レモンを洗い、皮を卸してジュースを絞る。
4. 卵黄をボールに入れて砂糖と一緒に白っぽくなるまで混ぜる。ブロッチェを入れ
て、皮、レモンジュースを入れる。Pour 1 or 2 c. Coffee liqueur.
5. 塩を1ピンチ入れて卵白を固く泡立てる。4.と混ぜる。
6. バターを塗ったパン入れて約30分間焼く。きつね色になったらアルミホイルをかぶ
せる。
7. フィヤドーネを冷ます。
http://cuisinedamour.unblog.fr/2015/01/02/fiadone-ou-lemblematique-gateau-corse-au-brocciu/ から
材料(4人分)
卵 3 個
レモンの皮 ―
ブロッチュ 300 g
粉糖 95 g
型のバター ―
方法:
卵、ブロッチュ、砂糖を混ぜる。レモンの皮を加える。型にバターを塗って170℃で30-35 分間焼く。
ブロッチェだからこそ、これらのレシピで作っても滑らかな舌触りが生まれるのでしょう。
砂糖の代わりに粉糖を使う、卵白を泡立てるだけでは、ブロッチェの代わりにクリームチーズを使うことはできません。フィリングをすべて裏ごししてもブロッチェの滑らかさは生まれてこないでしょう。どうしたらいいのでしょう。中々考えがまとまりません。
ここで頭をかすめたのが、イスラム世界での砂糖を扱う術です。1850年頃まで西洋に比べて文化の優位性を保っていたその残像は今でもイタリア、ポルトガル、スペインのレシピの中に残っているはずです。時間がかかりましたが見つけることができました。日本にカステラや鶏卵素麺をもたらしたポルトガルの料理の中に、優れた砂糖のレシピが残っていました。ご満足いただけるとうれしいのですが。
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