青年期、小説をイヤというほど読んだ時代があった。
丸一日、ベットの上で本を読み続けるなんて普通にやっていた。
人は何故、嬉しくなったり、悲しくなったり、嫉妬したり、怒ったり、感動したりするのか。
その根底に、物語構造が存在する。
冬ソナで涙がチチョギレルのには、確かな理由があるわけだ。
その反動だろうか、一時期、アニメや漫画もたくさん読んだ。
今、想い出すと、よく時間があったなと驚く。
今は、美容の技術や経営や世の中の動きなど専門書やハウツウものがどうしても多くなる。
何も考えず、のんびり読書ができる日はいつやってくるのかと少し心配。
老後は、映画と読書三昧と思っていたのだが、目は悪くなる、疲れやすい、根気がなくなってくる。
こんなはずでは・・。
青年期、フランスやイタリア映画にはまり、ゴダールやフェリーニなんかわかりもしないのに、友達と語ったりしていた。今考えると、恥ずかしい。
あんなもの、理解できるはずはないのだ。
アニメも音楽をやっていた関係で、そういうBGMなんかの依頼があり、漫画家の先生にも知り合う機会をいただいた。(サードガールってご存知でしょうか?)
昔の漫画は面白かったな。
そんな中でも、思いで深い作品の一つに坂田靖子さんの作品がある。
代表作が表題の「バジル氏の優雅な生活」
ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、有閑貴族でプレイボーイのバジル・ウォーレン卿とその周囲の人々を描いた連作短編集。
坂田さんの作品は短編が多い。
アジアや中国を舞台にしたものや、霊や哲学に関連した作風。
絵のタッチは少女漫画そのものなんですがね。
このあたりの作品は、先ごろ癌で亡くなった友人に教えてもらった。
今頃、天国で笑っているだろう。
柔らかな、独特の絵とストーリー。
映画「アメリ」や「ビートルジュース」なんかが好きな人にはもってこいです。
そんなファンタジーの世界に興味のある方はぜひ手に取っていただきたい。
坂田靖子さんのHP
■http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/