1. 耳
現存している料理書の中に初めて「耳」という表現が現れるのは、フランス王シャルルⅤ世の為に宮廷料理人タイユヴァンが著した料理書;ル・ヴィアンディエ(Le Viandier de Taillevent)に於いてです。(タイユヴァンは1373-1380年の間に初版を、1380-1393年の間に初版にワインの取り扱い方法を加筆した二版目を著しました。問題のレシピはその両方に入っています。下に引用しておきます。(訳は原典のままで、カッコ内は訳注です。)
194. ロリーパスティ( Petis pastez lorez※ )
小さいロリーパスティを作るにはパスティをBlank( 5デニールコイン )又は、それよりも小さいサイズにしてフライする。パスティはそんなに高く(厚く?)しない。レタスと小さい耳(レタス状のあるいは耳の形をしたパスティ)を作るには蓋のパスティを作り、大きいものや小さいものを作り、オーヴンでクックした時と同じ硬さになるまでラードでの中でフライする。お望みであれば金箔又は銀箔、或いはサフランで飾ることができる。
この料理書は評判が高く、1486年から1615年にかけて24版が出版されています。ほんの最近まで使われていたのです。上に掲げた料理書の表紙絵は24版の内の一つです。(フランスの偉大な料理人タイユヴァンの書と大書してあります)
レシピの解説は、次回に。
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